共産党柏原市政対策委員長 江村じゅんのブログです。

2024年(R6)12月市議会・公共施設再編の補正予算への反対討論

2024年12月20日
 日本共産党柏原市会議員団の江村淳でございます。私は、議案第69号 令和6年度 柏原市一般会計補正予算(第7号)に反対の立場から討論をおこないます。

 最初に、公共施設等再編整備事業以外の補正予算には賛成の立場です。市民の暮らしや福祉に関わる大事な予算も含まれているからです。しかし、公共施設等再編整備事業は認めることはできません

 本会議質問や委員会質疑を通じて、(仮称)市民交流センターの施設整備工事11億2千万円と、室内遊び場施設整備業務委託料8千万円など、合計12億2千万円の補正予算の問題点が浮き彫りになってきました。とくに「市民の利便性の悪化」と「費用対効果」の2つの問題が明らかになりました。

▶サンヒルまでのアクセスの悪さが問題となりました。

 本会議では、安堂駅からサンヒルに向かう狭い道路や混雑する交差点の安全性について指摘がありました。委員会でも、地域の方が車を避けようとして転倒されたことがあったと言われました。利用者や住民の安全・安心が確保できるとは思えません。

▶送迎の中心をになう循環バスについて議論が集中しました。

 委員会では「循環バスについては検討中」とされ、その後、循環バスの終点をサンヒルにしたり、増便やルートの改定案などが示されました。子育て世代から、循環バスを、利用時間に合わせて増便などの要望が寄せられていました。しかし、子育て世代からは、「子どもを2人連れてベビーカーでのバス移動は不便だし大変」「小さい子供がいるので、騒いだり泣いたら迷惑がかかる」など「他の乗客に気をつかう」との意見が当初からあります。サンヒルに行くなら約6割が自家用車とのアンケート結果もあります。循環バスを増やしても「利便性の向上」には限界があると考えます。

▶子育て支援施設など、サンヒルより文化センターに複合化したほうがよかったのではないか、との意見もありました。

 本会議での意見でしたが、市民の望む場所や求められる機能・設備などを考えての発言です。日本共産党は、文化センターの場所に、複合化して生涯学習センターを建て替えることを要望してきました。私たちと同様の意見であり、文化センターの場所で複合施設にする方向こそ、市民の「利便性の向上」につながると考えます。

▶サンヒルを5億円で買って12億円で改修するのはどうか、との意見がありました。

 サンヒルは、「遊休施設」ではなく、役割が終わっているのではないでしょうか。昨年寄せられた市民意見を紹介します。
 「サンヒル柏原は、計画にあるように、もともと「健康保養センター(かんぽの宿)として建てられた宿泊施設」です。ですから、市の中心部から少し離れた眺望の良い高台に建設されています。地域の方、あるいは他地域の方が健康増進、保養のために、一時の安らぎを求めて利用する保養宿泊施設で、地域住民が日常的に利用するような施設ではありません。もちろん既存の施設、遊休施設(計画はサンヒル柏原のことをそう表現しています)を有効活用することはとても大切なことです。市の財政事情や人口動態等についてきちんと判断を下すことも重要です。しかし、今回の場合は、設置の目的が異なり、市の中心部から離れた高台にあるというサンヒル柏原の立地条件を無視し、本来備えていない公民館としての機能を発揮させようとするところに、根本的な矛盾があるのではないでしょうか。政府が異次元の少子化対策を打ち出そうと言うときに、こんなにも文化を、子どもたちを大切にしないような施策を打てば、人口減少、ことに若い世代の減少が加速されることが容易に想像されます。再考して下さい。」これは2023年4月~5月に寄せられた意見です。「費用対効果」に問題があると考えます。

▶子育て支援施設に8千万円もかける必要があるのでしょうか?

 検討されている「室内遊び場」は、授乳室やオムツ交換台、トイレ等を含めて約490㎡(20数㍍四方)で、子育て世代の意見を聞いて設備や機能を充実させるとされます。施設利用者アンケートなどを読み返してみると、確かに期待に応えようと努力されたのはわかります。しかし、施設や設備の規模が全然違います。子育て世代から名前が上がっている施設と比べると、1.7倍から数倍の広さです(奈良県桜井市の「ひみっこぱーく」は870平方メートル)。今年1月~2月の子育て施設利用者アンケートでは、「室内遊びなどは土日祝日も利用できるようにして欲しい」「子どもが走り回れるスペースを確保して欲しい」などが多数寄せられていました。日本共産党柏原市会議員団の市民アンケートにも、「子育て支援施設が遠い所にしかなく、行く気になれない不便すぎる。保健センターの場所、もっと駅前にするなど、車が無くても行きやすい所にして欲しい(手前の坂道も危ないと思う)。全員が車を持っている(乗れる)と思わずにまちづくりをして欲しい」などが子育て世代から寄せられています。要望からみて、広さや施設の内容、設備など、8千万円もかける必要があるのか疑問に感じます。

5つの視点から述べてきましたが、公共施設再編計画の根幹が問われていると考えます。

 基本計画の段階からの意見を紹介します。
 「公共施設の課題としてバリアフリー化、ユニバーサルデザイン化が必要であると挙げられています。ユニバーサルデザインとは施設だけの考え方だけではありません。それを実施できる立地条件こそが真に重要であると考えます。それゆえ目標とする暮らし続けるまちの中心地と言い難いサンヒル柏原に集約することは到底納得がいきません。このまま既定路線としてサンヒル柏原に機能移転がなされた場合、循環バスの充実を訴えていますが、一番必要とする子育て世代や高齢者等の弱者が、利用時に移転前以上の快適な利用ができるかどうお考えでしょうか。

 まさに、サンヒルの立地に由来する根本問題です。
 再編によって削減される施設の面積は3%です。今回の(仮称)市民交流センターの整備工事費の他に、さらに費用が発生する、上振れすること間違いありません。昨年12月の補正予算の時に、概算約16億9千万円で3%の削減で、費用対効果を問題にしました。これがいま、20億円以上かけて3%の削減となり、費用対効果の矛盾が広がっています

理由のないオアシスの廃止、公民館・図書館の廃止からリニューアルへの変更、サンヒルの延命など、「市民の利便性」や「費用対効果」からみて、公共施設再編計画の土台が崩れていると考えます。(仮称)市民交流センターの関連工事は中止するよう求めます。

以上をもって、議案第69号 令和6年度 柏原市一般会計補正予算(第7号)に反対の討論とします。

2024年(R6)12月市議会・水道広域化に伴う条例改正への反対討論

2024年12月20日

 日本共産党柏原市会議員団の江村淳でございます。
 議案第67号 柏原市下水道事業の設置等に関する条例の制定について、反対の立場で討論します。なお、議案第67号は、水道広域化に伴う下水道関係の条例改定、機構改革などをおこなう議案であり、議案第68号 柏原市水道事業の統合に伴う関係条例の整備に関する条例の制定について、は関連する議案ですので、まとめて討論します。

 日本共産党は、大阪広域水道企業団への統合、いわゆる水道広域化は、市民にとって水道事業が市民から離れるため、当初の統合計画以来、反対してきました。

 大阪広域水道企業団への統合は、2017年から2021年に府内14市町村が統合しました。2023年3月、7市の統合案が和泉市議会で「市民の財産を企業団に渡してよいのか」「水道料金を市で決定できず、水道の自治がなくなる」として否決されました。その翌年の2024年3月、東大阪市が「大阪市も堺市も当面統合しない」「水道の自治が奪われる」として否決しました。そのため、今年6月の議会で、残る八尾市・富田林市・岸和田市・高石市と柏原市の5市での統合が決まりました。

 この条例改正や機構改革によって、「柏原市水道」の看板が水道企業団の「柏原水道センター」に看板に付け替えられるだけはありません。また、水道と下水道に関係する条例から「水道」の文字が削られるだけでもありません。

 柏原市議会で予算や決算を審議し、そして、本会議や委員会で水道問題について、市民の皆さんの声を届けてきました。現在、柏原市議会から消防組合や環境事業組合、給食組合などの議会に複数の代表が選ばれています。これと違って、企業団議会にはたった1人しか代表を送り出せず、しかも毎年、出られるわけではありません

 来年、2025年度以降、この本会議場から、水道の担当部長がいなくなります。もちろん水道関連の質問、水道の予算・決算についての審議、チェックすることができなくなります。過去に、水道料金の値上げにつながる下水道料金の値上げ提案に対して、議会で議論して取り下げや修正するなど、市民を代表する柏原市議会の役割を果たしてきましたが、それが出来なくなります。市民から水道事業が遠のくということです。一方、東大阪市議会では12月19日、水道料金28%値上げ案が、建設水道委員会で維新のみの賛成で、自民党、公明党、れいわが反対して、否決されました。共産党は委員長のため採決参加せず。水道事業について市議会がチェックするのが、本来の姿ではないでしょうか。

 今回の議案は、水道事業を廃止すると言う、地方自治法にある「公の施設の廃止」に該当し、出席議員の3分2以上の同意を必要とする特別多数決であり、重要な議案です。また、柏原市まちづくり基本条例の第11条でも「市民の公共の用に供される施設の設置に係る基本計画等の策定およびその利用や運営に関する方針の策定またはそれらの変更」するには「市民参加の対象」として重要な位置づけがされています。確かに、水道の建物や施設などはそのまま企業団に引き継がれますが、柏原市から水道事業が廃止、なくなるという意味は非常に重要な変化です。

 柏原市の水道の7割以上は、市内の井戸から汲み上げる自己水です。市民にとって「宝の水」です。これが、企業団のものになります。近年の災害の多発、今年の能登半島地震や豪雨からわかるように、「命の水」であることは明らかです。

 企業団への統合の行きつく先は民営化です。
 水道事業を統合して広域化すれば、大企業は民営化でより金もうけがしやすくなります。市町村や企業団の直営であれば水道料金は水道事業だけに使われますが、民営化すれば水道料金は企業の役員報酬、株主配当にもまわされます。
 有機フッ素化合物などの水質悪化の対策に、コストがかかると判断されれば、自己水の廃止につながります。豊富で安価な自己水をやめ、単価の高い企業団水に切り替えるという事態にもなりかねません。水道料金の大幅な値上げとなり、住民サービスが低下する恐れがあります。
 民営化すれば市町村や企業団から専門職員がいなくなり、ノウハウも失われます。災害が起こっても自治体は住民の命と安全に責任が持てなくなります。

 大阪広域水道企業団への統合、水道広域化を完了させるこの議案は認めることができません。

 以上のことから、議案第67号 柏原市下水道事業の設置等に関する条例の制定について および 議案第68号 柏原市水道事業の統合に伴う関係条例の整備に関する条例の制定について、反対し討論とします。

2023年(R5)3月市議会 議案に対する代表質疑(6)/地域応援キャンペーン

「2023年3月市議会 議案に対する代表質疑」(6)=整理番号73を紹介します。

それでは最後の質問項目に入ります。

整理番号73、議案第19号 令和4年度柏原市一般会計補正予算(第12号)

歳出 (款)6商工費 (項)1商工費 (目)2商工振興費 地域応援キャンペーン事業委託料9400万円。キャッシュレス決済を利用するとポイントが付与される予定であるが、財源や経済効果等について伺う

まず、制度の概要について伺います。

答弁( 市内店舗での支払いにキャッシュレス決済を利用した場合に、20%分のポイントが付与されるキャンペーンを2週間実施。物価高騰による市民生活の底支えを目的として、市内の飲食、小売、サービス業などの店舗での消費も促進され、事業者支援につながるものと考えている。 )

質問2

キャッシュレス決済を利用すると20%分のポイントが還元されるキャンペーンが2週間とのことでした。

コロナ禍と物価高騰対策として、市民生活を支えることを目的としている割に、2週間という期間は短いように感じます。それでは、予算9400万円の財源についてお聞きします。

答弁( 令和2年12月も実施。近隣市の同様事業の実施状況を勘案し、参考見積りを複数社から取るなどして、補正予算額を9,400万円とした。財源は、新型コロナ臨時交付金の一部を充当する見込み。財政調整基金からの繰入金を計上する予定。 )

質問3(まとめ・要望)

予算額からみて約4億4千万円を見込んでいるとのことでした。他会派の質問で、前回の実施が1億円余りということでしたから、3倍近くになるかもしれません。しかし、前回のキャンペーンと違うのは、「登録店舗の大小は問わない」ということです。大規模店舗にかなり流れることもありうると懸念しています。

最後に、コロナ禍と物価高騰がまだまだ続きます。市民生活や市内業者の営業を支える施策を強めていただきますよう、お願い申しあげます。

以上で日本共産党を代表いたしましての、議案に対する質疑を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。

2023年(R5)3月市議会 議案に対する代表質疑(5)/水道広域化/出産育児一時金の増額について

今回は「2023年3月市議会 議案に対する代表質疑」(5)=整理番号71,72です。

整理番号71 議案第11号 大阪広域水道企業団の共同処理する事務の変更及びこれに伴う大阪広域水道企業団規約の変更に関する協議について。

令和6年4月、柏原市を含め7団体が大阪広域水道企業団に統合し、水道事業が柏原市から移行すれば、市民への影響等はどうなるのか伺う。

この規約変更の議案は、大阪広域水道企業団の規約を変更するだけ、つまり現在の規約に柏原市をふくめ7つの行政区名を追加するだけのように見えますが、それだけにとどまりません。2020年4月以後、「覚書」や「統合素案」として検討・協議してきた経営統合の内容を23年1月に「統合案」としました。今回の議案は、柏原市議会で「統合案」そのものが問われる最終段階です。

市会議員に初めて示された22年7月の全員協議会以後、日本共産党は、水道は〝命の水〟であり、憲法25条の生存権と公衆衛生という国の責任を指摘し、これを受けた水道法上の位置づけも示してきました。水道法第1条では「水道の布設及び管理を適正かつ合理的ならしめるとともに、水道の基盤を強化することによって、清浄にして豊富低廉な水の供給を図り、もつて公衆衛生の向上と生活環境の改善とに寄与すること」が目的とされています。

そこで改めて、水道事業の運営が柏原市から企業団へ移行した場合の、市民への影響がどのようになるのか伺います。

答弁( 名称は柏原市から大阪広域水道企業団へと変わる。統合に伴って水道に関する申請手続方法や水道料金の窓口などに変更はなく、新たな手続を行う必要もないので、水道利用者の方々には、安心して水道水を使用できる。 )

質問2

市民への影響は、手続きや窓口の変更がないだけではありません。

水道料金という形で直接影響します。「柏原市が企業団と統合した場合は、統合しない場合よりも将来の料金値上げを供給単価で1㎥当たり9円抑制できるなど、市民のみなさまにとってのメリットとなる」と説明されてこられました。ところが、詳細はどうでしょうか。統合すれば、現在の単価163円が、値上げを繰り返して、2060年(令和42年)には単価が324円になります。単独経営の場合でも333円です。統合による単価抑制効果を強調するために、現在と約40年後の単価を比較すれば、かえって水道料金が約2倍になることが浮き彫りとなってしまいます。先行して統合した自治体の中には、予測よりも早く料金値上げを実施した自治体もあります。

また、水道施設や水道管の維持修繕などは、ほんらい国が責任をもって行うべきことです。水道法第2条の2によれば、「国は、水道の基盤の強化に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、及びこれを推進するとともに、都道府県及び市町村並びに水道事業者及び水道用水供給事業者に対し、必要な技術的及び財政的な援助を行うよう努めなければならない」と書かれています。国が果たすべき技術的・財政的な援助についてハッキリと記されています。

ここで伺います。統合後の柏原で行われる水道事業の現状を、市民はどのように知ることができるのでしょうか。また、統合後に水道料金を改定することになった場合、柏原市はどのように関わることができるのか、伺います。

答弁( 水道料金の改定は、企業団議会にて、給水条例の改正議案の審議、議決が必要。企業団から市長、市議会、市民の皆様への説明があり、そこで意見聴取が行われる。料金改定に関する委員会で、料金改定率等を検討し、企業団運営協議会で協議の後、首長会議で審議される。料金改定の対象団体の首長から料金改定案を否決する意思表示があった場合は、出席者の3分の2以上の賛成が必要。現在のところ、料金改定の対象となる団体に優先的に企業団議会の議席が配分される。 )

質問3

料金改定の流れについて細かく説明され、何重にも市民の声が審議されるように言われました。最終的には企業団議会の多数決によって決まります。柏原市選出のたった1人の企業団議員の意見を、他市の議員がどれだけくみ取ってくれるでしょうか。異議があっても、多数決で押し切られることになりかねません。現在、水道企業会計は、柏原市議会議員16名でチェックしています。市民が直接チェックし、意見を述べることもできます。24年4月に水道企業会計が企業団に移行すれば、市民の意見が反映しにくくなるのは明らかではないでしょうか。

それでは、この間の水道企業団への統合協議の内容を、市民にお知らせすることについて、令和4年第4回定例会で、「広報や説明会を開くこと」を要望しましたが、どうなっているのか伺います。

答弁( 市のホームページに柏原市の水道の現状や水道事業統合における検討協議、大阪広域企業団との統合に向けた統合案等、最新で詳細な情報を随時掲載している。広報かしわらの令和5年1月号、2月号には、企業団との水道事業の統合を検討している前の記事を掲載。3月号は、水道事業の経営状況や統合のメリットとなる統合効果、それと統合後の水道料金の3つのポイントを掲載。市民に分かりやすく情報発信を行っている。 

質問4(まとめ・要望)

柏原市は、他市に比べて、市のホームページなどで頻繁に情報発信を行っている方だと思います。しかし、パブリックコメントや説明会など、市民と双方向で意見を聞くというところまでいっていないのではないでしょうか。水道は命の源泉です。命の水です。市民にとって大事な判断をする時です。市民に対して丁寧な対応を求めます。

最後に繰り返しますが、憲法や水道法などにもとづいて、国がほんらいの責任を果たすことが、柏原市の水道事業が抱えている問題を解決する道であると考えます。

続きは、総務産業委員会でおこないます。


次の、整理番号72に入ります。

議案第18号 柏原市国民健康保険条例の一部改正について。出産育児一時金が40万8千円から48万8千円へ増額されることについて

最初に、今回の条例改正の概要と、出産件数は何件と見込んでいるのか、教えてください。

答弁( 国が出産に係る被保険者の経済的負担を軽減するために、出産育児一時金の額を40万8,000円から48万8,000円に引き上げるもの。 なお、加算となる産科医療補償制度の掛金分1万2,000円と合わせて、出産育児一時金の総支給額は50万円。令和5年度の出産件数は60件を見込んでいる。 )

質問2

国が子育て応援のために条例を改正し、出産にかかる経済負担を軽減するためと理解しました。増額した一時金48万8千円と、掛け金1万2千円とで、合計50万円。60件の見込みとのことでした。

それでは、この出産育児一時金50万円の財源について、ご説明をお願いします。

答弁( 財源は、3分の2を一般会計からの繰入金で、残りの3分の1を保険料で賄う。ただし、令和5年度に限り、国から1件当たり5,000円の補助金あり。なお、一般会計からの繰入金は国から交付税措置される 

質問3(まとめ・要望)

出産育児一時金の増額は歓迎すべきことですが、改善点を指摘しておきます。

費用の一部を新たに後期高齢者医療制度に負担させる計画となっており、23年度に限り国費を計上し、保険者の財政状況に応じて財政支援を行います。

後期高齢者の保険料は、22年度と23年度の年額平均7万7700円から、25年度には9500円増の8万7200円へと引き上げられます。年収200万円の人は3900円の増額です。昨年10月、高齢者の窓口負担2倍化が強行されたばかりなのに、さらなる負担増が追い打ちをかけるもので、国に計画を撤回させることが求められます。また、交付税措置は「令和5年度に限り」とされ、出産育児一時金への国庫負担の継続も必要です。

以上の点を指摘しまして、この項目の質疑をおわります。

2023年(R5)3月市議会 議案に対する代表質疑(3)/中小業者への支援策について/プロジェクションマッピングについて

「2023(R5)年3月市議会での、議案に対する質疑」(3)=整理番号67,68です。

整理番号67、(款)6商工費 (項)1商工費 (目)2商工振興費 中小企業融資事業2800万円(予算書P205)。「昨年来、市内業者の経営が深刻になっており、中小業者への支援策を充実させる考えについて」伺います。

最初に制度や事業内容について、ご説明をお願いいたします。

答弁( 市が金融機関に預託金を預け、事業者は通常より有利な利率で融資を受けることができ、小規模企業の支援策として一定の役割を果たしている 

質問2

市が預託金を金融機関に預け入れることで金利の引下げなどを行い、市内で事業を営んでおられる小規模事業者が融資を受けやすいようにするためのものと理解しています。

私は、昨年R4の3月議会でも、この事業について質疑しました。その時に、「この制度は、大阪府の小規模企業サポート資金の制度をベースにしたもの」との答弁でした。令和2年度、3年度と利用者がなかったのは「新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業者向けの国の融資制度、実質無利子などの制度を利用されて融資を受けられたと考えている」との説明がありました。利用資格や融資条件を変えるなどの改善はできないのでしょうか。

次に伺います。引き続きコロナ禍と物価高騰、円安傾向は続くと予想されていますので、中小業者へ手を差し伸べるための施策は何か考えておられるのでしょうか。

答弁( 令和2年度以降、中小企業や飲食店、小売店等の事業者への支援を行ってきた。令和4年度は、物価高騰対策事業者支援事業や商品券事業など支援を行い、地域経済の活性化に取り組んできた。令和5年度は、夏頃に地域応援キャンペーン事業を実施する予定。今後も、新型コロナの影響や国の動向などを注視しながら必要な施策を講じる。 )

質問3(まとめ・要望)

新型コロナ対応地方創生臨時交付金を活用したり、財政調整基金を活用したりして、中小業者の固定費などを直接支える施策も進んでいます。

石川県小松市では、エネルギー価格の高騰で影響を受けている中小企業などを支援するために、電気代や燃料代の値上がり分に相当する電気代の半額を補助します。1事業所当たり30万円を上限に補助します。

経済産業省の予算では、二次補正に、中小業者への資金繰り支援などの予算を計上しています。コロナ関連融資の借り換えによる返済負担の軽減に加え、セーフティーネット貸付など、十分とは言えませんが盛り込まれています。柏原市も、こういう制度を活用すべきではないでしょうか。

苦しんでいる中小企業を応援するという点で、小手先の支援策でなく、あまねく支援できる、特効薬となるのが消費税の減税です。近年の物価高騰を考えると、消費税を5%にすべきです。柏原市として、国に対して消費税減税を求めるよう、要望いたします。

続きまして、整理番号68です。

地域にぎわい創造事業(予算書P205)。プロジェクションマッピング保守管理業務委託料128万7千円、並びに、プロジェクションマッピング運営業務委託料288万9千円。プロジェクションマッピング事業の今年度実施する内容等について伺います。

答弁( 保守管理料は、プロジェクターや筐体の保守点検、機器の監視や映像入れ替えなどの費用。また、運営業務委託料は、観覧の予約受付や現地の案内業務などを外部委託する費用。4月以降、投映回数の増を検討している。 )

質問2

保守管理業務に128万円。今回の予算で新たに追加したのが、運営業務委託料の約290万円ということでした。昨年3月の市議会で、プロジェクションマッピング事業を、新型コロナ対策交付金を使って導入することを審議した時に、ランニングコスト、つまり保守管理費用として約100万円、もし映像コンテンツを更新するとしたら約1千万円が必要との予測が示されていました。今年プロジェクションマッピングを稼働させるなかで、運営費用が新たに必要になってきたということでしょうか。

それでは、4月以降のプロジェクションマッピングの運用についてお聞きします。

答弁( 観覧者の評判は良く、メディアで取り上げられ、予約受付開始後すぐに埋まる。4月以降は、平日の観覧や、土曜日の集中投映日など、投映回数を増やす。また、キッチンカーの出店など環境整備に努める。 )

質問3(まとめ・要望)

複数のメディアにもとりあげられ、注目され、予約は順調に埋まっているようです。平日の投影も予定されているとのことでした。この間放映されたテレビ番組の中で、コメンテーターから「予約がいるのか…」と予約制であることを残念に思う発言も紹介されていました。さまざまな改善が必要です。

引き続き、総務産業委員会にて質疑いたします。

2023年(R5)3月市議会 議案に対する代表質疑(4)/国保料の全世帯値上げ/市立柏原病院の経営について

「2023(R5)年3月市議会での、議案に対する質疑」(4)=整理番号69,70を紹介します。

整理番号69、議案第2号 令和5年度柏原市国民健康保険事業特別会計(事業勘定)予算。歳入 (款)1国民健康保険料 (項)1国民健康保険料 (目)1一般被保険者国民健康保険料。令和5年度の国民健康保険料が全世帯値上げになることについて伺います。

令和5年度は全国の自治体のうち8割の国保料が値上げになるといわれています。いち早く2018年度(平成30年)に統一化に踏み出した大阪府も、23年までは激変緩和など経過措置があり、文字通りの完全統一は来年24年4月の予定です。柏原市もその最初の時から統一化に参加しています。いま、国民健康保険料の『駆け込み値上げ』、『値上げラッシュ』が起こっています。

具体的な例として、国がいう「モデルケース」、すなわち所得200万円で夫婦と子ども2人の世帯と、一番最低限の国保料を払っている方について、2022(R4)年度と23(R5)年度のそれぞれの保険料額とその差額を教えてください。

答弁( 所得200万円のモデルケースは、R4年度41.2万円、R5年度44.0万2万8126円の増額。 国民年金のみ受給の単身世帯の方(最低額の方)は、R4年度は2.4万円、R5年度2.6万円、1711円の増額。 

質問2

3年超すコロナ禍で疲弊し、先の見えない物価高騰や異常な円安のもとで、モデルケース世帯で2万8126円の増、減免世帯で1711円の負担増はあまりにも酷すぎます。2022年度の値上げは、モデルケース世帯では4千円余りで、今年度は約7倍という異常な値上げ幅です。

大東市(人口約11万7千人)では、23(R5)年度、国保料の市民への負担を減らすため、国保基金約7億6千万円のうち約3億円を取り崩して、国民健康保険料の引き下げをおこなうと聞いています。柏原市でもこういう努力が求められるのではないでしょうか。

それでは、この保険料を確保するための収納率について、最新の収納率を教えてください。

答弁( 最新となる令和3年度の収納率は、現年度分で94.57%、大阪府内23位、平均収納率の93.64%を上回っている。滞納繰越分の収納率は45.51%で府内第1位。 ) 

質問3

収納率の向上ばかりが強調され、特に来年春に統一料金をスタートするために、様々な条件悪化が駆け込みになっていないでしょうか? その弊害が滞納処分の大阪府内1位なのではないでしょうか? この点でも、駆け込みの収納率アップは許せません。

それでは、何らかの事情で納付困難な方については、どのような対応をされていますか

答弁( 滞納者には、機会あるごとに窓口や電話で納付相談を行い、督促状に始まり納付相談勧奨通知書、催告書等の送付により再三の相談勧奨や納付のお願いを行っている。 納付能力がありながら納付意識が低く、納付していただけない方には、差押えなどの滞納処分を行っている。 )

質問4(まとめ・要望)

滞納処分にいたる手続きや手立ては近隣の市でも同じはずなのに、最後は差し押さえまで行ってしまうことが残念です。行政の姿勢が表れているのではないでしょうか。不適切な滞納処分はやめるべきです。

そもそも、コロナ禍と物価高の中で、大阪府は統一前の「駆け込み値上げ」をすることが問題です。府内統一化のために、法定外繰り入れを認めないとか、市独自の減免制度が認められないなど、矛盾が噴き出しています。

いまこそ、国庫負担を下げてきた国のやり方を改める時です。全国知事会や全国市長会など地方6団体と国保関係9団体が2021年11月、制度改善強化全国大会を開きました。その大会で「市町村においては被保険者にこれ以上負担を求めることは極めて困難」と宣言されました。

また2014年、大阪府もふくめた全国知事会は、協会けんぽ並みの保険料負担まで引き下げるため、国保に1兆円の公費投入を求めましたが、いまだに実現していません。もし公費を1兆円投入すれば、平等割と均等割を廃止し、負担を大きく軽減することができます。柏原市は国に国庫負担の増額を求めてください。この項目の質疑は以上です。




次の、整理番号70に移ります。

議案第6号 令和5年度柏原市市立柏原病院事業会計予算。市立柏原病院の「コロナ後」を見越した対応や経営等について伺う。

最近、新型コロナウイルス感染症の感染者数の推移をみていましても、一時と比べてかなり落ち着いているようですし、重症化率もかなり下がっています。国・厚生労働省もコロナ後について言及しています。また先日、大阪府モデルでも、久しぶりの黄色信号から青信号となりました。

これまで、柏原病院では新型コロナ感染患者を積極的に受け入れて頂いておりましたが、まず、経営状況として令和3年度時点の決算と令和4年度の決算見込みについてお伺いします。

答弁( 令和3年度は黒字決算。しかし、医業収支は、新型コロナ患者を受入れ休棟としたため、医業損失となっている。令和4年度決算は黒字となる見込みであるが、医業収支は赤字の医業損失となる見込み。 )

質問2

現在、市立病院は新型コロナ対応を続けてこられて、黒字になっているとはいえ、医業収支は大変厳しいとの答弁でした。

そうは言っても、コロナウイルスが完全になくなるとは思われませんので、市民のためにもコロナ対応は続けて頂かなければなりません。

議案の提案説明などによりますと、地域包括ケア病棟の再開など述べられていましたが、市立病院の令和5年度予算で、コロナ後を見越した病院の経営上の対応について、お尋ねします。

答弁2( 5月8日以降、5類感染症に位置づけられる。令和5年度の新型コロナ対応は見定めていきたい。病床確保など医療提供体制の構築と、地域包括ケア病棟の再開などを検討している。 )

質問3

この間、大阪府の病床運用方針に沿って、コロナ感染状況にあわせて、感染者数の増加にあわせて病床を増やし、また、感染数が減少すれば病床も減らすなど対応してこられました。新興感染症対応には、一定の配慮をしつつ、これまでの医療状況を確認しながら、再開されると受け止めました。病院の運営方針については理解しました。

それでは、令和5年度予算を踏まえて今後の事業の方向について伺います。

答弁3( 新型コロナ感染者の受入れ病床の維持・確保の補助金(空床保障)により、収支を安定できた。材料費、光熱水費、食材費などの高騰で、病院経営はコロナ禍以前よりも厳しい。コロナ収束後の病院に及ぼす影響、変化の予測は難しい状況。新規患者さんの獲得や病床稼働率の向上を積極的に進める。 )

質問4(まとめ・要望)

先が見通せない中で、非常に厳しい事業環境にあると思います。しかし、新型コロナ感染症が終息するとも予想しがたく、また、新たな感染症が拡大する可能性もあります。

大阪府の新型コロナで亡くなる方は全国最多となっています。

大阪府が第1波~第7波の課題を総括し昨年12月27日に報告書を発表しました。この報告書によれば、47都道府県のなかで最多の死者数となっていることについて、第6波以降、「医療機関や高齢者施設におけるクラスターの発生などで、70代以上の陽性者が多発したこと」要因の一つと分析しています。これは全く総括になっていません。3年間のコロナ対応を教訓にして、保健所と保健師を増やし、医療を充実させる方へ方向転換すべきです。

市立柏原病院は、コロナ禍で発揮された地域の基幹病院としての役割を一層発揮し、市民のみなさんが安心して受診できるよう、体制を維持していただきますようお願いいたします。