共産党柏原市政対策委員長 江村じゅんのブログです。

2023年(R5)3月市議会 議案に対する代表質疑(5)/水道広域化/出産育児一時金の増額について

今回は「2023年3月市議会 議案に対する代表質疑」(5)=整理番号71,72です。

整理番号71 議案第11号 大阪広域水道企業団の共同処理する事務の変更及びこれに伴う大阪広域水道企業団規約の変更に関する協議について。

令和6年4月、柏原市を含め7団体が大阪広域水道企業団に統合し、水道事業が柏原市から移行すれば、市民への影響等はどうなるのか伺う。

この規約変更の議案は、大阪広域水道企業団の規約を変更するだけ、つまり現在の規約に柏原市をふくめ7つの行政区名を追加するだけのように見えますが、それだけにとどまりません。2020年4月以後、「覚書」や「統合素案」として検討・協議してきた経営統合の内容を23年1月に「統合案」としました。今回の議案は、柏原市議会で「統合案」そのものが問われる最終段階です。

市会議員に初めて示された22年7月の全員協議会以後、日本共産党は、水道は〝命の水〟であり、憲法25条の生存権と公衆衛生という国の責任を指摘し、これを受けた水道法上の位置づけも示してきました。水道法第1条では「水道の布設及び管理を適正かつ合理的ならしめるとともに、水道の基盤を強化することによって、清浄にして豊富低廉な水の供給を図り、もつて公衆衛生の向上と生活環境の改善とに寄与すること」が目的とされています。

そこで改めて、水道事業の運営が柏原市から企業団へ移行した場合の、市民への影響がどのようになるのか伺います。

答弁( 名称は柏原市から大阪広域水道企業団へと変わる。統合に伴って水道に関する申請手続方法や水道料金の窓口などに変更はなく、新たな手続を行う必要もないので、水道利用者の方々には、安心して水道水を使用できる。 )

質問2

市民への影響は、手続きや窓口の変更がないだけではありません。

水道料金という形で直接影響します。「柏原市が企業団と統合した場合は、統合しない場合よりも将来の料金値上げを供給単価で1㎥当たり9円抑制できるなど、市民のみなさまにとってのメリットとなる」と説明されてこられました。ところが、詳細はどうでしょうか。統合すれば、現在の単価163円が、値上げを繰り返して、2060年(令和42年)には単価が324円になります。単独経営の場合でも333円です。統合による単価抑制効果を強調するために、現在と約40年後の単価を比較すれば、かえって水道料金が約2倍になることが浮き彫りとなってしまいます。先行して統合した自治体の中には、予測よりも早く料金値上げを実施した自治体もあります。

また、水道施設や水道管の維持修繕などは、ほんらい国が責任をもって行うべきことです。水道法第2条の2によれば、「国は、水道の基盤の強化に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、及びこれを推進するとともに、都道府県及び市町村並びに水道事業者及び水道用水供給事業者に対し、必要な技術的及び財政的な援助を行うよう努めなければならない」と書かれています。国が果たすべき技術的・財政的な援助についてハッキリと記されています。

ここで伺います。統合後の柏原で行われる水道事業の現状を、市民はどのように知ることができるのでしょうか。また、統合後に水道料金を改定することになった場合、柏原市はどのように関わることができるのか、伺います。

答弁( 水道料金の改定は、企業団議会にて、給水条例の改正議案の審議、議決が必要。企業団から市長、市議会、市民の皆様への説明があり、そこで意見聴取が行われる。料金改定に関する委員会で、料金改定率等を検討し、企業団運営協議会で協議の後、首長会議で審議される。料金改定の対象団体の首長から料金改定案を否決する意思表示があった場合は、出席者の3分の2以上の賛成が必要。現在のところ、料金改定の対象となる団体に優先的に企業団議会の議席が配分される。 )

質問3

料金改定の流れについて細かく説明され、何重にも市民の声が審議されるように言われました。最終的には企業団議会の多数決によって決まります。柏原市選出のたった1人の企業団議員の意見を、他市の議員がどれだけくみ取ってくれるでしょうか。異議があっても、多数決で押し切られることになりかねません。現在、水道企業会計は、柏原市議会議員16名でチェックしています。市民が直接チェックし、意見を述べることもできます。24年4月に水道企業会計が企業団に移行すれば、市民の意見が反映しにくくなるのは明らかではないでしょうか。

それでは、この間の水道企業団への統合協議の内容を、市民にお知らせすることについて、令和4年第4回定例会で、「広報や説明会を開くこと」を要望しましたが、どうなっているのか伺います。

答弁( 市のホームページに柏原市の水道の現状や水道事業統合における検討協議、大阪広域企業団との統合に向けた統合案等、最新で詳細な情報を随時掲載している。広報かしわらの令和5年1月号、2月号には、企業団との水道事業の統合を検討している前の記事を掲載。3月号は、水道事業の経営状況や統合のメリットとなる統合効果、それと統合後の水道料金の3つのポイントを掲載。市民に分かりやすく情報発信を行っている。 

質問4(まとめ・要望)

柏原市は、他市に比べて、市のホームページなどで頻繁に情報発信を行っている方だと思います。しかし、パブリックコメントや説明会など、市民と双方向で意見を聞くというところまでいっていないのではないでしょうか。水道は命の源泉です。命の水です。市民にとって大事な判断をする時です。市民に対して丁寧な対応を求めます。

最後に繰り返しますが、憲法や水道法などにもとづいて、国がほんらいの責任を果たすことが、柏原市の水道事業が抱えている問題を解決する道であると考えます。

続きは、総務産業委員会でおこないます。


次の、整理番号72に入ります。

議案第18号 柏原市国民健康保険条例の一部改正について。出産育児一時金が40万8千円から48万8千円へ増額されることについて

最初に、今回の条例改正の概要と、出産件数は何件と見込んでいるのか、教えてください。

答弁( 国が出産に係る被保険者の経済的負担を軽減するために、出産育児一時金の額を40万8,000円から48万8,000円に引き上げるもの。 なお、加算となる産科医療補償制度の掛金分1万2,000円と合わせて、出産育児一時金の総支給額は50万円。令和5年度の出産件数は60件を見込んでいる。 )

質問2

国が子育て応援のために条例を改正し、出産にかかる経済負担を軽減するためと理解しました。増額した一時金48万8千円と、掛け金1万2千円とで、合計50万円。60件の見込みとのことでした。

それでは、この出産育児一時金50万円の財源について、ご説明をお願いします。

答弁( 財源は、3分の2を一般会計からの繰入金で、残りの3分の1を保険料で賄う。ただし、令和5年度に限り、国から1件当たり5,000円の補助金あり。なお、一般会計からの繰入金は国から交付税措置される 

質問3(まとめ・要望)

出産育児一時金の増額は歓迎すべきことですが、改善点を指摘しておきます。

費用の一部を新たに後期高齢者医療制度に負担させる計画となっており、23年度に限り国費を計上し、保険者の財政状況に応じて財政支援を行います。

後期高齢者の保険料は、22年度と23年度の年額平均7万7700円から、25年度には9500円増の8万7200円へと引き上げられます。年収200万円の人は3900円の増額です。昨年10月、高齢者の窓口負担2倍化が強行されたばかりなのに、さらなる負担増が追い打ちをかけるもので、国に計画を撤回させることが求められます。また、交付税措置は「令和5年度に限り」とされ、出産育児一時金への国庫負担の継続も必要です。

以上の点を指摘しまして、この項目の質疑をおわります。

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