共産党柏原市政対策委員長 江村じゅんのブログです。

2023年(R5)9月市議会・令和4年度一般会計決算の「不認定」討論

2023年9月29日

日本共産党柏原市会議員団の江村淳でございます。私は、認定第1号、令和4年度 柏原市一般会計 歳入歳出決算に対して、「不認定」の立場から討論をおこないます。

認定できない理由は、以下に述べる2つの点からです。

第1点目は、衛生費の歳出、柏羽藤環境事業組合負担金6億1,364万円を認めることができません。
環境事業組合の余熱利用施設クリーンピア21が令和4年度末、すなわち令和5年2023年3月31日をもって閉館・廃止されました。平成10年(1998年)の開館以来、「健康増進、市民相互のふれあい、コミュニケーションづくりの場」「リハビリテーションの場」として、市民や利用者から愛され、惜しまれつつ約25年の歴史を閉じました。

令和4年度当初予算には、クリーンピア21の開閉屋根の大規模な改修工事を行わず、閉館することが盛り込まれ、その通りに進められました。

厚生文教委員会では、クリーンピア21の閉館は「ごみ焼却施設を更新するためにはやむを得ない」との意見がありました。しかし、事実は違います。私は、令和4年3月、柏原市一般会計予算への反対討論で、すでに、更新計画がないまま先行して閉館する問題点を指摘しています。また、ごみ焼却施設の更新へ動き始めたのは、令和5年2月の環境組合議会で、令和5年度予算に、地域計画の策定業務委託料が計上されてからです。

開閉屋根を大規模改修する計画については、令和4年11月の環境組合議会で、令和3年度決算を審議する中で、令和元年度と2年度にクリーンピアの雨漏り工事など、いわば中規模工事を約2500万円かけて実施したのに続いて、大規模工事を予定していたことが明らかとなりました。つまり、令和3年度中に、急に改修工事をやめ、「閉館」という方向転換をし、令和4年度予算を提案したというのが、この間の経過です。

クリーンピア21の最大の魅力は「歩行プール」であり、構成3市内に公立・民間を問わず、類似する施設はありません。元利用者の方は「美原のプールに通っています。遠くなったし、歩行プールもありません」と語っています。やはり「健康増進施設」として、特に「歩行プール」は貴重な存在であったことがわかります。

最大の問題は、利用者・市民の声を聞かずに閉館したことです。

委員会では、「環境組合で決まったことを、柏原市議会で意見するのはおかしい」との発言がありました。では、なぜ、クリーンピア21の閉館について全員協議会が令和3年11月末、柏原市でも開かれたのでしょうか。それは、環境組合の議員だけ判断せず、3市議会に説明して判断すべきとの意見があったからです。つまり、柏原市民全体にも関わるからです。

令和4年9月、柏原市議会に「『クリーンピア21』の存続を求める請願書」が提出されました。環境組合議会で閉館・廃止が決まった下でも、納得がいかない市民や利用者が、「1年でも長い存続を求める」とともに、「説明会、公聴会」の開催を要望したものです。

ここで、今年4月・5月に実施した「公共施設等再編整備基本計画(素案)」に寄せられた意見を紹介します。

<市民意見1>
クリーンピア21といい、勝手なことをしないで下さい。こんなことをしていたら、柏原市から若い人はいなくなるでしょう。高齢者も外出しにくくなり、フレイルから寝たきりになるのは、目に見えています。そうなれば、柏原市が面倒みてくれますか?

<市民意見2>
跡地の有効活用で、売却による財源化とあるが、永年かかって積み上げてきた市民の財産を売り飛ばし、業者を儲けさせるのは、もってのほか。クリーンピア21をつぶし、図書館をつぶし、文化センターをつぶす。こんなやり方は反対だ。

<市民意見3>
老朽化や利用者が少ないのを理由に再編統合するのでしょうか。公共施設は儲けるところではありません。市民がもっと利用しやすいように、広報や工夫を考えるべきです。3月末に閉館されたクリーンピア21も、存続を求めて要望しましたが、この案も全く同じように考えられています。市民・利用者にほとんど説明もなく、アンケートやパブリックコメントだけで、意見を聞いたとするのでしょうか。

大規模改修を道理もなく突然取りやめ、利用者や市民の声を聞かずに、クリーンピア21を閉館・廃止したことは許されません。

以上の理由から、クリーンピア21を令和4年度末に閉館した決算をふくむ、柏羽藤環境事業組合負担金6億1,364万円は認めることができません。

第2の点は、商工業振興費の歳出、プロジェクションマッピング設備設置工事委託料4,445万1千円の決算を認めることはできません。

私は令和4年3月の予算審議をはじめ、6月の財産の取得など、プロジェクションマッピング事業について審議を繰り返してきました。

本会議の一般質問で、プロジェクションマッピングの観覧人数が、今年「年間2万人以上と見込まれている」と報告されました。

総務産業委員会では、地域経済の振興のため、産業振興課と連携して、案内チラシを配布するなど、市内店舗への誘導に努めていること。また、アンケートを実施して、「今回のご来訪で亀の瀬周辺で、どのくらいのお金をお使いになったか、あるいはお使いになる予定ですか」という回答項目を設け、「消費の動向を把握する」との答弁でした。つまり、現時点では、地元のお店などがどれほど潤っているのか、経済効果は掌握できていないのが実態です。

私は1年半前の予算審議を思い起こします。「観客2万人」で、国の統計資料から推測すれば、1人1万円の経済効果で合計2億円以上との試算でした。また、「2億円の経済効果」は「可能性が潜在している」のであり、市内での消費促進は「今後の課題」とも答弁されていました。「経済効果」については、依然として不確実なのではないでしょうか。

プロジェクションマッピングを購入する理由は何だったのでしょうか。最低でも5年間、市の持ち出しで運用し、マッピングそのものや亀の瀬をPRし、柏原市内で買い物をして、地域経済の賑わいを創り出すことです。また、柏原市の魅力を感じてもらい、移住や定住を促進することです。いわば「選ばれるまち柏原」への起爆剤とすることです。

一方で、日本遺産「龍田古道・亀の瀬」など、魅力の発信についても議論してきました。「カメノコーラ」や「すべらない下敷き」は好評で、あまり予算をかけなくても、ちょっとした工夫で、日本遺産をPRすることができています。『費用対効果』の大きさがうかがえます。

そもそも、このプロジェクションマッピング設備約4400万円は、新型コロナ対応の地方創生臨時交付金を使った「アフターコロナ向けの事業」です。令和4年度の当初予算でみると、交付金 約2億1,700万円の内 約5分の1を占める事業でした。また、商工業振興費 約1億3,100万円の約3分の1でした。令和4年、2022年の後半から、新型コロナ「第7波」と「第8波」の到来に加え、物価高や燃料高騰が追い打ちをかけ、市民のくらしや営業が一層大変になった時期です。交付金の使い道として、コロナ禍で苦しむ市民や業者などに対する直接の支援策として増額できなかったのか、疑問に感じざるをえません。

以上2つの点から、認定第1号、令和4年度 柏原市一般会計 歳入歳出決算を「不認定」として、討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。

2023年(R5)9月市議会・代表質疑質問

2023年9月15日
整理番号55・56 生理用品をトイレに設置することについて
整理番号57 令和4年度 国保事業の実質収支が約7,800万円黒字で、9年連続の黒字決算となった理由
整理番号58 令和4年度 後期高齢者医療事業の実質収支額が約4,300万円の黒字となった理由
整理番号59 公共施設等再編整備基本計画(案)、図書館のリビエールホールへの移転
整理番号60 公共施設等再編整備基本計画について、住民説明や説明会開催の考え
整理番号61 小学校・中学校の給食費の継続的な無償化を求める
整理番号62 高齢者の補聴器購入への市独自の補助制度を創設を求める
整理番号63 市内循環バスの改善の取り組みと公共交通の充実
整理番号64 市立柏原病院での新型コロナまたは熱中症の方への対応
整理番号65 自衛隊への若者の個人情報提供の現状と「除外申請」制度を求める
整理番号66 インボイス制度により、柏原市と市民に与える影響について

江村淳でございます。令和5年第3回定例会におきまして、日本共産党を代表して質疑・質問をおこないます。

新型コロナ感染症が身近なところに広がっており、感染症対策を引き続き強めることが求められています。また、今年7月・8月は、「地球沸騰化」と言われるほど暑く、熱中症対策などとともに、地球温暖化対策が強く求められています。

さて、日本共産党大阪府委員会は、去る8月30日、「2025年大阪・関西万博の中止を求める声明」を発表しましたので、要約して紹介します。

大阪・関西万博 理念を見失った開催は中止を(主張23年9月3日より)

 2025年4月~10月に大阪市の夢洲(ゆめしま)で開催が予定されている大阪・関西万博の準備の遅れが危機的状況です。海外パビリオンの建設工事が遅れ、開催に間に合わない可能性が濃くなっています。会場建設やインフラ整備の費用も膨張しています。いま事業を止めないと府民・国民がさらなる負担を強いられることになります。

膨らむ費用 負担は国民

 工事の遅れには、資材の高騰や人手不足で採算を危ぶんだ建設業者が入札に応じないことが指摘されています。主催者の日本国際博覧会協会は打開のため、工事に従事する労働者に、時間外労働の上限規制を適用しないよう政府に要望したと報じられています。

 この規制は労働者の命と安全を守るため、24年4月に建設業界に導入されます。規制除外は論外です。規制が適用されたとしても、工期が迫るなかで開催に突き進めば、違法な長時間労働が横行するのは必至です。労働者を犠牲にした突貫工事は「いのち輝く未来社会のデザイン」という大阪・関西万博が掲げるテーマに反します。

 海外パビリオンの建設費用について経済産業省は、政府が全額出資する「日本貿易保険」を活用し、発注した国・地域から建設業者に代金が支払われない場合、通常の3分の1程度の保険料で代金の90~100%を補償する制度を設けました。不払いがあれば負担は国民にのしかかります。

 会場の建設費は国、大阪府・市、経済界が3分の1ずつ負担します。当初計画で1250億円でしたが、招致決定後の20年、1・5倍の1850億円に増えました。現在の物価高騰や計画の遅れによって、さらに費用が膨らみます。

 政府の「日本館」の建設に応札する企業がなく、随意契約で当初の予定価格を上回る契約になりました。会場に通じる地下鉄や夢洲へのアクセス道路などインフラの整備費も当初計画から大幅に膨張しています。

 岸田文雄政権は8月31日、国が主導して準備を加速する方針を打ち出しました。建設費の上振れに対策を検討するとしていますが、無駄な支出を増やすだけです。

 夢洲で万博を開くこと自体、事業が立ち行かない大きな要因です。もともと産業廃棄物と浚渫(しゅんせつ)土砂などでつくってきた人工島です。地盤は軟弱で、土壌に汚染物質が含まれています。汚染・液状化対策が必要です。島への出入り口は北側の橋と南東のトンネルに限られ、工事の資材や作業員もここを通じて運ぶしかありません。

カジノと一体の無謀開発

 2010年代から夢洲へのカジノと万博誘致を一体に提案し、安倍晋三政権の協力を取り付けたのが橋下徹元大阪市長や松井一郎元大阪府知事ら日本維新の会の首長です。維新と自民党、公明党の責任は重大です。

 万博の理念は、国際博覧会条約で、文明や進歩の達成を示し「公衆の教育を主たる目的とする」と定められています。ギャンブル依存症など人の不幸の上に成り立つカジノとは無縁です。

大阪経済の底上げのカギは府民のふところと中小企業の応援

 経済の好循環のためには大企業にたまり続けている内部留保を賃上げなどで経済に還流させることが重要です。
 大阪では、実質賃金は44万6千円減少し、全国より7万5千円も多い減り幅です。維新政治のもと、府のものづくり予算は4分の1に減らされ、商店街支援予算は25分の1まで減額されています。
 一方で、2021年度の在阪大企業の内部留保は46兆7千億円です。わずか1.88%を取り崩すだけで、月額3万円の賃上げができ、経済効果は約4,800億円、雇用創出は約2万9千人と試算されています。
 大阪経済の持続的な発展に必要なのは大型開発や一時の「イベント」ではなく、削減された中小企業予算を抜本的に増やし、賃上げで全国よりも落ち込んだ府民所得の向上を実現することです。

 本来の理念とかけ離れた大阪・関西万博の開催を強行する理由はありません。いまこそ万博を中止し、大阪府は「公共」の果たす役割を発揮すること、柏原市も万博頼みの経済対策や観光対策をやめるよう求めるものです。

それでは質疑・質問に入ります。
整理番号55、議案第55号 令和5年度柏原市一般会計補正予算(第5号)歳出(款)9教育費、(項)2小学校費、(目)1学校管理費、小学校保健対策事業 消耗品費32万7千円。生理用品をトイレに設置することについて、が質疑項目です。
ここで議長にお諮りします。
次の整理番号56、(項)3中学校費、(目)1学校管理費、中学校保健対策事業 消耗品費21万8千円。生理用品をトイレに設置することについて、は同様の趣旨になりますので、あわせて質疑したいと思いますがいかがでしょうか。
(許可します)ありがとうございます。
それでは、整理番号55と56を一括して質疑いたします。

今回の補正予算で、企業版ふるさと納税による寄付金を利用して、生理用品を小学校と中学校のトイレに設置する予算が計上されています。これは、市民団体から要望があり、また日本共産党も令和4年と5年の各3月議会の委員会で橋本みつお議員が要望しており、歓迎するものです。予算計上する目的や経過ついてお聞きします。

答弁1( 寄附者の意向にそって、生理の貧困対策として活用する。保健室での常備であった生理用品を小学校4年生以上が使用するトイレの個室にボックスを設置する。小・中学校の女子児童生徒も気兼ねなく利用できるようにする。現物を寄附してもらう。 )

<質問2>
 寄付された企業の意向を汲んで、貧困家庭を支援するため「生理の貧困対策」として活用するとの答弁に感銘を受けました。また、「保健室だけでなく、トイレの個室に常設を」と橋本議員が要望していましたので、前進したと感じます。
 ここでお聞きします。設置については、いつ頃を予定されているのでしょうか?

答弁2( 11月の設置を考えている )

<質問3>
 11月に設置するとの答弁でしたので、今議会で補正予算を可決し、準備して11月からスタートすると理解しました。
 それでは、どのようにお知らせされるのでしょうか。保護者にも周知されるのでしょうか?お聞きします。

答弁3( 学校だよりやメールなどの連絡ツールを活用する。学校長に依頼したい )

<質問4(まとめ)>
 学校を通じて、保護者に連絡ツールも使って周知すると確認しました。ぜひ進めていただきたいと思います。
 あらためて今回の予算計上を歓迎します。特に、生理の貧困対策を目的として取り組んでおられることは、私たちが求めてきたことであり、大事なことだと感じます。これからも生理の貧困対策として、市役所や図書館などの公共施設にも広げていただくよう要望して、この項の質疑を終わります。

続きまして、整理番号57、認定第2号 令和4年度柏原市国民健康保険事業特別会計(事業勘定)歳入歳出決算の認定について、質疑します。
 国民健康保険事業の実質収支額が約7800万円の黒字となり、9年連続で黒字決算となった理由について伺います。まず、経過についてお聞きします。

答弁1( 平成12年度から平成20年度まで単年度赤字が続き、最大約12億円まで累積赤字が膨らんだ。保険料収納率の向上、保健事業を含む医療費適正化に取り組み、国・府の補助金を獲得し、平成26年度から令和4年度まで9年連続で単年度黒字を継続。令和元年度に累積赤字を解消できた。 )

<質問2>
 いま、答弁いただきましたが、保険料収納率の向上、医療費適正化、補助金の確保などとありました。しかし、府内統一保険料を導入した一時期を除いて、保険料の値上げを繰り返してきたことが、黒字になっている最大の要因と考えます。
 そこでお聞きします。収納率が向上し、保険料率も上昇している反面、令和4年度決算において国民健康保険料の収入が前年比で減少している要因はどのように考えていますか。

答弁2( 人口減少、団塊の世代の後期高齢者医療制度への移行による被保険者数の減少、及び令和4年度から未就学児に係る均等割保険料の軽減措置を行っているため、保険料収入は前年度と比べて減少した。 )

<質問3>
 令和4年度は、未就学児の保険料が軽減され、一部世帯で値下げされたとの答弁でした。
 しかし、ほぼすべての世帯で保険料の値上げとなりました。例えば、現役世代である所得200万円の4人世帯、いわゆる国のモデルケースでは、保険料が4,237円増加し、年間41万2,109円の値上がりになりました。
 続いてお聞きします。令和5年度の国保予算を審議する中で、令和3年度の滞納繰越分の収納率が45.5%で大阪府内1位との報告がありました。令和4年度の滞納繰越分の収納率はどのような結果だったのでしょうか。

答弁3( 令和4年度の滞納繰越分の収納率は43.81%。令和3年度の滞納繰越分の収納率45.51%に比べ1.7ポイント減少しているが、依然として高い収納率で推移している。現時点では令和4年度の収納率は把握していない。 )

<質問4(まとめ)>
 令和4年度は、コロナ禍で大変な時に、ほぼすべての世帯で国保料の値上げがおこなわれました。滞納繰越分の収納率は、令和3年度に続いて、依然、大阪府内でも高いものとなっていると思われます。
 日本共産党は、令和4年度の国保予算に反対しました。反対理由は、未就学児のいる世帯と賦課限度額の世帯以外では、全ての国保世帯が値上がりになること。大阪府の統一保険料化によって、黒字による積立金を使って保険料の値下げはできなくなったこと。柏原市独自で実施している低所得者の方への減免制度などが廃止されようとしていること。以上を指摘しています。
 引き続き委員会でも質疑します。

次の質疑項目に移ります。
整理番号58 認定第5号 令和4年度柏原市後期高齢者医療事業特別会計歳入歳出決算の認定について、です。後期高齢者医療事業の実質収支額が約4300万円の黒字となったことについて、質疑いたします。

答弁1( 令和4年度の歳入総額が約12億4千万円、歳出総額が約11億円9千万円、差引き約4300万円の単年度黒字。主な歳入は、保険料が9億4千万円、主な歳出は、後期高齢者医療広域連合への負担金が約11億5千万円。なお、黒字額は広域連合と本市の年度の取扱いの違いによるもので、令和5年度に精算する。 )

<質問2>
 令和4年度は、歳入総額が約12億4千万円で、その内保険料収入が約9億4千万円。歳出総額12億円弱で、支出の大半は広域連合への負担金約11億5千万円ということでした。その歳入と歳出の差が、約4300万円とお聞きしました。
 次に伺います。決算意見書などでも「収納率の向上」と言われますが、どのような取組をおこなってきたのでしょうか。

答弁2( 収納率向上のため、窓口での納付相談、口座振替の勧奨、督促状、催告書の送付、差押え等の滞納処分の実施などを従来から行っている。令和4年度から、スマートフォン決済アプリを導入している。 )

<質問3>
 収納率向上のために、手立てはつくしながら、最終的には差し押さえも行っているとのことでした。また、令和4年度からスマホで納付できるようにしたとの答弁でした。
 令和4年度の後期高齢者医療の大きな特徴は、国の制度が「改正」され、昨年10月から医療機関などの窓口負担が1割から2割へと、いわゆる「窓口負担の2倍化」がおこなわれ、高齢者への負担が増えたことです。
 そこでお聞きします。令和5年3月末には何人の方が該当されたのか伺います。

答弁3( 被保険者1万864人のうち約20%の2162人。窓口負担となる方には3年間、1か月の外来医療の負担増加額を3,000円までに抑える配慮措置がある。 )

<質問4(まとめ)>
 コロナ禍で大変な時に、令和4年度は、年金収入が200万円以上の約2100人の方が4月と10月の2段階で保険料が値上がりしたことになります。大本にある国の制度改悪は許せません。
 日本共産党は、令和4年度の後期高齢者医療の当初予算に反対しました。1つ目は75歳以上の方の後期高齢者医療保険料は、全員が値上げになること。2つ目に令和4年10月から国の制度により、一定以上の所得の方は1割負担から2割負担と、2倍の医療費負担になること、を反対理由としています。さらに、「年金が減らされ、高い介護保険料を払い、その上、75歳以上の高齢者の保険料や医療費の新たな負担増を認めるわけにはいきません」と指摘しています。
 以後の質疑は委員会にておこないます。

以下の項目はすべて一般質問となります。
整理番号59、質問事項は公共施設です。質問要旨は、柏原市公共施設等再編整備基本計画(案)のうち、図書館をリビエールホールへ移転することについて、です。
最初に、この間の経過について伺います。

答弁1( 本年6月の再編検討委員会からの答申では、リビエールホールに移転する計画案であった。パブリックコメントや施設利用者の方などからの意見で、利便性などの影響を考慮して、移転先を「JR柏原駅周辺」を前提として検討してきた。その結果、柏原図書館は、現在の市民文化センターを耐震改修して、公民館本館とともに安全性を確保し、使用していく。 )

<質問2>
柏原図書館は、公民館とともに、現在の市民文化センターを耐震改修して使用するとの答弁は、市民から喜ばれる判断と考えます。検討委員会から、市長あてに再編整備基本計画(案)の「答申」がおこなわれてから、市民や利用者の願いに沿ったものに検討・改善されていっていると感じます。

パブコメや利用者アンケートを紹介します。

<市民の声1>
「小学生の頃から図書館を愛用しています。老朽化は分かりますが、なぜ、不便で坂の上にある「リビエールホール」に移転なのでしょうか?現在、図書館は堅下駅と柏原駅のほぼ中間に位置しており、非常に交通の便が良いです。そして、乳児から学生、高齢者まで様々な年代が幅広く利用できる場所となっています。反面、「リビエールホール」は坂の上にあり、車椅子やベビーカー、幼児、高齢者の方が歩いて行くには大変不便です。 全国どこの図書館も市民の利便性を第一に考え、建てるものではないでしょうか? 安全で、誰もが利用しやすい図書館にするには、「リビエールホール」への移転ではなく、図書館の建て替えを希望します。以下は、8歳の息子の意見です。『今は自転車ですぐに行けるけど、リビエールホール になると遠くて1人では行けないです。またともだちと遊ぶ場所でもあります。図書館は大切な場所なので、変えないでください』とのことです。市民にとって大切な図書館を、守ってください。誰もが利用できる図書館の再生を、賢明な判断をお願いします。」

<市民の声2>
「公共施設の再編のことを知り驚いています。今ある図書館は老朽化していますが、駅に近くまた治安もよく安心して利用できます。親子を対象にした絵本の読み聞かせを時々されていますが、絨毯に座って語りを聞いたり、折り紙などものを作ったりして楽しそうです。帰りは、横の公園でママ友同士子どもたちを遊ばせている姿を見かけます。老朽化した建物の改修や建て替えで一時的にリビエールの地下室を間借りするのであれば理解できますが、リビエールへの恒久的な移転は、今の図書館機能を十分果たすことはできないと考えます。第一、リビエール周辺は交通量が多く子どもたちに危険です。遊べるスペースもありません。図書館は、世代を問わず文化と教養の拠り所であり、地域の知的資源です。貴重な文献や資料が、地下室のような環境で保管できるのかも気になります。再編については、利用者の声をよく聞いていただき、検討しなおしてください。」

そこでお聞きします。市民文化センターの耐震改修することは、パブリックコメントなど市民の声を受けての判断なのかを伺います。

答弁2( 耐震改修については、パブリックコメントや、施設の利用者の方からなどの意見を考慮しての判断である。 )

<質問3>
 市民や利用者の声が非常に重要だったことがうかがえます。パブリックコメント289通、施設利用者へのアンケート213通で、合計500通超える意見が寄せられたことは、重く受け止めなければなりません。まさに“市民が公共施設問題を動かしてきた”と言ってもいいと思います。
 付け加えていえば、この市民の声は、基本計画(素案)に対する意見だということです。「公民館をサンヒルに移転」する案を「公民館を市民プラザ6階に移転」と変更しました。その後、8月9日の全員協議会の直前に、「図書館の移転先をJR柏原駅周辺に」という案に変更しました。そして今回、公民館と図書館を移転せず、現在の文化センターを活用する案に変わったものです。市民の意見は段階的に反映していますが、なぜ(素案)の時点から反映できなかったのか…、疑問が残ります。
 そこでお聞きします。市民文化センターを耐震改修するという判断をした理由について伺います。

答弁3( 柏原図書館の移転先を「JR柏原駅周辺」を前提にしたため、旧ハローワークの耐震改修案、かしわらっ子はぐくみセンターの改修案、図書館・市民文化センターの新築案、市民文化センターの耐震改修案など、教育委員会と検討。結果、柏原図書館として必要な機能維持や財政面からによる。市民文化センターの耐震改修案は、耐震補強部材によって現行どおりの配置ができなくなり、工事中の休館期間が発生するが、利用者の利便性などに影響を及ぼすおそれがなく、適当だと考えられる )

<質問4(まとめ)>
 既存施設を活用したり、遊休施設を活用するなど、様々な検討をされ、最終的に機能維持や財政面を考慮して耐震改修を決めたとの答弁でした。検討された中には、市民文化センターの新築案も含まれていました。日本共産党は、後々の老朽化なども考えて、現地で「(仮称)生涯学習センター」へ建て替えることを提案しましたが、ほぼ同様の案も検討されていたとのことでした。
 この間の経過から、文化センターを耐震補強し、公民館と図書館を現在の場所で活用する案を、市民の多くが喜ぶ判断と思います。さらに住民の意見を聞いて、耐震化とともに大規模改修を行うなど、よりよい図書館・公民館へ改善されるよう要望します。

つづいて関連する質問です。
整理番号60、柏原市公共施設等再編整備基本計画について、住民への説明を行うことや、説明会を開く考えについて、質問します。
 市民や利用者の方から先日、「公共施設の件はどうなっていますか?」「市民文化センターがなくなるのは決まったことですか?」との電話をいただきました。また、市民団体から、柏原市や市議会、教育委員会あてに「市民の声を直接聞く説明会を開くよう」要望書も届いています。
 そこで、お聞きします。公共施設の基本計画について、住民への説明や説明会の開催などはどのように考えていますか。

答弁1( 広報誌や市ウェブサイトで説明する。説明会を実施する予定はない。 )

<質問2>
 令和4年12月市議会では、公共施設の再編に関わって、橋本議員が「柏原市まちづくり基本条例」をもとに質問しています。一部紹介します。「市民参加の方法 第12条の2は、意見公募、先ほど言われたパブリックコメントのことですが、3として、公聴会とあります。つまり住民説明会やタウンミーティング等の実施が必要である」と指摘して、実施・開催する意思を質問しています。この時の指摘通りで、今まさに、住民説明会やタウンミーティング、基本条例でいう公聴会を開くべきと考えます。
 私は、今年7月の総務産業委員会の視察で新潟県新発田市に伺い、まさに図書館建替え問題も学んできました。図書館のあり方について、住民と数カ月にわたって協議し、直営か委託かも含めて議論し、当面直営にすることを決めています。そもそも、図書館を建て替えるかどうかが、市長選挙の争点にもなったそうです。そのくらい住民の財産である公共施設を改編することは重要であり、住民参加が求められるということです。
 そこでお聞きします。「説明会を開かない」と判断されたのは、どのような理由からでしょうか。

答弁2( パブリックコメントや施設利用者の方々から十分に意見を聴取しており、できる限り配慮されている。柏原図書館の移転先は、意見に沿って柏原駅周辺に見直したので、説明会を実施する予定はない。 )

<質問3(要望)>
 答弁をお聞きして、「まちづくり基本条例」にそって、公聴会や説明会など、住民に双方向で説明する必要がある、と改めて感じます。この間の経過を見ると、住民の意見を聞き、反映して一部変更を繰り返していることは間違いありません。繰り返しになりますが、パブリックコメントなどの市民の意見は、基本計画(素案)の段階のもので、その後の(案)の段階、さらに一部変更していきましたが、これに対する意見は聞いていません。しかも、「双方向」では行われていません。

パブコメに寄せられた市民意見を紹介します。
<市民の声4>
 「どうしても計画を進めたいなら、住民投票で過半数の賛成票を得てからにして頂きたい」

<市民の声5>
 「もっと時間を取って、タウンミーティングや各町会を回り、文化連盟だけではなく、学校関係者、父母会など多くの意見を集約する手間を惜しまないでください」

<市民の声6>
 「素案に対するこのような意見書のみでなく、広く市民と意見交換できる機会を開催していただくことを希望いたします」

 これらは、4月・5月の段階からすでに寄せられていた市民の意見です。6月の「答申」の際に、どれだけ市民からの意見を集約し、一つひとつ検討されたのか、疑問に感じます。
 国からの交付金など有利な条件の期限とされる「令和8年度(2026年度)中の工事完了」というスケジュールから逆算すると、日数は限られてくると思われますが、住民の財産、公共施設を改編するという大事な課題を、広く市民と意見交換する機会をもつことは不可欠と考えます。重ねて住民への公聴会や説明会などの開催を要望いたしまして、この質問を終わります。

続きまして、整理番号61、学校給食。小学校・中学校の給食費の継続的な無償化を進める考えについて、質問します。
 2021年の改選直後の10月市議会以来、日本共産党の2人の議員団で、学校給食費の無償化を、本会議や委員会で10回にわたって取り上げ、期間限定の無償化とともに、継続的な無償化を求めてきました。
 学校給食無償化は、日本共産党中央委員会の調べでは、8月時点で全国482自治体、府内21自治体で、期間限定または継続的な無償化が実施されています。
 そこでお聞きします。小中学校給食費の継続的な無償化を進める考えについて伺います。

答弁1( 学校給食法の規定のとおり、食材料費は保護者負担。柏原市では、貧困対策や物価高騰の対策として、国の交付金を活用して、令和2年度から令和4年度は3か月間。令和5年度は9月~12月まで4か月間、給食費を無償としている。継続的な無償化については、国や府の動向を注視し、財政状況を見ながら、総合的に給食費の保護者負担の軽減を考えていく。 )

<質問2>
 「国や府の動向を注視」と「財政状況を見ながら」、この2つがいつも無償化に踏み切れない理由とされています。
 私は2022年6月議会で、憲法との関わりを紹介しました。
 1951年の国会で、日本共産党議員が憲法26条の「義務教育の無償化」の範囲を質問したのに対し、政府は「現在は授業料だが、そのほかに教科書と学用品、学校給食費、できれば交通費も考えている」と答えていることを紹介しました。
 また、2021年12月議会では、2018年に文部科学省が発表した「学校給食費の無償化等の実施状況」の調査結果を紹介しました。
「(2)無償化に至った経緯(無償化を開始するきっかけとなった事柄)の例」として4点、「首長の公約・意向」「議会における議論」「自治体の施策の一環」「PTAからの要望」と報告されていることを紹介しました。
 ここでお聞きします。小学校だけ、中学校だけなど、部分的に無償化を進める考えはないのでしょうか?

答弁2( 部分的な給食費の無償化も含めて、国や府の動向に注視しつつ、財政状況を見ながら、総合的に考えていく。 )

<質問3(まとめ・要望)>
 さらに、「国の動向」について紹介します。2022年10月の国会で、日本共産党の小池晃参議院議員が、義務教育の無償化を定めた憲法26条に基づいて、国の責任で小中学校給食の無償化を求めました。岸田首相の答弁は「保護者が負担する学校給食を、自治体が負担することを妨げるものではない」と述べたうえで、「無償化については、自治体において適切に判断すべきもの」と答えています。つまり、学校給食法の「食材費は保護者負担」という規定を根拠にして、給食費無償化ができない理由にはならないことを示しています。

 最後に、市長がいま、ニュースを配布されています。そこには、「全小中学校の2学期の給食費を無料にします!」というタイトルで「9月~12月分の給食費に対する補助」を行うことが紹介されています。これに続けて「これからも恒常的な給食費無償化の実現に向けて取り組みます!」と述べられています。どうぞ、この決意を実現されるよう要望して、この項の質問を終わります。

それでは整理番号62福祉の質問に入ります。
質問要旨は、高齢者の補聴器購入への、市独自の補助制度を創設する考えについて、です。
 昨年も補助の創設を要望しましたが、市の今のお考えについて伺います。

答弁1( 介護予防、認知症予防に結びつける手段として、補聴器は重要なものであると考えている。高齢者の補聴器購入の補助は、大阪府市長会を通じて、国に補助制度の創設について積極的な措置を求めている。 )

<質問2>
 補聴器購入への補助制度の創設についての考えは確認しました。補聴器の有効性や効果についても触れられていました。
 日本認知症予防学会は、認知症の「12のリスク因子」として、一番高いのが「難聴」と指摘し、予防法として補聴器を使うことを勧めています。
 大阪府内では、昨年の貝塚市で初めて実施されたあと、泉大津市や交野市などで補助制度が実施され、広がりつつあるようです。

以下、泉大津市のウェブサイトを紹介します。

令和5年6月1日から50歳以上の人に高齢者等補聴器購入費用の助成をはじめます。

耳から入る情報が少なくなると脳への刺激が減り、認知機能が低下し、認知症につながりやすくなると言われています。また、耳が聞こえないことで、人との会話や外出する機会が減るとフレイルにもつながりやすくなります。認知症を予防し、健康寿命を延ばすために補聴器購入費用の一部を助成します。

■対象者
次の(1)~(3)の要件をすべて満たす人
(1)泉大津市民で50歳以上の人
(2)聴覚障がいによる身体障害者手帳の交付を受けていない人
(3)両耳の聴力レベルがそれぞれ40デシベル以上の人で、医師が補聴器装用を必要と認めた人

 ■助成内容(補聴器本体の購入費用に対して)
(1)1人1回限り。
(2)管理医療機器として認定された補聴器購入にかかる費用の助成。
         生活保護世帯・市民税非課税世帯は、2分の1助成、上限額50,000円。  
         市民税課税世帯は、4分の1助成、上限25,000円。(1,000円未満は切り捨て。)

  • 故障、修理、メンテナンスなどの費用及び集音器の購入費並びに診察料、検査料、証明書料、送料その他購入のために要した費用は助成対象外。

これが泉大津市の制度です。

 そこでお聞きします。昨年も「調査・研究を続ける」との答弁でしたが、柏原市で高齢者の補聴器の補助制度を創設するならば、補助の規模や内容に関する、今後の検討事項について伺います。

答弁2( 国・府の動向も注視しながら、施策の優先順位、費用対効果など、他の自治体での補聴器購入への補助制度の内容や導入状況について、調査研究していく )

<質問3(要望)>
 調査・研究をさらに深めていただきたいと思います。また、「国・府の動向も注視」あるいは「他の自治体での…実施内容や導入状況」と述べられました。
 国会では、2019年3月、日本共産党の当時の参議院議員大門みきし氏が、「高齢者にとって、補聴器は社会参加の必需品」と質問しています。これに当時の麻生財務大臣が「高齢者の方々が増えている昨今、健やかに安全に安心して暮らしていけるようにしていく社会的な重要性はご指摘の通り」「やらなければならない問題」と答弁しています。
 さらに、近隣市でも補聴器補助に動きがあります。東大阪市議会では、この9月、補聴器購入への補助をする請願が可決しています。今後も、必要な情報提供など協力していきたいと思います。
 最後に、柏原市でもぜひ補聴器購入への補助の実現をお願いします。特に、購入の際は市内業者を利用するよう求めます。

それでは次の質問に入ります。
整理番号63 市内循環バスの改善の取組を含む、公共交通を充実させる取組の現状について。
 コロナ禍から一定の変化がある下で、市民から循環バスの利便性の向上を求める声が寄せられています。私は、この2年間、循環バスや公共交通の充実を求めて繰り返し質問してきました。昨年来、新たな取組や改善に努力されてきていると思います。
 そこで伺います。地域公共交通検討業務は、具体的にどのような内容なのか、お聞きします。

答弁1( 市内の鉄道やバスなどの公共交通機関の運行状況、利用状況の把握にとどまらず、市内循環バスの乗降客区間利用データ(ODデータ)の分析、整理を行っている。住民アンケートと市内循環バス利用者の利用実態やニーズを把握するための利用者アンケートを実施する。その後、柏原市公共交通の基本的な方針及び目指すべき将来像を設定していく。 )

<質問2>
 答弁の中で、公共交通のニーズ調査のために、住民アンケートやバス利用者アンケートを行うとも言われました。以前の質問で、「出前で市民の意見を聞きたい」と答えられたのが、印象に残っています。市民・住民の意見を大いに聞いていただきたいと思います。
 それでは、市内循環バスの見直しについてはどのように考えていますか。お聞きします。

答弁2( 移動ニーズ調査等の結果から、運行形態、路線、運行時間帯、運行頻度等が効率的で効果的になるようにする。公共交通の目指すべき将来像の実現に向けて検討し、見直し、計画として取りまとめたい。 )

<質問3(要望)>
 答弁の中で、「運行形態」とのキーワードがありました。この中には、私が何度か要望もしてきた土日の運行も含めた検討をされるのかなと感じました。ぜひ、検討や研究をお願いします。

ここで、市民の声を紹介します。コロナ第8波が収まった頃のことです。
●市民の声「今は何とか車などで移動できるが、あと数年で免許を返納したら、足がない」(横尾の方)
●市民の声「バスは市民のものではないのですか?」。少し解説しますと、この方は、市民が公共施設に行くために乗るバスと考えて、公共施設のない場所からも、公共施設に行けるようにできないかと考えての意見です。公共施設循環バスなので、公共施設から公共施設をめぐることが基本です。ですから、クリーンピア21のように、公共施設がなくなると、ルートも変わることを危惧されての意見です。
 私は、循環バスだけでなく、様々な公共交通を組み合わせることが必要と考えます。3月議会では、大阪市のオンデマンドタクシーの紹介もしました。地理的な問題や地域の特性などを考えて、循環バスを中心にすえながら、公共交通を充実させるよう重ねて要望します。

次に整理番号64 市立柏原病院について質問します。
質問要旨は、市立柏原病院における、新型コロナまたは熱中症にかかった方への対応についての質問です。
 ここ数カ月間で、身近な人の中でも、初めて新型コロナに感染する人が増えています。
 5月8日から、新型コロナウイルス感染症の、感染症上の位置づけが「5類」(季節性のインフルエンザ並み対応)へと移行されていますが、現在も柏原病院の発熱外来では多くの患者さんの対応をされていると聞いています。
 そこで伺います。現在、柏原病院での新型コロナウイルス感染症患者の、入院および外来の受け入れ体制について、お尋ねします。

答弁1( 平時で5床、感染拡大時は最大17床を確保し、現在9床を確保。発熱症状のある方は、他の患者と動線を分離した上で院内で診察を行っている。受診に事前予約は必要なく、通常の診療時間であれば人数制限なく診察している。 )

<質問2>
 コロナ病床は最大で17床、現在は9床確保している。発熱外来は院内で導線、人の動きをなるべく分けて診療されているとのことでした。
 今年の夏は、猛暑が続き、「7月・8月は過去最高を超す」とか、「地球沸騰化」など、マスコミでも連日のように熱中症関連の報道がされていました。
 そこでお聞きします。柏原病院での熱中症の対応状況について伺います。

答弁2( 熱中症患者の受診が増えている。救急搬送件数は、令和4年7月の96件が、本年7月は156件と60件増加し、多くは熱中症と新型コロナの患者である。 )

<質問3(まとめ)>
 新型コロナや熱中症にかかった方への対応について理解しました。予約なしで発熱外来を受診できる体制を取っておられることで安心しました。コロナの波が来た時、とくに昨年は予約の電話がつながらない、救急受け入れを一時制限されるなど、大変苦労された方がたくさんおられました。柏原病院の対応に感謝いたします。
 引き続き、地域の医療を担う病院、地域の基幹病院として、安心で安全な医療を提供していただきますようお願い申し上げます。これでこの項目を終わります。

次の質問項目です。整理番号65 個人情報、自衛隊への若者の個人情報を提供している現状について伺う、です。
柏原市では、自衛隊に対して自衛官または自衛官候補生の募集事務に使用することを目的として、住民基本台帳の一部の写しを提供していると承知していますが、提供を始めた経緯について伺います。

答弁1( 防衛省及び総務省の連名で、募集に関し住民基本台帳の一部の写しを用いて、住民基本台帳法上特段の問題が生じるものではないとの通知を受けた。その後、自衛隊大阪地方協力本部から「紙媒体」または「電子媒体」による提供の依頼があった。本市個人情報保護条例と照らし合わせ、閲覧に係る自衛隊と本市双方への負担も考慮し、住民基本台帳の一部の写しを「紙媒体」で提供している。 )

質問2
 国からの通知、自衛隊から情報提供の依頼があったこと。また、自衛隊と柏原市の事務負担を軽減するため、紙媒体で情報を提供することにしたとの答弁でした。
 いま、住所や氏名などの個人情報は、厳正・適切な扱いが求められています。この間、個人情報保護の問題を議会でも何度か取り上げてきて、一番大事な部分だと認識しています。
 それでは、自衛隊に対して個人情報を提供する法的根拠について伺います。

答弁2( 自衛隊法第97条第1項で、「市町村長は政令で定めるところにより自衛官及び自衛官候補生の募集に関する事務の一部を行う」と規定され、自衛隊法施行令第120条で、「自衛官または自衛官候補生の募集に関し必要があると認めるときは、市町村長に必要な資料の提供を求めることができる」と規定。個人情報の保護に関する法律でも、法令に基づく場合は資料の提供ができる旨が規定されている。なお、募集対象者情報の取扱いは、定められた目的にのみ適切に使用するとともに、個人情報保護に関する法規を遵守し、厳正に管理するものとの申出を受けている。 )

<質問3>
 先ほどの答弁のように、自衛隊の関連法令では、情報提供などは「できる」という規定であり、義務ではありません。
 また、個人情報を保護するうえで、「自己決定権」を保障するための「除外申請」制度は欠かせません。他の自治体では、「除外申請」するために、自衛隊に情報を提供している旨、市のHPや広報誌で知らせながら、申請用紙をつくっています。
 それではお尋ねします。「除外申請」を実施する考えはありませんか?

答弁3( 自衛隊への情報提供を望まない方から、自身の情報を除外するための申出を受け付けている自治体がある。他市事例を調査研究し、検討する。 )

<質問4(まとめ・要望)>
 現在大阪府内で情報提供を行っている41自治体の内、20自治体で「除外申請」を実施しています。情報収集も行い、「除外申請」を検討するよう重ねて要望します。
 本人の同意なく情報提供することは、憲法13条の「国民は、個人として尊重される」というプライバシー権を侵害するものです。また、住民基本台帳法第11条は、閲覧は認めているものの、電子媒体や紙媒体での名簿提供は認めていません。自衛隊への情報提供をやめるよう、柏原市に求めます。

代表質問の最後です。整理番号66、インボイス制度。今年10月から導入される予定のインボイス制度により、柏原市と市民に与える影響について伺います。
 10月実施を前に、インボイス導入の延期または中止を求める運動が広がっています。9月4日には、声優や俳優はじめとしたフリーランス・個人事業主の方などが、1年9カ月取り組んできた「ストップインボイス」の署名、36万筆が国会に提出されました。
 日本共産党は、柏原市議会で、自治体への影響やシルバー人材センターへの影響など、視点を変えてインボイス問題を取り上げてきました。
 そこでお聞きします。最初に柏原市の影響について伺います。

答弁1( インボイス制度では、買手が仕入税額控除を受けるためには、売手が発行するインボイスが必要となることから、市が売手となり、商品の販売やサービス提供の取引を行う場合、買手である事業者が当該取引に係る消費税の仕入税額控除を受けるためには、市がインボイスを交付する必要がある。「適格請求書」発行事業者の登録を行い、財務会計システムの改修を行うなど準備している。 )

<質問2>
 インボイス導入に対応したシステム改修など、対応済みであることを確認しました。
 次に、シルバー人材センターに与える影響について伺います。インボイス問題で、シルバー人材センターの登録者が「個人事業主」として扱われ、わずかな「収入」なのに負担が増える、また「課税業者」として手続きが必要となるなど、問われてきました。
 そこでお尋ねします。シルバー人材センターの影響はどのようになっているのか、経過なども含めて伺います。

答弁2( 同センターの会員への配分金は、適用除外、特例にならないため、消費税を納める必要がある。シルバー人材センター事務局に確認すると、消費税の増分は発注者に負担いただき、会員への配分金は今までどおりと回答された。 )

<質問3(まとめ)>
 いまの答弁のように、インボイス制度は、シルバー人材センターを例にすると、高齢者には登録実務などが必要で、人材センターそのものにも影響を与えます。柏原市が、草刈りなど様々な仕事を発注すれば、市の財政負担が増えることになります。
 業者にとってはどうでしょうか。今年1月、税務署と連携して柏原市がインボイス制度のセミナーを開催して以後、セミナーの開催はなく、また業者などから市への問い合わせもなかったと聞いています。
 しかし私は、業者の悲痛な声を聞いています。ある市内の店主さんは「インボイスの登録はしない。消費税の負担が増えても、お客さんに負担させられない。創業50年を超えたし、経営が苦しくなった時は、お店をたたもうと考えている」と漏らしていました。
 インボイス制度は、消費税の新たな増税であり、業者への事務作業の負担を押し付け、課税業者にならなければ取引から排除されるという危険があります。誰の得にもなりません。
 柏原市として、最後の最後まで、10月からのインボイス導入中止の声を上げることを求めます。

 以上で、日本共産党を代表しての質疑・質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

2023年(R5)6月市議会・市税条例一部改正への反対討論

2023年6月25日

日本共産党の江村淳です。私は、「議案第44号 柏原市市税条例の一部改正について」に、反対の立場で討論します。一部改正案のなかでも、森林環境税の創設に関わる部分について、反対いたします。

本会議や総務産業委員会での議案質疑では、森林環境税の目的や制度、仕組みなどをご説明いただき、市民への影響について質疑してきました。

森林環境税を創設する目的は、地球温暖化の防止や、災害の防止、国土の保全など、森林のもつ公益的機能を維持し、増進を図ることとされています。また、森林環境税は、2024年度(令和6年度)から、柏原市が国の代わりに市・府民税とあわせて徴収することになります。

制度・仕組みは、2023年度末で「府税の森林環境税300円、及び東日本大震災復興財源確保分1,000円の徴収が終了するので、合計1300円が減額される」のことでした。その後をうけて、24年度から国税である森林環境税が1,000円徴収されるとのご説明でした。いわば、復興特別住民税から森林環境税へ、看板の掛け替えがおこなわれることになります。この中で、市・府民税の均等割が非課税の方でも、森林環境税1000円が新たに課税される方が100名程度おられることも判明しました。

また、森林環境税の課税対象となる方は、約3万3,100人で、柏原市民の約半数です。仮に、税金の「看板の掛け替え」がなければ、約3万3千人は、総額5300円が4000円となるはずで、もちろん、森林環境税のみ課税となる約100人は、非課税つまり負担ゼロのままでした。

いま、全国から集める森林環境税と、分配・交付する森林環境譲与税のような仕組みは必要です。しかし、地球温暖化の防止や、災害の防止などで問われているのは、国やCO2を排出している大企業の責任と負担です。

日本共産党は2019年2月の衆院総務委員会で、「森林環境税・森林環境譲与税」について、国民には低所得でも課税する一方で、大企業には負担ゼロだとして、「地球温暖化対策で(温室効果ガス排出の)原因者に負担を求めないのはおかしい」と追及しました。また、輸入自由化で木材価格が下落し林業経営が成り立たない実態を背景にして、「森林整備を重要な課題と位置付け、国の一般会計で林業予算の配分を増やすべき」と指摘してきました。

2021年総選挙や22年参議院選挙の政策でも、分配や交付の問題について、大阪府内でも、全国でも、交付基準の人口指標が林業従事者の割合よりも高く設定されたことで、私有人工林がない都市部に多額に配分される問題等を指摘しています。国に対して、需要のある自治体への地方交付税の拡充など、森林環境税と森林環境譲与税の見直しを繰り返し求めています。

以上のことから、国税である森林環境税の徴収を柏原市が代行することは、2023年度末で期限切れとなる復興特別住民税の看板を掛け替えて、取り続けるもので、森林の公益的機能の恩恵を口実に、国やCO₂排出企業が引き受けるべき負担を、市民に負担を押し付けることになり、許されません。よって、柏原市市税条例の一部改定、なかでも森林環境税の創設による徴収に反対を表明します。また、議員のみなさんのご賛同をお願い申し上げまして私の討論といたします。

2023年(R5)6月市議会 個人質疑・質問

2023年6月15日

みなさんこんにちは。日本共産党の江村淳でございます。令和5年第2回定例会におきまして、個人質疑・質問をさせていただきます。

最初に、去る6月2日の豪雨によって、被害にあわれた皆様に対しまして、お見舞い申し上げます。また、この市議会では、今回の災害対応を検証し、今後の対応にすぐに生かす立場で臨みます。

さて、今市議会にも関わる国政について一言述べます。

国会会期末に向け、問題を抱えたままのマイナンバー法の改定、立法事実が崩れた入管法の改定、多数者の権利の名で性的少数者を苦しめるLGBT理解増進法、国民のくらし破壊につながる軍拡財源確保法など、自民・公明・維新・国民民主による悪法の相次ぐ強行は許されません。同時に、国民・市民の運動も盛り上がっています。14日には俳優さんや声優さんなどが呼びかけた「ストップインボイス!全国一揆」の取り組みなど、党派や立場の違いを超えて運動が広がっています。いま、国民・市民の願いと政治とのずれを正す時ではないでしょうか。日本共産党は噂される解散総選挙で、国民の願い実現に全力を尽くします。また、今議会でも国民・市民の立場で頑張る決意です。

それでは議案の質疑に入らせていただきます。

①整理番号22、議案第44号 柏原市市税条例の一部改正について(議案書P53)
質疑要旨は、森林環境税の創設による市民への影響について、です。

議案の提案説明の中で、国が森林環境税を新たに創ったことに伴って、柏原市が徴収するため、市税条例を改正すると説明を受けました。
そこでまず、詳しく制度のご説明をお願いします。

答弁1( 森林の果たす地球温暖化防止や災害防止などの機能を維持増進させるための国税として創設され、令和6年度から柏原市が市・府民税と併せて賦課、徴収する。税額は1,000円で、府税の森林環境税300円及び東日本大震災復興財源の確保分1,000円の徴収が終了するため、合計1,300円が減額される。市・府民税均等割額が非課税の方でも、森林環境税のみ課税となるケースがあり、試算では90~100名程度を見込んでいる。 )

<質問2>
令和5年度末までは、市・府民税のなかに、東日本大震災の復興財源分が年額1000円、府税の森林環境税が年額300円含まれています。これが減額される代わりに、国の森林環境税が年額1000円徴収され、差し引き300円の減額になる。合計額でいえば1300円が1000円になるとのことでした。減税されるように見えますが、税金の看板の架け替えがおこなわれて税金が続いている、課税されるということ。

また、市・府民税の均等割が非課税の方、つまり現在税金を納めておられない方でも、所得基準のわずかな差で、森林環境税のみ課税となる方が90名~100名程度おられるとの答弁でした。年額であっても、1000円の増税になる方がいるということです。

そこでお聞きします。現在、市・府民税が非課税の方で、森林環境税のみ課税となる方が、「課税者」と扱われて福祉分野などのサービスに及ぼす影響はないのか、伺います。

答弁2( 国からは、森林環境税の課税と住民税の課税につきましては、独立した別のものとの見解が示されている。森林環境税が課税される方であっても、住民税の非課税者として受けられるサービスに影響はない。 )

質問3(まとめ)
市・府民税が非課税で、森林環境税のみ課税の方でも、受けられる住民サービスに影響はない、つまり「課税者」とはならないことを確認しました。
制度についての説明と若干の疑問点について質疑しましたが、さらに委員会で質疑したいと思います。

次の質疑に入ります。
②整理番号23、議案第48号 令和5年度 柏原市一般会計補正予算(第3号)、歳出(款)6商工費 (項)1商工費 (目)2商工業振興費 商工業振興事業、地域応援キャンペーン事業委託料1億4100万円(議案書P76)、質疑要旨は、地域応援キャンペーン事業の第3弾となる事業内容と効果について、です。

地域応援キャンペーン事業は、第1弾が2020年(R2年)12月の1カ月間で、予算は1億5千万円、第2弾が来月、2023年7月18日~7月31日の2週間実施され、予算は9400万円です。これに続く第3弾が今回の議案です。
そこでまず、事業内容について伺います。

答弁1( 新型コロナ感染症の影響や、原油価格や物価高騰の影響を受けている家計を支援するため、地域経済の活性化を図るもの。市内店舗での支払いにキャッシュレス決済を利用すると20%分のポイントが付与される。1回の上限が1,000円分で、期間中のポイント付与限度は3,000円分。 )

<質問2>
キャッシュレス決済を利用した売り上げで、ポイント付与は1回の上限が1000円分で、期間中の限度額は3000円なので、3回まで利用できると理解しました。また、第3弾も、第2弾と同様の設計だと理解しました。

私は今年3月の令和5年第1回定例会の議案に対する質疑において、地域応援キャンペーン事業の第2弾に対する同様の質疑を行いました。あわせて、コロナ禍で、中小商工業者を応援する施策も求めました。

そこで、お聞きします。今回のキャンペーン事業の効果をどのように見込んでいるのでしょうか。

答弁2( 物価高騰の影響を受けている家庭の支援、市内店舗での消費促進、さらにキャッシュレス決済を取り入れる店舗の増加などに寄与できる。仮にキャッシュバック付与額の総額を1億円とすれば、市内店舗での売上額は5億円と見込まれる。 )

<質問3>

ポイント付与の総額が1億円とすれば、市内店舗の売上額は5億円と見込んでいるとの答弁でした。ポイントが20%ですから、逆にいえば売上総額は5倍以上です。確かに第1弾の時でも、キャッシュバックが約3千万円、売上総額は1億7,500万円余りでしたので、5倍以上の効果があるといえます。

今回の事業の財源は、地方創生臨時交付金が約8360万円、一般財政から約5730万円の合計1億4100万円で、第2弾の約1.5倍です。

そこでお尋ねします。近隣市で、予算額を超過する利用があったと聞いていますが、予算規模は大丈夫なのでしょうか、伺います。

答弁3( 近隣他市の同様事業の実施状況と併せまして、複数者から参考見積りを取るなどして予算額を決定した。7月に実施するキャンペーン事業の実績なども考慮して、新たに設計の上、実施してまいりたい )

<質問4(まとめ・要望)>
新型コロナ感染症の扱いが「5類」に変更された下での取り組みです。また、7月の第2弾の経験を活かして、必要ならば軌道修正もして第3弾の地域応援キャンペーン事業を迎えてください。
新型コロナ感染症の影響に加え、原油価格や物価高騰の影響は、まだまだ続いていますので、家計の応援と地域経済の活性化という目的が達成されるようお願いします。議案に対する質疑は以上です。

それでは以下、一般質問に入ります。
③整理番号24。防災、2023(令和5)年6月2日の豪雨時の災害対応について、質問いたします。
改めまして、去る6月2日の豪雨被害にあわれた皆様に対しまして、お見舞い申しあげます。
私は、冒頭述べたように、今回の豪雨災害への対応を検証し、今後に生かす立場で質問いたします。

6月2日は、前日の予報通り午前中から激しく雨が降り、災害の危険が指摘されていたため、自宅待機していました。議会事務局から10時25分、土砂災害警戒情報が発表されて警戒レベル4となり、警戒本部の設置や避難所開設の準備をしていることなどが伝えられました。私が、情報収集やお年寄りへの注意喚起などを始めたのは、スマートホンの警報情報が、きっかけでした。その後、雨が少し弱まった15時から「柏原市総合防災マップ」を手に、国分寺大橋近くの大和川や、土砂災害警戒区域、原川と石川、避難所の玉手中学校など、2017年10月の台風被害のあった地域を中心に見て回り、また住民の声を聴きました。

※補助資料をご覧ください。資料❶は大和川と原川が合流する付近の、右の豪雨時と左の平常時を比べた写真です。堺大和高田線の橋が浸かりかけ、堤防の上まで水が来ていることがわかります。資料❷は、大和川の国分寺大橋と上流の王寺町方面の濁流の写真です。次の資料❸は同じ場所で5月27日に写したもので、水量の多さが実感できると思います。

そこでお聞きします。6月2日の豪雨時に、どのような災害対応をされたのか、伺います。

答弁1( 2日午前中に大雨警報(土砂災害・浸水害)、洪水警報が発表され、その後、土砂災害警戒情報及び大和川氾濫警戒情報が発表されたため、12時35分に市内全域に避難指示を発令し、避難を呼びかけるとともに、市内29か所の指定緊急避難場所を開設した。 )

<質問2>
土砂災害と浸水害ふくむ大雨警報、ならびに洪水警報を発表したのが12:00の高齢者等避難、すなわち「警戒レベル3」にあたると思います。その後12:35に市内全域に「レベル4」の避難指示を発令し、避難を呼びかけたとのことでした。

避難情報を知った高齢者の方などから、「土砂災害警報と洪水警報が発令されている場合は、どこに避難したらいいのか」との声がありました。

例えば、大和川と石川に近い、玉手町や石川町、円明町などの人は、土砂災害対応の避難所は玉手中学校、洪水対応の避難所は玉手小学校となりますが、どちらに避難するのかと迷っておられました。

そこでお聞きします。今回のような場合、土砂災害対応の避難所と洪水対応の避難所が開設されましたが、避難する場所はどのように判断したらよいのでしょうか。

答弁2( 避難する場所につきましては、まず、お住まいの地域が土砂災害警戒区域や洪水浸水想定区域に入っているかどうかにより、避難する場所を特定する。また、お住まいの地域の災害リスクの有無については、先日配布した柏原市総合防災マップで確認し、分かりにくい時は危機管理課に問い合わせを。 )

<質問3>
住んでいる地域によって避難場所を特定する。土砂災害警戒区域の住人は低い所の避難所へ。逆に、水に浸かる危険性のある地域の住人は高い避難所へ。ということでした。避難場所を判断するのはなかなか大変だと思います。災害の発生当日、危機管理課に相談するとなると大変な混雑が予想されます。やはり早くから、日頃から、どこへ避難するのかなど、行動を決めておく必要性を感じます。

あの日、こんな声もありました。大和川から数十メートルの片山町在住の方は「台風の時は消防車が大和川のそばに待機していた。今回待機していないから大丈夫だろう」と。また「大和川が危ない」と言いながら、川に近づいている人もいました。これが「正常性バイアス」の現れです。

「正常性バイアス」とは、危険な状況であっても、ちょっとした変化なら「日常のこと」として処理してしまう人間心理の事をいいます。これは神戸市のR4年3月発行の「くらしの防災ガイド」に記されています。このことから、広報活動や避難誘導のあり方が問われていると感じます。

そこでお聞きします。高齢者から「足が悪く避難所まで行くのも大変」との声がありました。高齢者や足などの不自由な方の避難は、どのように考えておられますか。

答弁3( 自ら避難できる状態であれば、親族もしくは隣近所の人と一緒に避難してもらい、介護タクシーの利用など提案し、避難を促している。また、自ら避難することが困難な避難行動要支援者は、個別避難計画等に基づいて、関係者による支援を得ながら避難行動を取っていただく。個別避難計画については福祉部局と連携して作成作業を進めている。 )

<質問4>
避難行動をあらかじめ決めておく。避難する際の支援者を決めておく。「個別避難計画」をつくって行動する、との答弁でした。

あの日、施設利用者を自宅に送っていた介護施設の職員さんから、「利用者でも在宅している場合には、民生委員さんや地域の人にお願いすることになる」と聞きました。高齢者や障害者などの「要支援者」について、対応の強化が必要だと感じました。

ここで、大阪市住之江区の広報「さざんか」6月1日号を紹介します。避難の際は、自分の身は自分で守る「自助」、自分たちの町は自分たちで守る「共助」、公的な援助の「公助」の組み合わせと言われます。大阪市はこれに加えて「自助」と「共助」の間に「近助(キンジョ)」、つまり近隣の人同士での協力を推進しています。

さて、あの日、情報収集するなかで気が付いたことがあります。
※補助資料④をご覧ください。右の写真は6月2日14時20分時点の、国分寺大橋下流の水位を示した写真です。大和川の流れは紫色、警戒レベル4ですが、旧青谷グランド周辺は0.7メートル溢れて黒色、命の危険があるレベル5となっています。資料⑤の右のグラフでは、11時40分ごろから約30分で紫色のレベル4へ、さらに約30分後の13時30分頃には黒色、レベル5となり、以後20時頃まで溢れている状態が続きました。

そこで伺います。大和川の水位について、国土交通省の「川の防災情報」によれば、国分寺大橋近くの河川カメラの情報では「氾濫発生」の黒色になっていたのですが、市の情報と違いが見られたがなぜなのか、お聞きします。

答弁4( 大和川周辺には、河川の水位が簡易に確認できるライブカメラを設置している。国土交通省で設置しており、そのポイントの水位情報が出ている。市が発令する大和川の洪水に関する避難情報は、大和川河川事務所前の河内橋中央に設置している、柏原観測所の水位を基準としており、同観測所の水位基準は大阪府下の大和川流域に属する全ての市の基準となっている。 )

<質問5(まとめ・要望)>
基準となる観測場所だけで判断せず、総合的に判断すべきではないでしょうか。「総合防災マップ」にも「警戒レベル・避難情報は、気象状況や市内の被害状況等を総合的に判断して市が発令します」と書いてあります。総合的な判断をしつつ、地域の特性などを考慮して、弾力的かつ先手をうつ運用など研究されるよう、要望します。

検討課題は他にもあります。
「防災行政無線は使われたのか?」「消防車や市の車でお知らせしていたのか?」などの声が多数ありました。私は当日、至急コールしましたが、防災行政無線の情報はなく、活用されていませんでした。緊急時のための防災行政無線ですし、広報車を出して市民に避難誘導を強めていただくよう要望します。特に「正常性バイアス」を乗り越えるには広報は欠かせません。

また、学校は、早くから休校の判断をすべきではなかったのかとの声が聞かれた。台風2号の影響は早くから警戒されており、JR線のみ計画的運休を実施しました。全国の経験で問われるのは、災害の被害が出た時に「判断をいつ、どのようにしたのか」です。今回の豪雨災害で、柏原市では幸いにも、人的被害がありませんでしたので、前向きな検証をお願いします。

最後に、今回の豪雨災害から、改善すべき対応や必要な対応が見えてきたと考えます。梅雨はまだ続きますし、台風シーズンは始まったばかりです。先日の経験や教訓をすぐに活かしていただきたいと切に望みます。


続きまして、6月2日の豪雨災害の関連する質問です。
④整理番号25、「柏原市総合防災マップ」の活用等について、質問します。今回の豪雨災害が、「総合防災マップ」を検証する最初のケースとなると考えます。まだまだ周知も十分ではないと思いますが、活用などどうだったのか、伺います。

答弁1( 柏原市総合防災マップは、大阪府が石川と原川に関する浸水想定区域図を新たに公表されたことに伴い、改訂した。この改訂に合わせて、これまで別冊子で発行していた内水やため池などの災害リスクも、この1冊で確認できるようまとめた。今後「地域自主防災訓練」なども、総合防災マップを使用して、お住まいの地域の災害リスクを確認してもらい、避難経路や適切な避難先の特定など、速やかに避難行動が行えるよう周知啓発していく。 )

<質問2>
要支援者、つまりお年寄りやなんらかの理由で避難の際に援助が必要な方への対応はこれからという答弁でした。

それでは、在住の外国人の方への対応についてお聞きします。「総合防災マップ」の外国語版の作成など、考えておられるのでしょうか。

答弁2( 外国語版の総合防災マップの作成は、本市に在住する外国人の状況も踏まえて対応しなければいけない。次回の改訂の折には、本市の在住状況や近隣市の対応も踏まえた上で検討していく。 )

<質問3(まとめ・要望)>
「柏原市総合防災マップ」はどの程度届いているのか。町会を通じて配布しているので、町内会に入っていない人、自治会に入っておられない人には届いていない。ぜひ市内すべての世帯に配布してください。在住の外国人にも緊急時の対応が伝わるような対策と体制づくりをお願いいたします。
先ほどの大阪市住之江区の広報では、「大阪市防災アプリ」を作成し、インターネットが利用できない状態でも使用できるし、外国人向けにも対応していることが紹介されています。
最後に、今回の経験から、活用の仕方などを検証し、必要な改善をお願いします。

次の質問事項に移ります。
整理番号26、マイナンバーカード。マイナンバーカードの問題点が全国で噴出しているが、柏原市での現状とその対応について、です。

マイナンバー制度を一部改定する法案が5月31日、国会で可決しました。ところが、法案の審議を前後して、全国で問題が噴出しています。6月1日時点で、マイナ保険証に別人情報の紐づけが全国7,312件、マイナポイントを誤って別人に付与が全国113件、家族口座の紐づけが全国約13万件など枚挙にいとまがありません。

その発端は、情報通信会社が3月下旬、システムの不具合により証明書を誤交付し、個人情報を流出させたことです。これに対してデジタル大臣から全国的な調査が始まりました。

そこでお聞きします。柏原市でも実施されているコンビニ交付について、現状とその対応について伺います。

答弁1( 本年4月以降、複数の自治体でコンビニ交付サービスによる証明書の誤交付が発生。本市が利用するコンビニ証明発行システムは、報道のような事業者のシステムではなく、誤交付の事案は発生していない。また、委託事業者によってシステムの調査・点検が行われ、本市が利用するシステムでは誤交付を防止するチェック機能があり、同様の事象が発生しないことを確認した。 )

<質問2>
柏原市では、委託業者のシステムが違うため、誤交付を防止するチェック機能があること。問題は発生していないと確認しました。

それでは、コンビニ交付以外にも、マイナンバーカードに関連するニュースが連日報道されていますが、市民の方から相談や疑問が寄せられた時は、どのような対応をされているのか、伺います。

答弁2( 相談内容によって窓口が異なるが、マイナンバーカード自体の有効性の確認は市民課で、保険証や公金受取口座の登録状況などはマイナンバー関連の支援窓口がそれぞれ対応している。市での対応が困難な案件は、マイナンバーカードやマイナンバー制度全般のお問合せ窓口として、総務省が開設しているマイナンバー総合フリーダイヤルをご案内している。 )

質問3(まとめ・要望)
相談内容によるが、窓口でそれぞれ対応しているとのことでした。担当課や職員のみなさんは、政府によって現場対応に苦慮されていると思います。

神奈川県では、ひも付け登録の誤りが後を絶たないため、自治体の独自判断で、給付金を支給する時のマイナンバー利用を停止するケースが相次いでいる、報道されています。
日本共産党は国会で、いま起きているトラブルは、マイナンバーの根本的な問題であることを指摘し、デジタル庁や総務省、厚生労働省などは、現場に不信と負担を押し付けており、立ち止まって検証することを求めています。

柏原市は、引き続き住民の不安や疑問に応えるとともに、マイナカードの返納希望者への対応、場合によっては独自の運用停止など対策を取られるよう、要望します。また、市として、マイナカードの強制をやめるよう、国に要望してください。

それでは私の最後の質問です。
整理番号27、大阪広域水道企業団との統合に関する議案が、和泉市議会において否決されたことに伴う、今後の本市の対応について質問します。

2024年4月に水道企業団への統合協議を進めていた7団体、すなわち岸和田市、八尾市、富田林市、和泉市、柏原市、高石市、東大阪市の、各3月市議会で議案が審議されました。柏原市議会で、日本共産党は反対しましたが、賛成多数で可決しました。その翌日3月24日、和泉市議会で統合案が否決されました。

そこで、柏原市は今後どのように対応されるのか、伺います。

答弁( 令和6年4月の柏原市を含む7団体の水道事業と大阪広域水道企業団の統合に向けて、令和5年第1回定例会で、議案第11号 大阪広域水道企業団の共同処理する事務の変更及びこれに伴う大阪広域水道企業団規約の変更に関する協議についてをご提案させていただき、柏原市議会で、ご審議の上、賛成多数で原案を可決した。
 しかし、和泉市議会で当該議案が否決され、7団体での統合は不成立に。不成立となった後、和泉市を除く6団体と企業団で協議を重ね、令和7年4月の統合に向けて、改めて検討協議を進めることとしております。
 そのため、市民の皆様、議員の皆様には、新たな検討協議の状況や統合素案の見直しなど、これまでと同じく丁寧に報告、説明・理解もえたいと考えている。 )

質問2(まとめ)
7団体での統合は「不成立」となり、和泉市をのぞく6団体で2025年4月の統合を目指すことを確認しました。

日本共産党は、市民の「命の水」、市民の財産「自己水」を守るため、引き続きがんばる決意です。

以上で私の個人質疑・質問をすべて終わります。ご清聴ありがとうございました。