2024年(R6)3月市議会・一般会計予算の組み替え動議への賛成討論
2024年3月22日
日本共産党柏原市会議員団の江村淳でございます。私は、会派を代表しまして、議案第1号 令和6年度 柏原市一般会計予算の原案に反対し、組み替え動議に賛成する立場から討論を行います。
第1回定例会、3月市議会は、一年の中で最も重要な位置づけをもち、市政運営方針の質疑とならんで各種予算をチェックするという議員の存在意義にもかかわる重要な議会です。特に今年は、冨宅市長の2期目の最後の年にあたる大事な市議会です。
最初に、今回の予算には、市民の願いが盛り込まれた予算となっていますが、一方で、認めることのできない予算も含まれています。
賛同するのは、中学校給食の無償化8418万2千円や小学校給食の値上げ分の補助1281万8千円、高齢者の補聴器購入への補助125万円など、市民の願いが実ったものとして、評価します。しかし、市民にとって望ましくない、不用な予算に対しては、以下の組み替えを求めるものです。
第1の理由は、公共施設等再編整備事業4284万5千円を削除すべきと考えるからです。
昨年、令和5年10月に策定された「公共施設等再編整備基本計画」は、健康福祉センター「オアシス」や老人福祉センター「やすらぎの園」などを廃止して「サンヒル柏原」に移転し、その「サンヒル」を「多世代交流センター」として改修する計画です。総事業費は約16億9千万円、その内「サンヒル」の改修費用は半分の約8億7千万円です。この予算は、「再編計画」の設計業務を委託するものと理解しています。
「再編計画」に対して、今年1月・2月、施設利用者や市政モニターの方からアンケートを行っています。市民の声を紹介します。
<声1>「設備ももちろんの事、その施設の場所が一番の問題。私も子育て中、オアシス(保健センター)までの道のりを、幼い姉妹を自転車に乗せてあの坂道を押して登りました。今考えると怖いです。もっと子育て世代にやさしい柏原市に、お願いします」。
もう一つ。<声2>「本数が少なすぎる、バスを乗り継がないとサンヒルまで行けない、子どもをベビーカーに乗せたまま乗車できない、子どもを抱っこ紐に入れるとしても車内が狭く座りにくい」という声です。
市民意見でも明らかなように、施設の中身や交通手段の問題よりも、場所の問題、つまり「サンヒル」の立地に由来する、避けられない問題があります。
また、委員会審議では、「公共施設再編計画」と別の計画になった「文化センター長寿命化改修工事」に対する意見に注目しました。
文化センターの再編計画が、図書館はリビエールへ、公民館はサンヒルへ移転する計画から、現地改修に変更になった経過に触れました。そして、「サンヒルへの利便性、高齢者やお子さん連れの方が移動するのは心配」「高齢者や子育て施設として利用しなくてもええんちゃうか」「老朽化したサンヒルの改修工事に8億円もかけるのはどうなんか?」と。ごもっともな意見と考えます。
能登半島地震の経験から、緊急避難場所や避難所の問題も浮上してきました。
廃止される「オアシス」は、「福祉避難所」として「地域防災計画」(令和4年4月)に位置付けられています。「福祉避難所」とは、「災害時に高齢者、障害者、妊婦等、一般の避難所では生活に支障があり、特別な配慮を必要とする方のために開設する2次避難所」のことです。健康福祉センター(オアシス)の受入可能人数は199人で、市内に3カ所ある「福祉避難所」の中で最大の施設となっています。
市民の健康と子育て支援を促進してきた「オアシス」に代わって、「福祉避難所」の役割を担える施設はあるのでしょうか。
日本共産党は昨年12月議会で、公共施設再編計画に対して、財政面や施設の果たす役割などを述べて、廃止される「オアシス」の重要性や、移転先の「サンヒル」の立地条件の問題点を指摘しました。さらに、今年実施した利用者アンケートの声からも、問題は解決しないと感じます。加えて、能登半島地震の経験から、災害対応や避難所の問題も浮き彫りになりました。どう考えても、「公共施設再編整備」の予算を削ることは当然と考えます。
第2の理由は、2025年日本国際博覧会関連事業86万9千円を削除すべきと考えるからです。
柏原市が実施する、2025年大阪・関西万博に こどもを招待する事業は、令和6年度の業務委託料などが86万9千円、万博が開催される令和7年度は、業務委託料と招待にかかる費用が合計2123万円です。参加を希望するこども達、4歳~14歳は6400人、15歳~17歳は2000人を上限にして、合計約2000万円の参加費を市が援助します。
柏原市の招待事業は、大阪府に続く2回目で、任意、各自治体で判断するものです。東大阪市や交野市など こども招待事業を実施しない自治体もあります。
さて、本会議では、ゆめ洲が建設残土や廃棄物を処分するための埋立地であることなどを指摘し、委員会では、万博会場の安全性や災害時の避難に関する重大問題を指摘しました。
もし万博開催時に災害が発生したら、ゆめ洲はどうなるか。
昨年2023年6月4日の豪雨では、ゆめ洲と咲州を結ぶ「夢咲トンネル」が冠水し、10時間通行不能になりました。2018年に大阪をおそった「巨大台風」では、巨大なコンテナが木の葉のように飛ばされました。万博のプレハブパビリオンや大屋根リングがこれに耐えられるでしょうか。南海トラフ巨大地震に対して、万博協会は「3日分の宿泊場と食事を準備する」という対策しか持っていません。「避難計画」のない場所に、子どもたちを招待することになる危険があります。
こんなゆめ洲に、子どもたちを「柏原市の公費で援助します」といって招待すれば、市の責任が問われるのではないでしょうか。
こども招待業務の令和6年度の委託料86万円は、令和7年度に、子どもを最大8400人、2千万円かけて招待する事業につながる予算であり、認めることはできません。そもそも、大阪・関西万博は、事業費の膨張や建設の遅れ、能登半島地震への影響など、とても開催できる状況にありません。万博関連予算を削除することは当然です。
最後に、拡充する予算について述べます。
こどもの医療費を中学校卒業まで完全に無料化するため、4371万4千円を拡充します。
こども医療費助成の拡充について、市民が署名活動を行うなどして、窓口負担を500円にし、「小学校卒業まで」「中学校卒業まで」「18歳まで」と延長してきました。委員会では、高槻市が令和6年度、「高校卒業までの完全無償化」を打ち出したことを紹介しました。
柏原市は「子育てを応援する環境づくり」をさらに進めることを表明しています。削除した予算を使って、中学校卒業まで窓口負担なしの「完全無償化」に予算を組み替えるべきであると考えます。
以上をもって、議案第1号 令和6年度 柏原市一般会計予算の原案に反対し、予算組み替えを求める動議に賛成する討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。
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