共産党柏原市政対策委員長 江村じゅんのブログです。

2023年(R5)6月市議会・市税条例一部改正への反対討論

2023年6月25日

日本共産党の江村淳です。私は、「議案第44号 柏原市市税条例の一部改正について」に、反対の立場で討論します。一部改正案のなかでも、森林環境税の創設に関わる部分について、反対いたします。

本会議や総務産業委員会での議案質疑では、森林環境税の目的や制度、仕組みなどをご説明いただき、市民への影響について質疑してきました。

森林環境税を創設する目的は、地球温暖化の防止や、災害の防止、国土の保全など、森林のもつ公益的機能を維持し、増進を図ることとされています。また、森林環境税は、2024年度(令和6年度)から、柏原市が国の代わりに市・府民税とあわせて徴収することになります。

制度・仕組みは、2023年度末で「府税の森林環境税300円、及び東日本大震災復興財源確保分1,000円の徴収が終了するので、合計1300円が減額される」のことでした。その後をうけて、24年度から国税である森林環境税が1,000円徴収されるとのご説明でした。いわば、復興特別住民税から森林環境税へ、看板の掛け替えがおこなわれることになります。この中で、市・府民税の均等割が非課税の方でも、森林環境税1000円が新たに課税される方が100名程度おられることも判明しました。

また、森林環境税の課税対象となる方は、約3万3,100人で、柏原市民の約半数です。仮に、税金の「看板の掛け替え」がなければ、約3万3千人は、総額5300円が4000円となるはずで、もちろん、森林環境税のみ課税となる約100人は、非課税つまり負担ゼロのままでした。

いま、全国から集める森林環境税と、分配・交付する森林環境譲与税のような仕組みは必要です。しかし、地球温暖化の防止や、災害の防止などで問われているのは、国やCO2を排出している大企業の責任と負担です。

日本共産党は2019年2月の衆院総務委員会で、「森林環境税・森林環境譲与税」について、国民には低所得でも課税する一方で、大企業には負担ゼロだとして、「地球温暖化対策で(温室効果ガス排出の)原因者に負担を求めないのはおかしい」と追及しました。また、輸入自由化で木材価格が下落し林業経営が成り立たない実態を背景にして、「森林整備を重要な課題と位置付け、国の一般会計で林業予算の配分を増やすべき」と指摘してきました。

2021年総選挙や22年参議院選挙の政策でも、分配や交付の問題について、大阪府内でも、全国でも、交付基準の人口指標が林業従事者の割合よりも高く設定されたことで、私有人工林がない都市部に多額に配分される問題等を指摘しています。国に対して、需要のある自治体への地方交付税の拡充など、森林環境税と森林環境譲与税の見直しを繰り返し求めています。

以上のことから、国税である森林環境税の徴収を柏原市が代行することは、2023年度末で期限切れとなる復興特別住民税の看板を掛け替えて、取り続けるもので、森林の公益的機能の恩恵を口実に、国やCO₂排出企業が引き受けるべき負担を、市民に負担を押し付けることになり、許されません。よって、柏原市市税条例の一部改定、なかでも森林環境税の創設による徴収に反対を表明します。また、議員のみなさんのご賛同をお願い申し上げまして私の討論といたします。

2023年(R5)6月市議会 個人質疑・質問

2023年6月15日

みなさんこんにちは。日本共産党の江村淳でございます。令和5年第2回定例会におきまして、個人質疑・質問をさせていただきます。

最初に、去る6月2日の豪雨によって、被害にあわれた皆様に対しまして、お見舞い申し上げます。また、この市議会では、今回の災害対応を検証し、今後の対応にすぐに生かす立場で臨みます。

さて、今市議会にも関わる国政について一言述べます。

国会会期末に向け、問題を抱えたままのマイナンバー法の改定、立法事実が崩れた入管法の改定、多数者の権利の名で性的少数者を苦しめるLGBT理解増進法、国民のくらし破壊につながる軍拡財源確保法など、自民・公明・維新・国民民主による悪法の相次ぐ強行は許されません。同時に、国民・市民の運動も盛り上がっています。14日には俳優さんや声優さんなどが呼びかけた「ストップインボイス!全国一揆」の取り組みなど、党派や立場の違いを超えて運動が広がっています。いま、国民・市民の願いと政治とのずれを正す時ではないでしょうか。日本共産党は噂される解散総選挙で、国民の願い実現に全力を尽くします。また、今議会でも国民・市民の立場で頑張る決意です。

それでは議案の質疑に入らせていただきます。

①整理番号22、議案第44号 柏原市市税条例の一部改正について(議案書P53)
質疑要旨は、森林環境税の創設による市民への影響について、です。

議案の提案説明の中で、国が森林環境税を新たに創ったことに伴って、柏原市が徴収するため、市税条例を改正すると説明を受けました。
そこでまず、詳しく制度のご説明をお願いします。

答弁1( 森林の果たす地球温暖化防止や災害防止などの機能を維持増進させるための国税として創設され、令和6年度から柏原市が市・府民税と併せて賦課、徴収する。税額は1,000円で、府税の森林環境税300円及び東日本大震災復興財源の確保分1,000円の徴収が終了するため、合計1,300円が減額される。市・府民税均等割額が非課税の方でも、森林環境税のみ課税となるケースがあり、試算では90~100名程度を見込んでいる。 )

<質問2>
令和5年度末までは、市・府民税のなかに、東日本大震災の復興財源分が年額1000円、府税の森林環境税が年額300円含まれています。これが減額される代わりに、国の森林環境税が年額1000円徴収され、差し引き300円の減額になる。合計額でいえば1300円が1000円になるとのことでした。減税されるように見えますが、税金の看板の架け替えがおこなわれて税金が続いている、課税されるということ。

また、市・府民税の均等割が非課税の方、つまり現在税金を納めておられない方でも、所得基準のわずかな差で、森林環境税のみ課税となる方が90名~100名程度おられるとの答弁でした。年額であっても、1000円の増税になる方がいるということです。

そこでお聞きします。現在、市・府民税が非課税の方で、森林環境税のみ課税となる方が、「課税者」と扱われて福祉分野などのサービスに及ぼす影響はないのか、伺います。

答弁2( 国からは、森林環境税の課税と住民税の課税につきましては、独立した別のものとの見解が示されている。森林環境税が課税される方であっても、住民税の非課税者として受けられるサービスに影響はない。 )

質問3(まとめ)
市・府民税が非課税で、森林環境税のみ課税の方でも、受けられる住民サービスに影響はない、つまり「課税者」とはならないことを確認しました。
制度についての説明と若干の疑問点について質疑しましたが、さらに委員会で質疑したいと思います。

次の質疑に入ります。
②整理番号23、議案第48号 令和5年度 柏原市一般会計補正予算(第3号)、歳出(款)6商工費 (項)1商工費 (目)2商工業振興費 商工業振興事業、地域応援キャンペーン事業委託料1億4100万円(議案書P76)、質疑要旨は、地域応援キャンペーン事業の第3弾となる事業内容と効果について、です。

地域応援キャンペーン事業は、第1弾が2020年(R2年)12月の1カ月間で、予算は1億5千万円、第2弾が来月、2023年7月18日~7月31日の2週間実施され、予算は9400万円です。これに続く第3弾が今回の議案です。
そこでまず、事業内容について伺います。

答弁1( 新型コロナ感染症の影響や、原油価格や物価高騰の影響を受けている家計を支援するため、地域経済の活性化を図るもの。市内店舗での支払いにキャッシュレス決済を利用すると20%分のポイントが付与される。1回の上限が1,000円分で、期間中のポイント付与限度は3,000円分。 )

<質問2>
キャッシュレス決済を利用した売り上げで、ポイント付与は1回の上限が1000円分で、期間中の限度額は3000円なので、3回まで利用できると理解しました。また、第3弾も、第2弾と同様の設計だと理解しました。

私は今年3月の令和5年第1回定例会の議案に対する質疑において、地域応援キャンペーン事業の第2弾に対する同様の質疑を行いました。あわせて、コロナ禍で、中小商工業者を応援する施策も求めました。

そこで、お聞きします。今回のキャンペーン事業の効果をどのように見込んでいるのでしょうか。

答弁2( 物価高騰の影響を受けている家庭の支援、市内店舗での消費促進、さらにキャッシュレス決済を取り入れる店舗の増加などに寄与できる。仮にキャッシュバック付与額の総額を1億円とすれば、市内店舗での売上額は5億円と見込まれる。 )

<質問3>

ポイント付与の総額が1億円とすれば、市内店舗の売上額は5億円と見込んでいるとの答弁でした。ポイントが20%ですから、逆にいえば売上総額は5倍以上です。確かに第1弾の時でも、キャッシュバックが約3千万円、売上総額は1億7,500万円余りでしたので、5倍以上の効果があるといえます。

今回の事業の財源は、地方創生臨時交付金が約8360万円、一般財政から約5730万円の合計1億4100万円で、第2弾の約1.5倍です。

そこでお尋ねします。近隣市で、予算額を超過する利用があったと聞いていますが、予算規模は大丈夫なのでしょうか、伺います。

答弁3( 近隣他市の同様事業の実施状況と併せまして、複数者から参考見積りを取るなどして予算額を決定した。7月に実施するキャンペーン事業の実績なども考慮して、新たに設計の上、実施してまいりたい )

<質問4(まとめ・要望)>
新型コロナ感染症の扱いが「5類」に変更された下での取り組みです。また、7月の第2弾の経験を活かして、必要ならば軌道修正もして第3弾の地域応援キャンペーン事業を迎えてください。
新型コロナ感染症の影響に加え、原油価格や物価高騰の影響は、まだまだ続いていますので、家計の応援と地域経済の活性化という目的が達成されるようお願いします。議案に対する質疑は以上です。

それでは以下、一般質問に入ります。
③整理番号24。防災、2023(令和5)年6月2日の豪雨時の災害対応について、質問いたします。
改めまして、去る6月2日の豪雨被害にあわれた皆様に対しまして、お見舞い申しあげます。
私は、冒頭述べたように、今回の豪雨災害への対応を検証し、今後に生かす立場で質問いたします。

6月2日は、前日の予報通り午前中から激しく雨が降り、災害の危険が指摘されていたため、自宅待機していました。議会事務局から10時25分、土砂災害警戒情報が発表されて警戒レベル4となり、警戒本部の設置や避難所開設の準備をしていることなどが伝えられました。私が、情報収集やお年寄りへの注意喚起などを始めたのは、スマートホンの警報情報が、きっかけでした。その後、雨が少し弱まった15時から「柏原市総合防災マップ」を手に、国分寺大橋近くの大和川や、土砂災害警戒区域、原川と石川、避難所の玉手中学校など、2017年10月の台風被害のあった地域を中心に見て回り、また住民の声を聴きました。

※補助資料をご覧ください。資料❶は大和川と原川が合流する付近の、右の豪雨時と左の平常時を比べた写真です。堺大和高田線の橋が浸かりかけ、堤防の上まで水が来ていることがわかります。資料❷は、大和川の国分寺大橋と上流の王寺町方面の濁流の写真です。次の資料❸は同じ場所で5月27日に写したもので、水量の多さが実感できると思います。

そこでお聞きします。6月2日の豪雨時に、どのような災害対応をされたのか、伺います。

答弁1( 2日午前中に大雨警報(土砂災害・浸水害)、洪水警報が発表され、その後、土砂災害警戒情報及び大和川氾濫警戒情報が発表されたため、12時35分に市内全域に避難指示を発令し、避難を呼びかけるとともに、市内29か所の指定緊急避難場所を開設した。 )

<質問2>
土砂災害と浸水害ふくむ大雨警報、ならびに洪水警報を発表したのが12:00の高齢者等避難、すなわち「警戒レベル3」にあたると思います。その後12:35に市内全域に「レベル4」の避難指示を発令し、避難を呼びかけたとのことでした。

避難情報を知った高齢者の方などから、「土砂災害警報と洪水警報が発令されている場合は、どこに避難したらいいのか」との声がありました。

例えば、大和川と石川に近い、玉手町や石川町、円明町などの人は、土砂災害対応の避難所は玉手中学校、洪水対応の避難所は玉手小学校となりますが、どちらに避難するのかと迷っておられました。

そこでお聞きします。今回のような場合、土砂災害対応の避難所と洪水対応の避難所が開設されましたが、避難する場所はどのように判断したらよいのでしょうか。

答弁2( 避難する場所につきましては、まず、お住まいの地域が土砂災害警戒区域や洪水浸水想定区域に入っているかどうかにより、避難する場所を特定する。また、お住まいの地域の災害リスクの有無については、先日配布した柏原市総合防災マップで確認し、分かりにくい時は危機管理課に問い合わせを。 )

<質問3>
住んでいる地域によって避難場所を特定する。土砂災害警戒区域の住人は低い所の避難所へ。逆に、水に浸かる危険性のある地域の住人は高い避難所へ。ということでした。避難場所を判断するのはなかなか大変だと思います。災害の発生当日、危機管理課に相談するとなると大変な混雑が予想されます。やはり早くから、日頃から、どこへ避難するのかなど、行動を決めておく必要性を感じます。

あの日、こんな声もありました。大和川から数十メートルの片山町在住の方は「台風の時は消防車が大和川のそばに待機していた。今回待機していないから大丈夫だろう」と。また「大和川が危ない」と言いながら、川に近づいている人もいました。これが「正常性バイアス」の現れです。

「正常性バイアス」とは、危険な状況であっても、ちょっとした変化なら「日常のこと」として処理してしまう人間心理の事をいいます。これは神戸市のR4年3月発行の「くらしの防災ガイド」に記されています。このことから、広報活動や避難誘導のあり方が問われていると感じます。

そこでお聞きします。高齢者から「足が悪く避難所まで行くのも大変」との声がありました。高齢者や足などの不自由な方の避難は、どのように考えておられますか。

答弁3( 自ら避難できる状態であれば、親族もしくは隣近所の人と一緒に避難してもらい、介護タクシーの利用など提案し、避難を促している。また、自ら避難することが困難な避難行動要支援者は、個別避難計画等に基づいて、関係者による支援を得ながら避難行動を取っていただく。個別避難計画については福祉部局と連携して作成作業を進めている。 )

<質問4>
避難行動をあらかじめ決めておく。避難する際の支援者を決めておく。「個別避難計画」をつくって行動する、との答弁でした。

あの日、施設利用者を自宅に送っていた介護施設の職員さんから、「利用者でも在宅している場合には、民生委員さんや地域の人にお願いすることになる」と聞きました。高齢者や障害者などの「要支援者」について、対応の強化が必要だと感じました。

ここで、大阪市住之江区の広報「さざんか」6月1日号を紹介します。避難の際は、自分の身は自分で守る「自助」、自分たちの町は自分たちで守る「共助」、公的な援助の「公助」の組み合わせと言われます。大阪市はこれに加えて「自助」と「共助」の間に「近助(キンジョ)」、つまり近隣の人同士での協力を推進しています。

さて、あの日、情報収集するなかで気が付いたことがあります。
※補助資料④をご覧ください。右の写真は6月2日14時20分時点の、国分寺大橋下流の水位を示した写真です。大和川の流れは紫色、警戒レベル4ですが、旧青谷グランド周辺は0.7メートル溢れて黒色、命の危険があるレベル5となっています。資料⑤の右のグラフでは、11時40分ごろから約30分で紫色のレベル4へ、さらに約30分後の13時30分頃には黒色、レベル5となり、以後20時頃まで溢れている状態が続きました。

そこで伺います。大和川の水位について、国土交通省の「川の防災情報」によれば、国分寺大橋近くの河川カメラの情報では「氾濫発生」の黒色になっていたのですが、市の情報と違いが見られたがなぜなのか、お聞きします。

答弁4( 大和川周辺には、河川の水位が簡易に確認できるライブカメラを設置している。国土交通省で設置しており、そのポイントの水位情報が出ている。市が発令する大和川の洪水に関する避難情報は、大和川河川事務所前の河内橋中央に設置している、柏原観測所の水位を基準としており、同観測所の水位基準は大阪府下の大和川流域に属する全ての市の基準となっている。 )

<質問5(まとめ・要望)>
基準となる観測場所だけで判断せず、総合的に判断すべきではないでしょうか。「総合防災マップ」にも「警戒レベル・避難情報は、気象状況や市内の被害状況等を総合的に判断して市が発令します」と書いてあります。総合的な判断をしつつ、地域の特性などを考慮して、弾力的かつ先手をうつ運用など研究されるよう、要望します。

検討課題は他にもあります。
「防災行政無線は使われたのか?」「消防車や市の車でお知らせしていたのか?」などの声が多数ありました。私は当日、至急コールしましたが、防災行政無線の情報はなく、活用されていませんでした。緊急時のための防災行政無線ですし、広報車を出して市民に避難誘導を強めていただくよう要望します。特に「正常性バイアス」を乗り越えるには広報は欠かせません。

また、学校は、早くから休校の判断をすべきではなかったのかとの声が聞かれた。台風2号の影響は早くから警戒されており、JR線のみ計画的運休を実施しました。全国の経験で問われるのは、災害の被害が出た時に「判断をいつ、どのようにしたのか」です。今回の豪雨災害で、柏原市では幸いにも、人的被害がありませんでしたので、前向きな検証をお願いします。

最後に、今回の豪雨災害から、改善すべき対応や必要な対応が見えてきたと考えます。梅雨はまだ続きますし、台風シーズンは始まったばかりです。先日の経験や教訓をすぐに活かしていただきたいと切に望みます。


続きまして、6月2日の豪雨災害の関連する質問です。
④整理番号25、「柏原市総合防災マップ」の活用等について、質問します。今回の豪雨災害が、「総合防災マップ」を検証する最初のケースとなると考えます。まだまだ周知も十分ではないと思いますが、活用などどうだったのか、伺います。

答弁1( 柏原市総合防災マップは、大阪府が石川と原川に関する浸水想定区域図を新たに公表されたことに伴い、改訂した。この改訂に合わせて、これまで別冊子で発行していた内水やため池などの災害リスクも、この1冊で確認できるようまとめた。今後「地域自主防災訓練」なども、総合防災マップを使用して、お住まいの地域の災害リスクを確認してもらい、避難経路や適切な避難先の特定など、速やかに避難行動が行えるよう周知啓発していく。 )

<質問2>
要支援者、つまりお年寄りやなんらかの理由で避難の際に援助が必要な方への対応はこれからという答弁でした。

それでは、在住の外国人の方への対応についてお聞きします。「総合防災マップ」の外国語版の作成など、考えておられるのでしょうか。

答弁2( 外国語版の総合防災マップの作成は、本市に在住する外国人の状況も踏まえて対応しなければいけない。次回の改訂の折には、本市の在住状況や近隣市の対応も踏まえた上で検討していく。 )

<質問3(まとめ・要望)>
「柏原市総合防災マップ」はどの程度届いているのか。町会を通じて配布しているので、町内会に入っていない人、自治会に入っておられない人には届いていない。ぜひ市内すべての世帯に配布してください。在住の外国人にも緊急時の対応が伝わるような対策と体制づくりをお願いいたします。
先ほどの大阪市住之江区の広報では、「大阪市防災アプリ」を作成し、インターネットが利用できない状態でも使用できるし、外国人向けにも対応していることが紹介されています。
最後に、今回の経験から、活用の仕方などを検証し、必要な改善をお願いします。

次の質問事項に移ります。
整理番号26、マイナンバーカード。マイナンバーカードの問題点が全国で噴出しているが、柏原市での現状とその対応について、です。

マイナンバー制度を一部改定する法案が5月31日、国会で可決しました。ところが、法案の審議を前後して、全国で問題が噴出しています。6月1日時点で、マイナ保険証に別人情報の紐づけが全国7,312件、マイナポイントを誤って別人に付与が全国113件、家族口座の紐づけが全国約13万件など枚挙にいとまがありません。

その発端は、情報通信会社が3月下旬、システムの不具合により証明書を誤交付し、個人情報を流出させたことです。これに対してデジタル大臣から全国的な調査が始まりました。

そこでお聞きします。柏原市でも実施されているコンビニ交付について、現状とその対応について伺います。

答弁1( 本年4月以降、複数の自治体でコンビニ交付サービスによる証明書の誤交付が発生。本市が利用するコンビニ証明発行システムは、報道のような事業者のシステムではなく、誤交付の事案は発生していない。また、委託事業者によってシステムの調査・点検が行われ、本市が利用するシステムでは誤交付を防止するチェック機能があり、同様の事象が発生しないことを確認した。 )

<質問2>
柏原市では、委託業者のシステムが違うため、誤交付を防止するチェック機能があること。問題は発生していないと確認しました。

それでは、コンビニ交付以外にも、マイナンバーカードに関連するニュースが連日報道されていますが、市民の方から相談や疑問が寄せられた時は、どのような対応をされているのか、伺います。

答弁2( 相談内容によって窓口が異なるが、マイナンバーカード自体の有効性の確認は市民課で、保険証や公金受取口座の登録状況などはマイナンバー関連の支援窓口がそれぞれ対応している。市での対応が困難な案件は、マイナンバーカードやマイナンバー制度全般のお問合せ窓口として、総務省が開設しているマイナンバー総合フリーダイヤルをご案内している。 )

質問3(まとめ・要望)
相談内容によるが、窓口でそれぞれ対応しているとのことでした。担当課や職員のみなさんは、政府によって現場対応に苦慮されていると思います。

神奈川県では、ひも付け登録の誤りが後を絶たないため、自治体の独自判断で、給付金を支給する時のマイナンバー利用を停止するケースが相次いでいる、報道されています。
日本共産党は国会で、いま起きているトラブルは、マイナンバーの根本的な問題であることを指摘し、デジタル庁や総務省、厚生労働省などは、現場に不信と負担を押し付けており、立ち止まって検証することを求めています。

柏原市は、引き続き住民の不安や疑問に応えるとともに、マイナカードの返納希望者への対応、場合によっては独自の運用停止など対策を取られるよう、要望します。また、市として、マイナカードの強制をやめるよう、国に要望してください。

それでは私の最後の質問です。
整理番号27、大阪広域水道企業団との統合に関する議案が、和泉市議会において否決されたことに伴う、今後の本市の対応について質問します。

2024年4月に水道企業団への統合協議を進めていた7団体、すなわち岸和田市、八尾市、富田林市、和泉市、柏原市、高石市、東大阪市の、各3月市議会で議案が審議されました。柏原市議会で、日本共産党は反対しましたが、賛成多数で可決しました。その翌日3月24日、和泉市議会で統合案が否決されました。

そこで、柏原市は今後どのように対応されるのか、伺います。

答弁( 令和6年4月の柏原市を含む7団体の水道事業と大阪広域水道企業団の統合に向けて、令和5年第1回定例会で、議案第11号 大阪広域水道企業団の共同処理する事務の変更及びこれに伴う大阪広域水道企業団規約の変更に関する協議についてをご提案させていただき、柏原市議会で、ご審議の上、賛成多数で原案を可決した。
 しかし、和泉市議会で当該議案が否決され、7団体での統合は不成立に。不成立となった後、和泉市を除く6団体と企業団で協議を重ね、令和7年4月の統合に向けて、改めて検討協議を進めることとしております。
 そのため、市民の皆様、議員の皆様には、新たな検討協議の状況や統合素案の見直しなど、これまでと同じく丁寧に報告、説明・理解もえたいと考えている。 )

質問2(まとめ)
7団体での統合は「不成立」となり、和泉市をのぞく6団体で2025年4月の統合を目指すことを確認しました。

日本共産党は、市民の「命の水」、市民の財産「自己水」を守るため、引き続きがんばる決意です。

以上で私の個人質疑・質問をすべて終わります。ご清聴ありがとうございました。

2024年(R6)12月市議会・公共施設再編の補正予算への反対討論

2024年12月20日
 日本共産党柏原市会議員団の江村淳でございます。私は、議案第69号 令和6年度 柏原市一般会計補正予算(第7号)に反対の立場から討論をおこないます。

 最初に、公共施設等再編整備事業以外の補正予算には賛成の立場です。市民の暮らしや福祉に関わる大事な予算も含まれているからです。しかし、公共施設等再編整備事業は認めることはできません

 本会議質問や委員会質疑を通じて、(仮称)市民交流センターの施設整備工事11億2千万円と、室内遊び場施設整備業務委託料8千万円など、合計12億2千万円の補正予算の問題点が浮き彫りになってきました。とくに「市民の利便性の悪化」と「費用対効果」の2つの問題が明らかになりました。

▶サンヒルまでのアクセスの悪さが問題となりました。

 本会議では、安堂駅からサンヒルに向かう狭い道路や混雑する交差点の安全性について指摘がありました。委員会でも、地域の方が車を避けようとして転倒されたことがあったと言われました。利用者や住民の安全・安心が確保できるとは思えません。

▶送迎の中心をになう循環バスについて議論が集中しました。

 委員会では「循環バスについては検討中」とされ、その後、循環バスの終点をサンヒルにしたり、増便やルートの改定案などが示されました。子育て世代から、循環バスを、利用時間に合わせて増便などの要望が寄せられていました。しかし、子育て世代からは、「子どもを2人連れてベビーカーでのバス移動は不便だし大変」「小さい子供がいるので、騒いだり泣いたら迷惑がかかる」など「他の乗客に気をつかう」との意見が当初からあります。サンヒルに行くなら約6割が自家用車とのアンケート結果もあります。循環バスを増やしても「利便性の向上」には限界があると考えます。

▶子育て支援施設など、サンヒルより文化センターに複合化したほうがよかったのではないか、との意見もありました。

 本会議での意見でしたが、市民の望む場所や求められる機能・設備などを考えての発言です。日本共産党は、文化センターの場所に、複合化して生涯学習センターを建て替えることを要望してきました。私たちと同様の意見であり、文化センターの場所で複合施設にする方向こそ、市民の「利便性の向上」につながると考えます。

▶サンヒルを5億円で買って12億円で改修するのはどうか、との意見がありました。

 サンヒルは、「遊休施設」ではなく、役割が終わっているのではないでしょうか。昨年寄せられた市民意見を紹介します。
 「サンヒル柏原は、計画にあるように、もともと「健康保養センター(かんぽの宿)として建てられた宿泊施設」です。ですから、市の中心部から少し離れた眺望の良い高台に建設されています。地域の方、あるいは他地域の方が健康増進、保養のために、一時の安らぎを求めて利用する保養宿泊施設で、地域住民が日常的に利用するような施設ではありません。もちろん既存の施設、遊休施設(計画はサンヒル柏原のことをそう表現しています)を有効活用することはとても大切なことです。市の財政事情や人口動態等についてきちんと判断を下すことも重要です。しかし、今回の場合は、設置の目的が異なり、市の中心部から離れた高台にあるというサンヒル柏原の立地条件を無視し、本来備えていない公民館としての機能を発揮させようとするところに、根本的な矛盾があるのではないでしょうか。政府が異次元の少子化対策を打ち出そうと言うときに、こんなにも文化を、子どもたちを大切にしないような施策を打てば、人口減少、ことに若い世代の減少が加速されることが容易に想像されます。再考して下さい。」これは2023年4月~5月に寄せられた意見です。「費用対効果」に問題があると考えます。

▶子育て支援施設に8千万円もかける必要があるのでしょうか?

 検討されている「室内遊び場」は、授乳室やオムツ交換台、トイレ等を含めて約490㎡(20数㍍四方)で、子育て世代の意見を聞いて設備や機能を充実させるとされます。施設利用者アンケートなどを読み返してみると、確かに期待に応えようと努力されたのはわかります。しかし、施設や設備の規模が全然違います。子育て世代から名前が上がっている施設と比べると、1.7倍から数倍の広さです(奈良県桜井市の「ひみっこぱーく」は870平方メートル)。今年1月~2月の子育て施設利用者アンケートでは、「室内遊びなどは土日祝日も利用できるようにして欲しい」「子どもが走り回れるスペースを確保して欲しい」などが多数寄せられていました。日本共産党柏原市会議員団の市民アンケートにも、「子育て支援施設が遠い所にしかなく、行く気になれない不便すぎる。保健センターの場所、もっと駅前にするなど、車が無くても行きやすい所にして欲しい(手前の坂道も危ないと思う)。全員が車を持っている(乗れる)と思わずにまちづくりをして欲しい」などが子育て世代から寄せられています。要望からみて、広さや施設の内容、設備など、8千万円もかける必要があるのか疑問に感じます。

5つの視点から述べてきましたが、公共施設再編計画の根幹が問われていると考えます。

 基本計画の段階からの意見を紹介します。
 「公共施設の課題としてバリアフリー化、ユニバーサルデザイン化が必要であると挙げられています。ユニバーサルデザインとは施設だけの考え方だけではありません。それを実施できる立地条件こそが真に重要であると考えます。それゆえ目標とする暮らし続けるまちの中心地と言い難いサンヒル柏原に集約することは到底納得がいきません。このまま既定路線としてサンヒル柏原に機能移転がなされた場合、循環バスの充実を訴えていますが、一番必要とする子育て世代や高齢者等の弱者が、利用時に移転前以上の快適な利用ができるかどうお考えでしょうか。

 まさに、サンヒルの立地に由来する根本問題です。
 再編によって削減される施設の面積は3%です。今回の(仮称)市民交流センターの整備工事費の他に、さらに費用が発生する、上振れすること間違いありません。昨年12月の補正予算の時に、概算約16億9千万円で3%の削減で、費用対効果を問題にしました。これがいま、20億円以上かけて3%の削減となり、費用対効果の矛盾が広がっています

理由のないオアシスの廃止、公民館・図書館の廃止からリニューアルへの変更、サンヒルの延命など、「市民の利便性」や「費用対効果」からみて、公共施設再編計画の土台が崩れていると考えます。(仮称)市民交流センターの関連工事は中止するよう求めます。

以上をもって、議案第69号 令和6年度 柏原市一般会計補正予算(第7号)に反対の討論とします。

2024年(R6)12月市議会・水道広域化に伴う条例改正への反対討論

2024年12月20日

 日本共産党柏原市会議員団の江村淳でございます。
 議案第67号 柏原市下水道事業の設置等に関する条例の制定について、反対の立場で討論します。なお、議案第67号は、水道広域化に伴う下水道関係の条例改定、機構改革などをおこなう議案であり、議案第68号 柏原市水道事業の統合に伴う関係条例の整備に関する条例の制定について、は関連する議案ですので、まとめて討論します。

 日本共産党は、大阪広域水道企業団への統合、いわゆる水道広域化は、市民にとって水道事業が市民から離れるため、当初の統合計画以来、反対してきました。

 大阪広域水道企業団への統合は、2017年から2021年に府内14市町村が統合しました。2023年3月、7市の統合案が和泉市議会で「市民の財産を企業団に渡してよいのか」「水道料金を市で決定できず、水道の自治がなくなる」として否決されました。その翌年の2024年3月、東大阪市が「大阪市も堺市も当面統合しない」「水道の自治が奪われる」として否決しました。そのため、今年6月の議会で、残る八尾市・富田林市・岸和田市・高石市と柏原市の5市での統合が決まりました。

 この条例改正や機構改革によって、「柏原市水道」の看板が水道企業団の「柏原水道センター」に看板に付け替えられるだけはありません。また、水道と下水道に関係する条例から「水道」の文字が削られるだけでもありません。

 柏原市議会で予算や決算を審議し、そして、本会議や委員会で水道問題について、市民の皆さんの声を届けてきました。現在、柏原市議会から消防組合や環境事業組合、給食組合などの議会に複数の代表が選ばれています。これと違って、企業団議会にはたった1人しか代表を送り出せず、しかも毎年、出られるわけではありません

 来年、2025年度以降、この本会議場から、水道の担当部長がいなくなります。もちろん水道関連の質問、水道の予算・決算についての審議、チェックすることができなくなります。過去に、水道料金の値上げにつながる下水道料金の値上げ提案に対して、議会で議論して取り下げや修正するなど、市民を代表する柏原市議会の役割を果たしてきましたが、それが出来なくなります。市民から水道事業が遠のくということです。一方、東大阪市議会では12月19日、水道料金28%値上げ案が、建設水道委員会で維新のみの賛成で、自民党、公明党、れいわが反対して、否決されました。共産党は委員長のため採決参加せず。水道事業について市議会がチェックするのが、本来の姿ではないでしょうか。

 今回の議案は、水道事業を廃止すると言う、地方自治法にある「公の施設の廃止」に該当し、出席議員の3分2以上の同意を必要とする特別多数決であり、重要な議案です。また、柏原市まちづくり基本条例の第11条でも「市民の公共の用に供される施設の設置に係る基本計画等の策定およびその利用や運営に関する方針の策定またはそれらの変更」するには「市民参加の対象」として重要な位置づけがされています。確かに、水道の建物や施設などはそのまま企業団に引き継がれますが、柏原市から水道事業が廃止、なくなるという意味は非常に重要な変化です。

 柏原市の水道の7割以上は、市内の井戸から汲み上げる自己水です。市民にとって「宝の水」です。これが、企業団のものになります。近年の災害の多発、今年の能登半島地震や豪雨からわかるように、「命の水」であることは明らかです。

 企業団への統合の行きつく先は民営化です。
 水道事業を統合して広域化すれば、大企業は民営化でより金もうけがしやすくなります。市町村や企業団の直営であれば水道料金は水道事業だけに使われますが、民営化すれば水道料金は企業の役員報酬、株主配当にもまわされます。
 有機フッ素化合物などの水質悪化の対策に、コストがかかると判断されれば、自己水の廃止につながります。豊富で安価な自己水をやめ、単価の高い企業団水に切り替えるという事態にもなりかねません。水道料金の大幅な値上げとなり、住民サービスが低下する恐れがあります。
 民営化すれば市町村や企業団から専門職員がいなくなり、ノウハウも失われます。災害が起こっても自治体は住民の命と安全に責任が持てなくなります。

 大阪広域水道企業団への統合、水道広域化を完了させるこの議案は認めることができません。

 以上のことから、議案第67号 柏原市下水道事業の設置等に関する条例の制定について および 議案第68号 柏原市水道事業の統合に伴う関係条例の整備に関する条例の制定について、反対し討論とします。

2023年(R5)3月市議会 議案に対する代表質疑(6)/地域応援キャンペーン

「2023年3月市議会 議案に対する代表質疑」(6)=整理番号73を紹介します。

それでは最後の質問項目に入ります。

整理番号73、議案第19号 令和4年度柏原市一般会計補正予算(第12号)

歳出 (款)6商工費 (項)1商工費 (目)2商工振興費 地域応援キャンペーン事業委託料9400万円。キャッシュレス決済を利用するとポイントが付与される予定であるが、財源や経済効果等について伺う

まず、制度の概要について伺います。

答弁( 市内店舗での支払いにキャッシュレス決済を利用した場合に、20%分のポイントが付与されるキャンペーンを2週間実施。物価高騰による市民生活の底支えを目的として、市内の飲食、小売、サービス業などの店舗での消費も促進され、事業者支援につながるものと考えている。 )

質問2

キャッシュレス決済を利用すると20%分のポイントが還元されるキャンペーンが2週間とのことでした。

コロナ禍と物価高騰対策として、市民生活を支えることを目的としている割に、2週間という期間は短いように感じます。それでは、予算9400万円の財源についてお聞きします。

答弁( 令和2年12月も実施。近隣市の同様事業の実施状況を勘案し、参考見積りを複数社から取るなどして、補正予算額を9,400万円とした。財源は、新型コロナ臨時交付金の一部を充当する見込み。財政調整基金からの繰入金を計上する予定。 )

質問3(まとめ・要望)

予算額からみて約4億4千万円を見込んでいるとのことでした。他会派の質問で、前回の実施が1億円余りということでしたから、3倍近くになるかもしれません。しかし、前回のキャンペーンと違うのは、「登録店舗の大小は問わない」ということです。大規模店舗にかなり流れることもありうると懸念しています。

最後に、コロナ禍と物価高騰がまだまだ続きます。市民生活や市内業者の営業を支える施策を強めていただきますよう、お願い申しあげます。

以上で日本共産党を代表いたしましての、議案に対する質疑を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。

2023年(R5)3月市議会 議案に対する代表質疑(5)/水道広域化/出産育児一時金の増額について

今回は「2023年3月市議会 議案に対する代表質疑」(5)=整理番号71,72です。

整理番号71 議案第11号 大阪広域水道企業団の共同処理する事務の変更及びこれに伴う大阪広域水道企業団規約の変更に関する協議について。

令和6年4月、柏原市を含め7団体が大阪広域水道企業団に統合し、水道事業が柏原市から移行すれば、市民への影響等はどうなるのか伺う。

この規約変更の議案は、大阪広域水道企業団の規約を変更するだけ、つまり現在の規約に柏原市をふくめ7つの行政区名を追加するだけのように見えますが、それだけにとどまりません。2020年4月以後、「覚書」や「統合素案」として検討・協議してきた経営統合の内容を23年1月に「統合案」としました。今回の議案は、柏原市議会で「統合案」そのものが問われる最終段階です。

市会議員に初めて示された22年7月の全員協議会以後、日本共産党は、水道は〝命の水〟であり、憲法25条の生存権と公衆衛生という国の責任を指摘し、これを受けた水道法上の位置づけも示してきました。水道法第1条では「水道の布設及び管理を適正かつ合理的ならしめるとともに、水道の基盤を強化することによって、清浄にして豊富低廉な水の供給を図り、もつて公衆衛生の向上と生活環境の改善とに寄与すること」が目的とされています。

そこで改めて、水道事業の運営が柏原市から企業団へ移行した場合の、市民への影響がどのようになるのか伺います。

答弁( 名称は柏原市から大阪広域水道企業団へと変わる。統合に伴って水道に関する申請手続方法や水道料金の窓口などに変更はなく、新たな手続を行う必要もないので、水道利用者の方々には、安心して水道水を使用できる。 )

質問2

市民への影響は、手続きや窓口の変更がないだけではありません。

水道料金という形で直接影響します。「柏原市が企業団と統合した場合は、統合しない場合よりも将来の料金値上げを供給単価で1㎥当たり9円抑制できるなど、市民のみなさまにとってのメリットとなる」と説明されてこられました。ところが、詳細はどうでしょうか。統合すれば、現在の単価163円が、値上げを繰り返して、2060年(令和42年)には単価が324円になります。単独経営の場合でも333円です。統合による単価抑制効果を強調するために、現在と約40年後の単価を比較すれば、かえって水道料金が約2倍になることが浮き彫りとなってしまいます。先行して統合した自治体の中には、予測よりも早く料金値上げを実施した自治体もあります。

また、水道施設や水道管の維持修繕などは、ほんらい国が責任をもって行うべきことです。水道法第2条の2によれば、「国は、水道の基盤の強化に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、及びこれを推進するとともに、都道府県及び市町村並びに水道事業者及び水道用水供給事業者に対し、必要な技術的及び財政的な援助を行うよう努めなければならない」と書かれています。国が果たすべき技術的・財政的な援助についてハッキリと記されています。

ここで伺います。統合後の柏原で行われる水道事業の現状を、市民はどのように知ることができるのでしょうか。また、統合後に水道料金を改定することになった場合、柏原市はどのように関わることができるのか、伺います。

答弁( 水道料金の改定は、企業団議会にて、給水条例の改正議案の審議、議決が必要。企業団から市長、市議会、市民の皆様への説明があり、そこで意見聴取が行われる。料金改定に関する委員会で、料金改定率等を検討し、企業団運営協議会で協議の後、首長会議で審議される。料金改定の対象団体の首長から料金改定案を否決する意思表示があった場合は、出席者の3分の2以上の賛成が必要。現在のところ、料金改定の対象となる団体に優先的に企業団議会の議席が配分される。 )

質問3

料金改定の流れについて細かく説明され、何重にも市民の声が審議されるように言われました。最終的には企業団議会の多数決によって決まります。柏原市選出のたった1人の企業団議員の意見を、他市の議員がどれだけくみ取ってくれるでしょうか。異議があっても、多数決で押し切られることになりかねません。現在、水道企業会計は、柏原市議会議員16名でチェックしています。市民が直接チェックし、意見を述べることもできます。24年4月に水道企業会計が企業団に移行すれば、市民の意見が反映しにくくなるのは明らかではないでしょうか。

それでは、この間の水道企業団への統合協議の内容を、市民にお知らせすることについて、令和4年第4回定例会で、「広報や説明会を開くこと」を要望しましたが、どうなっているのか伺います。

答弁( 市のホームページに柏原市の水道の現状や水道事業統合における検討協議、大阪広域企業団との統合に向けた統合案等、最新で詳細な情報を随時掲載している。広報かしわらの令和5年1月号、2月号には、企業団との水道事業の統合を検討している前の記事を掲載。3月号は、水道事業の経営状況や統合のメリットとなる統合効果、それと統合後の水道料金の3つのポイントを掲載。市民に分かりやすく情報発信を行っている。 

質問4(まとめ・要望)

柏原市は、他市に比べて、市のホームページなどで頻繁に情報発信を行っている方だと思います。しかし、パブリックコメントや説明会など、市民と双方向で意見を聞くというところまでいっていないのではないでしょうか。水道は命の源泉です。命の水です。市民にとって大事な判断をする時です。市民に対して丁寧な対応を求めます。

最後に繰り返しますが、憲法や水道法などにもとづいて、国がほんらいの責任を果たすことが、柏原市の水道事業が抱えている問題を解決する道であると考えます。

続きは、総務産業委員会でおこないます。


次の、整理番号72に入ります。

議案第18号 柏原市国民健康保険条例の一部改正について。出産育児一時金が40万8千円から48万8千円へ増額されることについて

最初に、今回の条例改正の概要と、出産件数は何件と見込んでいるのか、教えてください。

答弁( 国が出産に係る被保険者の経済的負担を軽減するために、出産育児一時金の額を40万8,000円から48万8,000円に引き上げるもの。 なお、加算となる産科医療補償制度の掛金分1万2,000円と合わせて、出産育児一時金の総支給額は50万円。令和5年度の出産件数は60件を見込んでいる。 )

質問2

国が子育て応援のために条例を改正し、出産にかかる経済負担を軽減するためと理解しました。増額した一時金48万8千円と、掛け金1万2千円とで、合計50万円。60件の見込みとのことでした。

それでは、この出産育児一時金50万円の財源について、ご説明をお願いします。

答弁( 財源は、3分の2を一般会計からの繰入金で、残りの3分の1を保険料で賄う。ただし、令和5年度に限り、国から1件当たり5,000円の補助金あり。なお、一般会計からの繰入金は国から交付税措置される 

質問3(まとめ・要望)

出産育児一時金の増額は歓迎すべきことですが、改善点を指摘しておきます。

費用の一部を新たに後期高齢者医療制度に負担させる計画となっており、23年度に限り国費を計上し、保険者の財政状況に応じて財政支援を行います。

後期高齢者の保険料は、22年度と23年度の年額平均7万7700円から、25年度には9500円増の8万7200円へと引き上げられます。年収200万円の人は3900円の増額です。昨年10月、高齢者の窓口負担2倍化が強行されたばかりなのに、さらなる負担増が追い打ちをかけるもので、国に計画を撤回させることが求められます。また、交付税措置は「令和5年度に限り」とされ、出産育児一時金への国庫負担の継続も必要です。

以上の点を指摘しまして、この項目の質疑をおわります。

2023年(R5)3月市議会 議案に対する代表質疑(3)/中小業者への支援策について/プロジェクションマッピングについて

「2023(R5)年3月市議会での、議案に対する質疑」(3)=整理番号67,68です。

整理番号67、(款)6商工費 (項)1商工費 (目)2商工振興費 中小企業融資事業2800万円(予算書P205)。「昨年来、市内業者の経営が深刻になっており、中小業者への支援策を充実させる考えについて」伺います。

最初に制度や事業内容について、ご説明をお願いいたします。

答弁( 市が金融機関に預託金を預け、事業者は通常より有利な利率で融資を受けることができ、小規模企業の支援策として一定の役割を果たしている 

質問2

市が預託金を金融機関に預け入れることで金利の引下げなどを行い、市内で事業を営んでおられる小規模事業者が融資を受けやすいようにするためのものと理解しています。

私は、昨年R4の3月議会でも、この事業について質疑しました。その時に、「この制度は、大阪府の小規模企業サポート資金の制度をベースにしたもの」との答弁でした。令和2年度、3年度と利用者がなかったのは「新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業者向けの国の融資制度、実質無利子などの制度を利用されて融資を受けられたと考えている」との説明がありました。利用資格や融資条件を変えるなどの改善はできないのでしょうか。

次に伺います。引き続きコロナ禍と物価高騰、円安傾向は続くと予想されていますので、中小業者へ手を差し伸べるための施策は何か考えておられるのでしょうか。

答弁( 令和2年度以降、中小企業や飲食店、小売店等の事業者への支援を行ってきた。令和4年度は、物価高騰対策事業者支援事業や商品券事業など支援を行い、地域経済の活性化に取り組んできた。令和5年度は、夏頃に地域応援キャンペーン事業を実施する予定。今後も、新型コロナの影響や国の動向などを注視しながら必要な施策を講じる。 )

質問3(まとめ・要望)

新型コロナ対応地方創生臨時交付金を活用したり、財政調整基金を活用したりして、中小業者の固定費などを直接支える施策も進んでいます。

石川県小松市では、エネルギー価格の高騰で影響を受けている中小企業などを支援するために、電気代や燃料代の値上がり分に相当する電気代の半額を補助します。1事業所当たり30万円を上限に補助します。

経済産業省の予算では、二次補正に、中小業者への資金繰り支援などの予算を計上しています。コロナ関連融資の借り換えによる返済負担の軽減に加え、セーフティーネット貸付など、十分とは言えませんが盛り込まれています。柏原市も、こういう制度を活用すべきではないでしょうか。

苦しんでいる中小企業を応援するという点で、小手先の支援策でなく、あまねく支援できる、特効薬となるのが消費税の減税です。近年の物価高騰を考えると、消費税を5%にすべきです。柏原市として、国に対して消費税減税を求めるよう、要望いたします。

続きまして、整理番号68です。

地域にぎわい創造事業(予算書P205)。プロジェクションマッピング保守管理業務委託料128万7千円、並びに、プロジェクションマッピング運営業務委託料288万9千円。プロジェクションマッピング事業の今年度実施する内容等について伺います。

答弁( 保守管理料は、プロジェクターや筐体の保守点検、機器の監視や映像入れ替えなどの費用。また、運営業務委託料は、観覧の予約受付や現地の案内業務などを外部委託する費用。4月以降、投映回数の増を検討している。 )

質問2

保守管理業務に128万円。今回の予算で新たに追加したのが、運営業務委託料の約290万円ということでした。昨年3月の市議会で、プロジェクションマッピング事業を、新型コロナ対策交付金を使って導入することを審議した時に、ランニングコスト、つまり保守管理費用として約100万円、もし映像コンテンツを更新するとしたら約1千万円が必要との予測が示されていました。今年プロジェクションマッピングを稼働させるなかで、運営費用が新たに必要になってきたということでしょうか。

それでは、4月以降のプロジェクションマッピングの運用についてお聞きします。

答弁( 観覧者の評判は良く、メディアで取り上げられ、予約受付開始後すぐに埋まる。4月以降は、平日の観覧や、土曜日の集中投映日など、投映回数を増やす。また、キッチンカーの出店など環境整備に努める。 )

質問3(まとめ・要望)

複数のメディアにもとりあげられ、注目され、予約は順調に埋まっているようです。平日の投影も予定されているとのことでした。この間放映されたテレビ番組の中で、コメンテーターから「予約がいるのか…」と予約制であることを残念に思う発言も紹介されていました。さまざまな改善が必要です。

引き続き、総務産業委員会にて質疑いたします。

2023年(R5)3月市議会 議案に対する代表質疑(4)/国保料の全世帯値上げ/市立柏原病院の経営について

「2023(R5)年3月市議会での、議案に対する質疑」(4)=整理番号69,70を紹介します。

整理番号69、議案第2号 令和5年度柏原市国民健康保険事業特別会計(事業勘定)予算。歳入 (款)1国民健康保険料 (項)1国民健康保険料 (目)1一般被保険者国民健康保険料。令和5年度の国民健康保険料が全世帯値上げになることについて伺います。

令和5年度は全国の自治体のうち8割の国保料が値上げになるといわれています。いち早く2018年度(平成30年)に統一化に踏み出した大阪府も、23年までは激変緩和など経過措置があり、文字通りの完全統一は来年24年4月の予定です。柏原市もその最初の時から統一化に参加しています。いま、国民健康保険料の『駆け込み値上げ』、『値上げラッシュ』が起こっています。

具体的な例として、国がいう「モデルケース」、すなわち所得200万円で夫婦と子ども2人の世帯と、一番最低限の国保料を払っている方について、2022(R4)年度と23(R5)年度のそれぞれの保険料額とその差額を教えてください。

答弁( 所得200万円のモデルケースは、R4年度41.2万円、R5年度44.0万2万8126円の増額。 国民年金のみ受給の単身世帯の方(最低額の方)は、R4年度は2.4万円、R5年度2.6万円、1711円の増額。 

質問2

3年超すコロナ禍で疲弊し、先の見えない物価高騰や異常な円安のもとで、モデルケース世帯で2万8126円の増、減免世帯で1711円の負担増はあまりにも酷すぎます。2022年度の値上げは、モデルケース世帯では4千円余りで、今年度は約7倍という異常な値上げ幅です。

大東市(人口約11万7千人)では、23(R5)年度、国保料の市民への負担を減らすため、国保基金約7億6千万円のうち約3億円を取り崩して、国民健康保険料の引き下げをおこなうと聞いています。柏原市でもこういう努力が求められるのではないでしょうか。

それでは、この保険料を確保するための収納率について、最新の収納率を教えてください。

答弁( 最新となる令和3年度の収納率は、現年度分で94.57%、大阪府内23位、平均収納率の93.64%を上回っている。滞納繰越分の収納率は45.51%で府内第1位。 ) 

質問3

収納率の向上ばかりが強調され、特に来年春に統一料金をスタートするために、様々な条件悪化が駆け込みになっていないでしょうか? その弊害が滞納処分の大阪府内1位なのではないでしょうか? この点でも、駆け込みの収納率アップは許せません。

それでは、何らかの事情で納付困難な方については、どのような対応をされていますか

答弁( 滞納者には、機会あるごとに窓口や電話で納付相談を行い、督促状に始まり納付相談勧奨通知書、催告書等の送付により再三の相談勧奨や納付のお願いを行っている。 納付能力がありながら納付意識が低く、納付していただけない方には、差押えなどの滞納処分を行っている。 )

質問4(まとめ・要望)

滞納処分にいたる手続きや手立ては近隣の市でも同じはずなのに、最後は差し押さえまで行ってしまうことが残念です。行政の姿勢が表れているのではないでしょうか。不適切な滞納処分はやめるべきです。

そもそも、コロナ禍と物価高の中で、大阪府は統一前の「駆け込み値上げ」をすることが問題です。府内統一化のために、法定外繰り入れを認めないとか、市独自の減免制度が認められないなど、矛盾が噴き出しています。

いまこそ、国庫負担を下げてきた国のやり方を改める時です。全国知事会や全国市長会など地方6団体と国保関係9団体が2021年11月、制度改善強化全国大会を開きました。その大会で「市町村においては被保険者にこれ以上負担を求めることは極めて困難」と宣言されました。

また2014年、大阪府もふくめた全国知事会は、協会けんぽ並みの保険料負担まで引き下げるため、国保に1兆円の公費投入を求めましたが、いまだに実現していません。もし公費を1兆円投入すれば、平等割と均等割を廃止し、負担を大きく軽減することができます。柏原市は国に国庫負担の増額を求めてください。この項目の質疑は以上です。




次の、整理番号70に移ります。

議案第6号 令和5年度柏原市市立柏原病院事業会計予算。市立柏原病院の「コロナ後」を見越した対応や経営等について伺う。

最近、新型コロナウイルス感染症の感染者数の推移をみていましても、一時と比べてかなり落ち着いているようですし、重症化率もかなり下がっています。国・厚生労働省もコロナ後について言及しています。また先日、大阪府モデルでも、久しぶりの黄色信号から青信号となりました。

これまで、柏原病院では新型コロナ感染患者を積極的に受け入れて頂いておりましたが、まず、経営状況として令和3年度時点の決算と令和4年度の決算見込みについてお伺いします。

答弁( 令和3年度は黒字決算。しかし、医業収支は、新型コロナ患者を受入れ休棟としたため、医業損失となっている。令和4年度決算は黒字となる見込みであるが、医業収支は赤字の医業損失となる見込み。 )

質問2

現在、市立病院は新型コロナ対応を続けてこられて、黒字になっているとはいえ、医業収支は大変厳しいとの答弁でした。

そうは言っても、コロナウイルスが完全になくなるとは思われませんので、市民のためにもコロナ対応は続けて頂かなければなりません。

議案の提案説明などによりますと、地域包括ケア病棟の再開など述べられていましたが、市立病院の令和5年度予算で、コロナ後を見越した病院の経営上の対応について、お尋ねします。

答弁2( 5月8日以降、5類感染症に位置づけられる。令和5年度の新型コロナ対応は見定めていきたい。病床確保など医療提供体制の構築と、地域包括ケア病棟の再開などを検討している。 )

質問3

この間、大阪府の病床運用方針に沿って、コロナ感染状況にあわせて、感染者数の増加にあわせて病床を増やし、また、感染数が減少すれば病床も減らすなど対応してこられました。新興感染症対応には、一定の配慮をしつつ、これまでの医療状況を確認しながら、再開されると受け止めました。病院の運営方針については理解しました。

それでは、令和5年度予算を踏まえて今後の事業の方向について伺います。

答弁3( 新型コロナ感染者の受入れ病床の維持・確保の補助金(空床保障)により、収支を安定できた。材料費、光熱水費、食材費などの高騰で、病院経営はコロナ禍以前よりも厳しい。コロナ収束後の病院に及ぼす影響、変化の予測は難しい状況。新規患者さんの獲得や病床稼働率の向上を積極的に進める。 )

質問4(まとめ・要望)

先が見通せない中で、非常に厳しい事業環境にあると思います。しかし、新型コロナ感染症が終息するとも予想しがたく、また、新たな感染症が拡大する可能性もあります。

大阪府の新型コロナで亡くなる方は全国最多となっています。

大阪府が第1波~第7波の課題を総括し昨年12月27日に報告書を発表しました。この報告書によれば、47都道府県のなかで最多の死者数となっていることについて、第6波以降、「医療機関や高齢者施設におけるクラスターの発生などで、70代以上の陽性者が多発したこと」要因の一つと分析しています。これは全く総括になっていません。3年間のコロナ対応を教訓にして、保健所と保健師を増やし、医療を充実させる方へ方向転換すべきです。

市立柏原病院は、コロナ禍で発揮された地域の基幹病院としての役割を一層発揮し、市民のみなさんが安心して受診できるよう、体制を維持していただきますようお願いいたします。

2023年(R5)3月市議会 議案に対する代表質疑(2)/マイナンバーカード/インフルエンザワクチン接種

今回は、「2023(R5)年3月市議会での、議案に対する質疑」(2)=整理番号65,66を紹介します。

整理番号65、(目)9情報管理費 マイナンバーカード普及促進事業280万1千円(予算書P105)。マイナンバーカードの柏原市での取得状況とマイナンバーカードの問題点等について伺う、が質疑項目です。

昨年来、政府の方針で、マイナンバーカードの申請期限や、マイナポイントの申請期限が、延長に次ぐ延長となり、昨年末やこの2月末など市役所のマイナンバー特設窓口が混雑・混乱しました。

そこで、伺います。柏原でのマイナンバー取得率はどのくらいでしょうか? また、マイナンバー普及促進事業の内容について、お聞きします。

答弁1( 交付率は令和5年2月末時点で65.4%。普及促進事業は、マイナンバーカード取得者への申込支援とマイナポイント受領者への申込支援を行っている。マイナポイントの申込期限の延長にともなって、支援窓口も5月末まで延長する。 )

質問2

取得率は柏原市では2月末で65.4%であり、この予算は5月末まで支援窓口を設置する費用と確認しました。全国的な取得率は2月末で人口比74.8%と報道され、政府はマイナンバーカードの取得率の向上に躍起となっています。デジタル田園都市国家構想交付金の応募要件にマイナ・カードの申請率が全国平均以上とする仕組みを盛り込み、自治体が特定の政策を推進せざるを得ない状況をつくりだしています。

マイナンバーカードの保険証利用、いわゆる「マイナ保険証」の強制もおこなわれています。政府は2024年、紙の保険証が原則廃止されることを受け、「マイナ保険証」を持たない人のために「資格確認書」を無料で発行し、保険診療を受けられることなどを盛り込んだマイナンバー法の改正案を3月7日、閣議決定しました。「資格確認書」は更新が可能ですが、有効期間は最長一年に限定されます。23年4月~12月の期間、従来の保険証を使った場合の窓口負担は6円追加して18円となります。マイナ・カードを使えば6円に据え置かれます。この他、主に高齢者の登録促進を狙って、年金の受け取り口座など、行政機関が把握済みの住民の口座を、公金受取口座として登録する制度を設けようとしています。

また、こんな事例も起こっています。岡山県備前市は2022年度、小・中学校の給食費や学用品費を無料にしています。23年度は有償になりますが、児童・生徒の世帯全員がマイナンバーカードを取得した場合に限って無料にしようとしています。また、こども園・保育園の保育料や給食費も、カードを取得した場合に限って無料にしようとしています。備前市は子育て支援に力を入れるとともに、1月末時点で72.9%というカードの交付率をさらに上げようとしています。こういう問題が数々起こっています。

そこでお聞きします。柏原市はマイナンバーカードの利活用について、どのように考えているのか伺います。

答弁2( 個人向けサイト、マイナポータルからスマートフォンやインターネット等で保育所や児童手当などの子育て関連や介護関連などの手続をワンストップで申請できるサービス、行政手続のオンライン化を進めている。また、機械に慣れるよう案内に努めている。)

質問3(まとめ・要望)

任意のはずのマイナ・カード取得の有無で差別するなど、憲法の「法の下の平等」の原則にも反する大問題となります。2月22日、東京都内の医師や歯科医師約270人がマイナ保険証の義務化は憲法違反として、国に義務化の撤回を求める訴えを東京地裁に起こしています。

国民の生命と健康を守ることは政府の最優先の責務であり、カードの普及のために保険証を使うことは本末転倒です。マイナンバーカードの取得を強制することは許されません。

いま、世界各国で、マイナンバー制度が廃案または廃止の方向に進んでいます。ドイツでは人格権の侵害として違憲判決が下り廃案。ハンガリーでも意見判決。フランスではナチス占領下の番号制度に抵抗して以来導入せず。イギリスでは試験運用を始めて1年後に廃止。オーストラリアでは国民の猛反対で廃案。イタリアは制度なし。アメリカ、カナダは任意となっています。

柏原市として、マイナンバーカードの「強制やめよ」の声をあげるべきです。

以上でこの質問を終わります。

整理番号66、(款)4衛生費 (項)1保健衛生費 (目)2予防費 予防接種事業で、インフルエンザワクチン接種の周知を促進するため、通信運搬費124万3千円を積極的に活用することについて(予算書P173)。

昨年来、新型コロナととともに、インフルエンザの同時流行が懸念されてきて、昨年12月議会でも、同時接種のための補正予算が組まれました。私はその審議の際にも、予防接種の対象や周知方法などについてお聞きしました。こうした経過のなかで、当初予算として通信運搬費の124万円が組まれたと考えます。

まず、予防接種事業の内容について伺います。

答弁1( 予防接種は、65歳以上の方と60歳以上65歳未満の方で重い内部疾患をお持ちの方を対象に、令和5年10月から令和6年1月までの間に1回接種することを予定している。生活保護世帯及び住民税非課税世帯の方は無償、それ以外の方は1,500円の自己負担。今回の通信運搬費には、無償となる方への無償クーポンはがきの郵送費を計上している。 )

質問2

当初予算で計上されたのは、従来から接種対象となっている7700人に、無償クーポンはがきを郵送する。また、通信運搬費124万円のうち、無償クーポンはがきの郵送料は約3分の1の、44万円とのことでした。R4年度の当初予算では通信運搬費は68万3千円でしたので、約2倍となっています。改めて、予算を計上していただいたことに感謝いたします。

そこで、無償クーポンはがきを送付することに至った経緯について伺います。

答弁2( これまで、無償の対象者には、市役所本庁や保健センターオアシス、国分出張所で申請手続を行っていた。しかし令和2年度と令和4年度に新型コロナ感染症との同時流行を防ぐため、高齢者などへ無償クーポンを郵送し、1年ごとに手続の方法を変更する状況が生じ、今後も感染状況によって、同様に無償クーポンを郵送することも見込まれるため。)

質問3(まとめ・要望)

無償クーポンはがきを郵送するのとしないのとでは、接種率に大きな差がでます。

2019年度(令和元年度)の一般会計決算を不認定とした日本共産党の橋本議員の討論を紹介します。「第2の理由は、高齢者インフルエンザに係る個別通知はがきの費用を廃止されました。135万円です。一昨年度、予算を計上しておきながら、突然はがきを郵送しなかったことから、『なぜ中止したのか』との苦情が多く寄せられました。はがきで通知しなかったことで、住民税非課税の方のインフルエンザ予防接種を受けた数が4,610人から3,528人へと1,082人も減少し、接種率が63.7%から47.7%に大幅に下がってしまいました。そして、令和元年度はさらに接種率が下がり46.2%となってしまいました」。以上が令和元年度の一般会計決算の不認定討論です。はがきで通知することの重要性は現在も明らかだと思います。改めて、令和5年度の通信運搬費を増額していただいたことを評価いたします。あわせて、令和元年度や4年度の経験などを生かして、無償クーポンはがきの郵送を行い、接種率を高めるため、引き続く努力をお願いします。

さらに、はがきの郵送について「令和5年度は…」と限定されているようですが、来年6年度以後も、継続してハガキを郵送されるよう、また予算計上されるよう要望いたします。

この質問は以上です。

→議案質疑(3)へ続く

2023年(R5)3月市議会 議案に対する代表質疑(1)/冒頭発言/公共交通の充実

一年の予算を決める大事な3月市議会(2月16日~3月23日)が行われ、私が昨年に続き、日本共産党を代表しておこなった「2023(R5)年3月市議会での、議案に対する質疑」(3月10日)を紹介します。

<冒頭発言>
みなさんおはようございます。日本共産党の江村淳でございます。日本共産党柏原市会議員団を代表いたしまして、令和5年第1回定例会におきまして、議案に対する質疑をさせていただきます。

その前に、今議会での議案にも大きくかかわる、国の2023年度予算について述べさせていただきます。

岸田内閣の23年度予算の最大の特徴は、軍事費を5年間で43兆円も増やす最初の年としていることです。安倍政権以来、軍事費は毎年増やされ、さらに補正予算でも多額の追加がなされてきたのと比べても、桁違い、まさに異次元の大軍拡です。歴史上初めて軍事費に建設国債が充当され、増大する軍事費をまかなうため、大増税が押し付けられようとしています。また、このような軍事費の異常な突出のあおりを受けて、社会保障や暮らし・営業の予算は削減されるか、または物価上昇にも足らないわずかな伸びに抑えられています。結果として予算案は、いま国民を苦しめている物価高騰などの問題に、まったく無為無策の予算案となっています。1月21日に総務省が発表した22年12月の全国の消費者物価指数は、前年同月比で4.0%増という高い上昇率となり、41年ぶりの歴史的な物価高となりました。22年には食品の値上げが2万6千品目近く、23年も4月までに1万品目を超える値上げが予定されているといいます。歴史的な物価高騰の原因は、ロシアのウクライナ侵攻による石油や小麦価格の値上がりもあります。しかし、日本の場合には、アベノミクス以来の超低金利政策が、依然として続けられていることによる円安の影響が大きくなっています。岸田内閣が進めようとしている大軍拡は、日本の平和も、国民の暮らしも、そして財政にとっても、重大な危機をもたらすものです。

日本共産党は、大軍拡・大増税の政治から、国民・市民の平和と命、くらしと営業を守る政治に変えるため、今議会におきましても頑張ります。

それでは議案に対する質疑に入ります。

整理番号64、議案第1号 令和5年度柏原市一般会計予算

歳出(款)2総務費 (項)1総務管理費 (目)4財産管理費 市内循環バス運行管理費4089万4千円(予算書P91)。質問項目は「市内循環バスをはじめ公共交通の充実をどう図っていくのか、今年度の取組について伺う」です。

昨年2022年(R4)、市内循環バスの位置情報を知らせるバスロケーションシステムの導入を行い、今年2月に運用を開始したと報道されたところです。また、人工知能AIを使ったバスの利用データの分析に昨年10月から着手すると、昨年の9月市議会でも聞いていました。

市内循環バスを軸とした地域の公共交通を充実させる取り組みを、23(R5)年度もさらに進められると思いますが、どのように考えておられるのでしょうか、お伺いします。

答弁( 利用者がバスの走行位置情報を確認できるバスロケーションシステムを導入し、令和5年1月25日より運行を開始。バス車内に設置したAIカメラで市内循環バスのデータ収集を行ってきた。令和5年度から令和6年度の2か年で、公共交通に精通した専門コンサルタントへの検討を委託する )

質問2

市内循環バスから得られたデータをもとに、R5年度から2年間かけて、柏原市での将来の公共交通のあり方について検討されることを確認いたしました。また、他の自治体の交通手法を参考にして、柏原市に適した公共交通を検討するとのことですので、さらなる努力に期待します。

ここで、大阪市のオンデマンドバスの取組を紹介したいと思います。

大阪市では、AIオンデマンド交通の社会実験を、大阪メトロや民間企業の力を借りて、2022年4月から、生野区と平野区に加え、北区と福島区で社会実験を行っています。この2月には2週間にわたって満60歳以上の高齢者を対象に、無料のお試しキャンペーンも実施されました。

AIオンデマンド交通は、既定の経路や時刻表がない予約型のバスで、利用者の予約に対しAIによる最適な運行ルート、配車をリアルタイムに行う乗合輸送サービスです。料金は場所や事業者によって違いますが、大人300円、小児150円または大人210円、小児110円となっています。

大阪市のホームページでは「引き続き、今後の人口減少や高齢化の進展などにより地域交通をめぐる環境の変化が見込まれることから、将来にわたって持続可能な移動手段を確保するため、AIオンデマンド交通といった新しい交通手段の社会実験に取り組みます」と掲載されています。

さて、ここでお聞きします。先ほどの答弁で、地域住民の方々のニーズを把握するため、アンケートやヒアリング等をおこなうと述べられました。注目して聞きましたが、これは非常に重要だと思います。具体的には、どのような方法でニーズ把握をされるのか、伺います。

答弁( 自治会や町会等への地域に出向いてのヒアリングや意見交換、市内循環バス利用者に対する個別アンケートなどを考えている )

質問3(まとめ・要望)

ヒアリングや意見交換など、「地域に出向いておこなう」とのことで、直接市民や利用者の声を聴いて生かしていただきたいと思います。アンケートもなるべく広く集めていただきたいと思います。

あわせて、この間繰り返し要望しておりますが、地域公共交通の柱として、市内循環バスの充実、なかでも土曜日・日曜日の運行を求めます。現在、循環バスを運行していない地域では、本郷地域や雁多尾畑地域など、先ほど紹介しましたオンデマンドバスなどを活用するよう求めます。また、重度障害者のタクシー利用者に補助しているような、高齢者へのタクシー割引券の発行など、さまざま組み合わせていただき、地域住民の足を充実させるよう、要望します。

→以下、議案質疑(2)に続く