柏原市水道廃止の反対討論
江村じゅん議員が行った反対討論を紹介します。
採決の結果は、日本共産党以外の議員の賛成で可決されました。
日本共産党柏原市会議員団の江村淳でございます。
議案第67号 柏原市下水道事業の設置等に関する条例の制定について、反対の立場で討論します。
なお、議案第67号は、水道広域化に伴う下水道関係の条例改定、機構改革などをおこなう議案であり、議案第68号 柏原市水道事業の統合に伴う関係条例の整備に関する条例の制定について、は関連する議案ですので、まとめて討論します。
日本共産党は、大阪広域水道企業団への統合、いわゆる水道広域化は、市民にとって水道事業が市民から離れるため、当初の統合計画以来、反対してきました。
大阪広域水道企業団への統合は、2017年から2021年に府内14市町村が統合しました。2023年3月、7市の統合案が和泉市議会で「市民の財産を企業団に渡してよいのか」「水道料金を市で決定できず、水道の自治がなくなる」として否決されました。
その翌年の2024年3月、東大阪市が「大阪市も堺市も当面統合しない」「水道の自治が奪われる」として否決しました。
そのため、今年6月の議会で、残る八尾市・富田林市・岸和田市・高石市と柏原市の5市での統合が決まりました。
この条例改正や機構改革によって、「柏原市水道」の看板が水道企業団の「柏原水道センター」に看板に付け替えられるだけはありません。
また、水道と下水道に関係する条例から「水道」の文字が削られるだけでもありません。 柏原市議会で予算や決算を審議し、そして、本会議や委員会で水道問題について、市民の皆さんの声を届けてきました。
現在、柏原市議会から消防組合や環境事業組合、給食組合などの議会に複数の代表が選ばれています。これと違って、企業団議会にはたった1人しか代表を送り出せず、しかも毎年、出られるわけではありません。
来年、2025年度以降、この本会議場から、水道の担当部長がいなくなります。もちろん水道関連の質問、水道の予算・決算についての審議、チェックすることができなくなります。
過去に、水道料金の値上げにつながる下水道料金の値上げ提案に対して、議会で議論して取り下げや修正するなど、市民を代表する柏原市議会の役割を果たしてきましたが、それが出来なくなります。市民から水道事業が遠のくということです。
一方、東大阪市議会では12月19日、水道料金28%値上げ案が、建設水道委員会で維新のみの賛成で、自民党、公明党、れいわが反対して、否決されました。共産党は委員長のため採決参加せず。
水道事業について市議会がチェックするのが、本来の姿ではないでしょうか。
今回の議案は、水道事業を廃止すると言う、地方自治法にある「公の施設の廃止」に該当し、出席議員の3分2以上の同意を必要とする特別多数決であり、重要な議案です。
また、柏原市まちづくり基本条例の第11条でも「市民の公共の用に供される施設の設置に係る基本計画等の策定およびその利用や運営に関する方針の策定またはそれらの変更」するには「市民参加の対象」として重要な位置づけがされています。
確かに、水道の建物や施設などはそのまま企業団に引き継がれますが、柏原市から水道事業が廃止、なくなるという意味は非常に重要な変化です。
柏原市の水道の7割以上は、市内の井戸から汲み上げる自己水です。市民にとって「宝の水」です。これが、企業団のものになります。
近年の災害の多発、今年の能登半島地震や豪雨からわかるように、「命の水」であることは明らかです。
企業団への統合の行きつく先は民営化です。 水道事業を統合して広域化すれば、大企業は民営化でより金もうけがしやすくなります。
市町村や企業団の直営であれば水道料金は水道事業だけに使われますが、民営化すれば水道料金は企業の役員報酬、株主配当にもまわされます。
有機フッ素化合物などの水質悪化の対策に、コストがかかると判断されれば、自己水の廃止につながります。豊富で安価な自己水をやめ、単価の高い企業団水に切り替えるという事態にもなりかねません。水道料金の大幅な値上げとなり、住民サービスが低下する恐れがあります。
民営化すれば市町村や企業団から専門職員がいなくなり、ノウハウも失われます。災害が起こっても自治体は住民の命と安全に責任が持てなくなります。
大阪広域水道企業団への統合、水道広域化を完了させるこの議案は認めることができません。
以上のことから、議案第67号 柏原市下水道事業の設置等に関する条例の制定について および 議案第68号 柏原市水道事業の統合に伴う関係条例の整備に関する条例の制定について、反対します。
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