大阪府知事、大阪市長選挙の結果について
今回の選挙は、5月の大阪市の「住民投票」での「大阪都ノー」の審判を受けて、これからの新しい大阪の進路が問われるものでした。大阪府・市政では、「維新政治」を終わらせ、民主主義と住民自治を取り戻すことが最優先の課題であり、ここに大阪における大義がありました。
日本共産党は、「明るい民主大阪府政をつくる会」「大阪市をよくする会」のみなさんとともに、「論戦の力」「共同の力」「草の根の力」を発揮してたたかいぬきました。大阪市つぶし・暮らし破壊の「大阪都」構想や「何でも民営化」のゴリ押し、民主主義破壊という「異質の危険」を持つ「維新政治」に終止符を打つという府民的大義に立った、「オール大阪」の共同が大きく広がりました。栗原氏や柳本氏の「維新政治」転換の政策を示し、「『オール大阪』の共同で暮らしと経済を立て直そう」という訴えも共感を広げました。
この共同の力を広く有権者に示すうえでは、さまざまな不十分さも、公選法上の制約もありました。また、候補者決定の遅れによる問題、自主的支援への戸惑いやためらいも残されました。しかし、わが党の奮闘が「オール大阪」の勢力を励まし、信頼と共同を広げる大きな力になったことに誇りと確信を持ってすすみましょう。
これに対して「大阪維新」側は、まともな政策論争を避けて、「自民党、民主党、共産党の野合」批判、「過去に戻すな」の訴えに終始し、橋下市長の「政界引退」で、これまでの「維新政治」への批判をそらす戦術を取り続けました。選挙結果が示した民意は、大阪の現状、暮らしの切実さを変えたいという前向きのものであり、「維新政治」がすすめてきた、暮らし破壊、民主主義と住民自治破壊の道が支持されたものではありません。
選挙結果は、「維新政治」の継続を許すものになりましたが、府民・市民の利益と相いれない「維新政治」の矛盾の深刻化は避けられません。橋下氏の「引退」後の松井府政、吉村市政への議会内外でのたたかいはいっそう激しいものになります。
日本共産党は、選挙戦を通じて寄せられた、府民・市民のみなさんの切実な要求に応えて、府議会・市議会でも、府民・市民運動でも役割を果たします。たたかいのなかでさらに広がった党への信頼と期待を力に、強く大きな党づくりをすすめるとともに、「維新政治」の危険性と合わせて真の大阪の改革の方向を訴えて、直面する参議院選挙での躍進に全力をつくす決意です。