議会活動
「財産の取得について」に対する、日本共産党の反対討論です。
おはようございます。日本共産党の江村淳でございます。
ただいまより【議案第27号】 財産取得について反対の立場から討論いたします。
プロジェクションマッピング設備一式を財産として4,445万1千円で取得する議案でありますが、本会議での質疑や総務産業委員会での質疑などを通じて、財産取得すべきではない、購入すべきでないと考えます。
私は、「もう、すべらせない!! 龍田古道の心臓部『亀の瀬』を越えてゆけ」という日本遺産の『ストーリー』を否定するものではありませんし、紹介することに異論はありません。
ところが、プロジェクションマッピングで日本遺産をPRするとなると課題の多さを感じます。
プロジェクションマッピングを活用した他の自治体では、期限付きの数カ月から長くても数年のイベントです。しかし、柏原市では、設備を購入し耐用年数の5年以上運用することを考えています。
購入にあたっては、「地方創生臨時交付金」約4400万円を活用しますが、購入した後の保守管理や修繕費用、ランニングコストの年間約100万円や映像コンテンツを新規作成する費用の約1千万円などは、市の持ち出しとなります。
本会議の質問にもありましたが、「亀の瀬」をPRするため別の方法を模索するなどすれば、プロジェクションマッピングから波及して、今後どれだけ市の持ち出しにつながるかわかりません。
「2万人の集客」といいますが、根拠に乏しいです。2万人の根拠は、1回の観覧者40人で、土日の投影で104日これをかけて2万人超すということでした。「2億円経済効果」の根拠は、日本人の国内旅行で消費する金額を「旅行・観光消費動向調査」を基に算出したこと。
飲食や娯楽サービス、買い物に使ったら1人約1万円で、2万人観覧すれば2億円という計算です。
問題点も述べられました。「現環境において亀の瀬地域には飲食店や商店はない」ということ。これは本会議で議員から「亀の瀬の弱点」と言われていたことです。
総務産業委員会では、チャンスにかける、いわば先行投資ということまで言われました。
来年1月から、つまりあと半年後からプロジェクションマッピングの運用を開始するにも関わらず、2億円の経済効果は「可能性が潜在している」のであり、市内での消費促進を図ることが「今後の課題」だというのです。
しかも5月に開催した「亀の瀬マーケット」には1日で約1千人が参加し、プロジェクションマッピングがなくても同様の効果があることを示したのではないでしょうか。
同時に、「亀の瀬」には駐車場がないことやトイレが不足し混雑することなどの課題も露呈しました。
経済効果でいえば、3月の総務産業委員会でも紹介しましたが、「亀の瀬」をPRするグッズの中に、「すべらせない」下敷きがあり、受験生に合格祈願として注目されているとのことでした。
これを含む予算は57万円です。ちょっとしたことで日本遺産をPRできるのです。
柏原市の人口減少が続くと予測され、「選ばれるまち」や「認知度を高める」ためには、他の施策も必要と考えるなかで、〝費用対効果〟を考えれば、不確定・不確実なことも多い、今回のプロジェクションマッピング設備を4445万1千円で取得することに疑問を感じざるをえません。
以上をもちまして、財産取得することに反対の討論とします。
「もう、すべらせない!! 龍田古道の心臓部『亀の瀬』を越えてゆけ」という日本遺産の『ストーリー』
4万年前から地すべりが 繰り返されてきた難所であり、
古代より都の西の玄関口として 交通・経済・治水を支えてきた「亀の瀬」。
人々は最新の土木技術を投じてこの要地を守り、
龍田の風の神に旅や暮らしの 安寧を祈願してきました。
この地に立つと地すべりの脅威を 感じるだけでなく、
災害と向き合い未来へ歩む日本人ならではの 心のありようが見えてくるはずです。