小中一貫 いじめ不登校悪化(赤旗より)
「小中一貫教育」を制度化する学校教育法改定案についての参考人質疑が11日、参院文教科学委員会で開かれ、法政大学の佐貫浩教授、共栄大学の藤田英典副学長(東京大学名誉教授)、白梅学園大学の無藤隆教授の3人が意見陳述しました。
藤田氏は、文科省が「小中一貫校」の理由としている“中1ギャップ”論を批判し、中学の不登校件数が多いなどの問題は、学力・進学競争や管理教育による面が大きいとして、「思春期への適切な対応にはおおらかな環境が望まれるが、小中一貫校になれば、いじめ・不登校への対応でむしろ事態の悪化を招く」と指摘。「余計な改革をすべきでない」と強調しました。
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日本共産党の田村智子議員は9日の参院文教科学委員会で、政府が今国会で法制化を図る「小中一貫教育」について、地域の人々や保護者の反対を押し切って学校統廃合を促進しかねないと追及しました。
各地で進められている小中一貫校導入の多くは学校の統廃合計画にともなうものです。
東京都杉並区では、2004年に小中学校の改築費用抑制を目的に、施設一体型の小中一貫校導入などで小・中5校ずつ減らす計画が、地域住民の反対にあい頓挫しました。
「統廃合ではなく、小中一貫校設置と言えばプラスのイメージがある」と説明する自治体担当者もいます。
田村氏は、改築費用節約を理由にしているほか、統廃合反対の声を抑えるために小中一貫校設置が進められていると指摘。下村博文文科相は「少子化に対応して集団規模の確保や活発な学年交流を意図して、小中一貫校を進めるのは一つの方策」と答えました。
田村氏は、京都市右京区京北地域で学校を統廃合して小中一貫校設置の是非を議論するために保護者らが臨時総会を開こうとしたのに対し、学校側が学校施設の使用を拒否し、学外での開催も認めなかったことを取りあげました。下村文科相は「コメントできないが、調べてみたい。地域住民や保護者の十分な理解が必要で、そのための丁寧な議論が必要だ」と述べました。
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