しんぶん赤旗電子版キャンペーン
20日(火)は、リサイクルの日。

しんぶん赤旗配達。
記事。
不公正税制 米国迎合 閣僚疑惑…高市暴走政治ただす/参院予算委 山添議員、対案示し

しんぶん赤旗電子版キャンペーン


活動報告
20日(火)は、リサイクルの日。

しんぶん赤旗配達。
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不公正税制 米国迎合 閣僚疑惑…高市暴走政治ただす/参院予算委 山添議員、対案示し

しんぶん赤旗電子版キャンペーン

19日(月)は、海外旅行の日。

しんぶん赤旗の配達。
記事。
消費税は恒久減税を/小池氏 ゆがみただす税改革こそ/NHK日曜討論

若者の皆さんへ日本共産党への入党を心から呼びかけます
お問い合わせは、大県事務所(072-973-1660)まで
(1)
みなさんは、いまの政治や社会について、どのような思いを持っていますか。
「物価高で、生活が苦しい」「学費が高く、アルバイトに追われて、勉強ができない」「戦争、気候危機、差別と分断の広がりなどに胸が痛む」「トランプ政権の誕生で世界はどうなるのだろう」――「おかしい」「変えたい」という思いを強めている方が、多いのではないでしょうか。
裏金問題にまったく反省のない自民党政治に、昨年(2024年)の総選挙で、国民の審判がくだされました。小手先のとりつくろいで古い腐った政治を続けるのか、それとも自民党政治を大もとから変える「ホンモノの改革」を進めるのか。いま日本の政治は大きな分かれ道に立っています。
日本の未来を決めるのは、主権者である国民であり、若いみなさんです。いま、多くの学生のみなさんが学費値上げ反対の声をあげ、選択的夫婦別姓をはじめジェンダー平等をめぐっても大きなムーブメントが起きていることは、日本社会にとっての大きな希望です。みんなで声をあげれば、政治は必ず変えられます。日本共産党は、若いみなさんの運動、国民の運動と連帯し、要求の実現にがんばります。
同時に、若いみなさんのどんな切実な願いでも、それを本格的に実現しようとすれば、「異常なアメリカ言いなり」「財界・大企業中心」という自民党政治の「2つのゆがみ」にぶつかります。日本共産党は、ここに正面からメスを入れて、日本国憲法に書いてあるとおりの「国民が主人公」の新しい日本をつくる「ホンモノの改革」を、国民とともに進める政党です。
いまの政治や社会に疑問を持ち、変えたいと願っているみなさん。日本共産党に入って、一緒に願いを実現しましょう。ともに政治を変え、希望ある未来をつくりましょう。あなたの入党を、心から呼びかけます。
(2)
なぜこんなにも生活が苦しいのか。自然現象ではありません。一人ひとりの国民に責任があるわけでもありません。それは自民党政治がつくりだした人災です。
「失われた30年」。この言葉をご存じでしょうか。この30年間、日本では長期にわたる経済の低迷と暮らしの困難が続いています。
――人間らしい働き方を壊し、働く人の4割を派遣・パート・アルバイトなど非正規ワーカーにし、「賃金が上がらない国」にしてしまったこと。
――消費税を3%から5%に、そして8%、10%へと引き上げ、大企業の法人税を引き下げたことが、経済と家計に大打撃をあたえたこと。
――ほんらい最優先で税金をつかうべき医療・年金・介護など社会保障への予算を切り捨て、教育予算を抑えてきたこと。
これらの間違った政治があわさって、「失われた30年」をつくってしまいました。どの問題でも、号令をかけてきたのは日本経団連など財界です。そして財界から企業献金をもらって、財界いいなりに、国民の暮らしをないがしろにしてきたのが自民党です。もういいかげんに、こんな政治は変えませんか。
財界や自民党は、暮らしの苦しい人に、「悪いのはあなたのがんばりが足りないからだ」と「自己責任」を押しつけ、世代間対立などをあおって国民をバラバラに分断することを常とう手段にしています。違います。暮らしが苦しい責任は、財界と自民党にあるのです。「自己責任」と「分断」の押しつけをはねかえして、みんなで力を合わせ、連帯し、日本共産党を大きくして、この政治を変えようではありませんか。
日本共産党は、大企業を敵視したり、ましてや「つぶせ」などと言っているのではありません。大企業には、その力にふさわしく、働く人や国民に対する社会的責任を果たさせ、税金を払ってもらうべきだ、そのことが暮らしと経済を良くし、ひいては企業の健全な発展にとってもプラスになるというのが日本共産党の主張です。
力を合わせて、「財界・大企業中心」の政治のゆがみをただし、雇用、社会保障、教育、ジェンダーなど、あらゆる分野で国民の暮らしと権利を守る「社会的ルール」をつくろうではありませんか。
(3)
平和をめぐってはどうでしょうか。今年は、「戦後80年」、「広島・長崎の被爆80年」の年です。80年という単位でみると、この日本には「あってはならない」ことがたくさんあることが見えてくるのではないでしょうか。
――日本全土に、なお米軍が駐留し、沖縄では「米軍基地のなかに島がある」といわれるほど基地の重圧のもとに置かれています。在日米軍は、日本の法律を守らなくてもよい、事故や犯罪が起こっても日本の警察は捜査もできない、こんな特権に守られています。あと20年たてば「戦後100年」です。まるまる1世紀も外国軍の基地が存在し、それを異常とも思わない政治。これで「独立国」と言えるでしょうか。
――戦後80年、日本の自衛隊は一人の外国人も殺さず、一人の戦死者も出してきませんでした。憲法9条と平和を願う国民の世論と運動のおかげです。ところがいま9条を踏みにじって、海外で戦争をする国づくりが、猛烈なスピードで進んでいます。日本が大軍拡を進めれば、相手も軍拡を加速し、軍事対軍事の悪循環に陥ってしまう。これが一番危険ではないでしょうか。
――被爆80年、世界では核兵器禁止条約が成立し、大きく発展しています。日本の被爆者が核兵器の非人道性を訴え続けたことが、とうとう世界を動かしているのです。ところが、肝心の日本政府は、核兵器禁止条約に背を向けています。唯一の戦争被爆国の政府として、あまりにも恥ずかしいことではないでしょうか。
なぜこのような「あってはならない」ことがまかりとおっているのか。日米安保条約=日米軍事同盟によって、世界でも異常な「アメリカ言いなり」の体制がつくられているからです。
日本共産党は、米軍基地、大軍拡、核兵器など、平和のための緊急の課題を解決するために力をつくします。憲法9条を生かした平和外交の力で東アジアを戦争の心配のない地域に変える「東アジア平和提言」を提唱し、世界に働きかけています。
同時に、「アメリカ言いなり」の根本にある日米安保条約を、国民多数の合意で解消し、対等・平等の日米関係への大変革を進めることを、綱領の大方針にしています。支配・従属でなく、対等・平等でこそ、日米両国民の本当の友情をつくることができる。これが日本共産党の信念です。
世界では軍事同盟に頼らずに、対話と包摂で平和をつくる流れが本流となっています。日本もこの流れに参加しようではありませんか。ほんとうの独立国といえる日本をつくろうではありませんか。
(4)
「社会主義・共産主義には自由がないのでは?」――そういう疑問をお持ちの方も少なくないかもしれません。
でもまず考えてみてほしいのです。「資本主義はほんとうに自由を保障しているか」と。ごく一握りの超富裕層とグローバル大企業が空前の繁栄を謳歌する一方、世界の半分以上の50億人はますます貧しくなっています。気候危機がいよいよ深刻になり、昨年の地球平均気温は、産業革命前に比べて1・55度も上昇し、パリ協定が目標とした「1・5度以内」を超えてしまいました。どちらも資本主義がもたらした大災害です。どちらも人類の生存の自由を、深刻におびやかしているではありませんか。
このような矛盾と苦しみに満ちた資本主義が、人類の到達した最後の社会でしょうか。私たちはそうは思いません。世界史でみて、資本主義が始まったのは16世紀からです。せいぜい400~500年の歴史です。200万年にもおよぶ人類の歴史からみたら、わずかな期間です。「資本主義で終わり」と決めつけるのは早すぎます。人類は、資本主義を乗り越えて、その先の未来社会――社会主義・共産主義に進む力をもっている、これが私たちの確信です。
私たちの目指す社会主義・共産主義とは、一言でいって、「人間の自由」があらゆる意味で豊かに保障され、花開く社会です。人間は、資本主義につきものの「もうけ第一主義」から解放され、搾取から自由になり、貧困と格差から自由になり、環境破壊から自由になります。搾取や浪費がなくなることで、労働時間がうんと短くなり、すべての人が「自由に処分(利用)できる時間」をもち、その時間をつかって、自分のなかに眠っている潜在的な力をのびのびと自由に発展させることができるようになります。すべての人が「自由に全面的に発展」できる社会――これこそが、私たちの大先輩で、科学的社会主義の基礎をつくったマルクスとエンゲルスが目標にした未来社会の最大の特徴です。
日本では、発達した資本主義という土台のうえに、こうした未来社会をつくることができます。それは、高度な生産力、経済を社会的に規制・管理するしくみ、国民の生活と権利を守るルール、自由と民主主義の諸制度、人間の豊かな個性などの価値あるものを、すべて引き継ぎ、発展・開花させた社会になります。旧ソ連などが自由のない国になってしまったのは、いろいろな原因がありますが、最大の問題は、国民が自由と民主主義を経験したことのない遅れた国から革命が始まったことにありました。発達した資本主義を土台に未来社会をつくる日本では、自由がない、「一党独裁」の国になるなどということは、決してありません。
みなさんの世代は、「人間の自由」「人間の解放」が実現する、本来の社会主義・共産主義の社会の実現を、実際に追求できる世代です。人類未踏のこのロマンある道を、ご一緒に開拓していこうではありませんか。
(5)
「そもそも自分が政党に入るというイメージがわかない」「外から応援するだけではダメなの?」――そういう思いもあるかもしれません。
日本共産党をつくっているのは、議員や候補者など特別な人たちだけではありません。政党とは本来、主権者である国民が草の根でつくるものです。自分たちが願う政治や社会を実現するために、政策をつくったり、運動を起こしたりして、まわりに支持を広げ、民主主義を豊かに発展させていく大事な役割をもっているのが政党です。
日本共産党と、他の政党との違いは、さまざまありますが、企業・団体献金も政党助成金も1円も受け取らず、党員が納める党費、「しんぶん赤旗」購読料、国民からの募金で運営資金をつくりだしていることは、その一つです。だからこそ、財界・大企業や、権力をもっている人たちの顔色をうかがう必要がなく、国民のための政治を進めることができるのです。
日本共産党は、自分たちだけで世の中を変えようという党ではありません。国民一人ひとりが、何が苦しみの根源か、どうすれば解決できるのかをつかみ、日本の進むべき道を自覚して立ち上がってこそ、政治は変えられます。その取り組みの先頭に立ち、どんな困難があっても未来への展望をさし示し、一致点での協力・共同(統一戦線)を広げ、国民とともにがんばりぬくのが日本共産党です。
この党の党員が、日本社会のすみずみに、そしてとりわけ若い世代の中に、たくさんいてこそ、古い政治にしがみつく勢力の妨害や抵抗を打ち破り、社会を変えていくことができます。あなたが入党することが、社会を変えるための力を何倍にも大きくします。だからぜひ、仲間になってほしいのです。
「組織に入ると縛られる」「自由に意見が言えなくなる」などの不安があるかもしれません。でも日本共産党は、一人ひとりの自発性を大切にし、党内で自由に意見を出し合い、徹底的に議論することを保障している政党です。徹底して議論したうえで、方針は多数決で決定し、みんなで実行する。私たちはこのルールを「民主集中制」と呼んでいますが、国民に責任を負う政党ならば当たり前のルールではないでしょうか。人間の自由と解放を目的とし、民主的なルールを大事にする組織とともにあってこそ、人間はほんとうの自由を獲得し、成長できる。これが私たちの実感であり確信なのです。
日本共産党に対しては、さまざまな非難や攻撃があることを、みなさんも見聞きしていると思います。でも、そうした攻撃が集中するのは、いまの日本を支配している勢力にとって、日本共産党が支持を伸ばすことが怖いからです。みんなで力を合わせて攻撃を打ち破り、希望ある未来をひらこうではありませんか。
(6)
日本共産党に入党したら、①週1回の支部会議に参加すること②実収入の1%の党費を納めること③「しんぶん赤旗」日刊紙を読むこと④学習につとめ活動に参加すること――を大切にし、それぞれの得手を生かして活動します。
青年・学生党員は、綱領や科学的社会主義を実践する立場で学び、未来を担う世代として成長することを、何よりも大事にしています。あなたも、民青同盟の前進に力を合わせ、青年・学生の中で日本共産党の仲間を増やしていくことに励まし合って取り組んでいきましょう。
未来は青年のものです。
マルクスは、高校生のときに書いた論文のなかで、「最大多数の人を幸福にした人こそ、最も幸福な人」という言葉を残しています。多くの人々の幸福のために力をつくし、そのことが自らの幸福と感じる人々によって、日本共産党はつくられています。
あなたの人生は、たった一度きりしかない、とても大切なものです。どうか大切な人生を、この党とともに歩み、そのなかでほんとうの幸せをつかんでほしい。このことを心から願い、あなたの入党を重ねて呼びかけます。
18日(日)は、冷凍食品の日。
値上がりして高くなりました。

しんぶん赤旗の配達。
記事。
在日米軍基地 資産額32兆円/世界で突出 面積・兵力も/欧州は縮小 日本は増強


ケアー労働の素晴らしい値打ち
17日(土)は、貧困撲滅のための国際デー。

しんぶん赤旗の配達と同時にしんぶん赤旗日曜版を山間部も含め5地域の配達。
途中(青谷)でお腹が痛くなり急いで一旦帰宅。
記事。

パンフレット(PDF)
あなたの入党を心からよびかけます
(日本共産党綱領一部改定案)

16日(金)は、世界食糧デー。
しんぶん赤旗の記事。
食料品1%2年限定はなぜか 減税終了後の支援策の中身は/消費税巡り質問主意書/共産党議員団、政府に提出/一律5%・大企業優遇是正へ論戦

15日(木)は、助け合いの日。
しんぶん赤旗の配達。
記事。
未来社会の輝き 党の魅力 改定綱領(案)を国民の中へ/大運動の目標達成へ 全支部・全党員の運動必ず/第30回党大会諸議案を採択/10中総終わる

日本共産党の第10回中央委員会総会で14日に採択された、「日本共産党第30回大会決議案」は次のとおりです。
第30回党大会は、党綱領の一部改定をおこなう歴史的党大会となる。
綱領一部改定案は、日本共産党がめざす社会について、「社会主義・共産主義の社会の最大の特徴・目的は、人間の自由をあらゆる意味で豊かに保障し開花させることにある」という命題を正面から押し出し、全体的な改定を提案している。
これは、マルクスの未来社会論を、旧ソ連流のゆがんだ解釈から全面的に解放し、その真の輝き--「各個人の自由で全面的な発展」「自由な時間」を軸にすえた未来社会論を明らかにするという、歴史的な綱領改定となる。この改定によって、日本共産党が終局的な目標とする社会が、綱領に生き生きと示される。それは、共産主義に対するさまざまな偏見や誤解を克服し、資本主義を乗り越えた未来社会の魅力を、国民の中に広げる決定的な力となるだろう。
一部改定案は、現綱領の記述を最大限に引き継ぎながら、綱領の全体を対象にして、情勢の進展と党の認識の発展をふまえ、必要不可欠な改定を提案している。自民党政治のゆきづまりの現状の告発と民主的改革の課題、ジェンダー平等の視点の徹底、気候危機、AI(人工知能)への対応、ケア労働など、日本と世界の熱い焦点となっている課題をどうとらえ、どう打開するかが、綱領に新たに明記されることとなる。
一部改定案は「いま考え得る最良の綱領」へと党綱領を発展させるものとなっている。全党が深く学び、討議し、その英知を結集して練り上げ、第30回党大会において歴史的綱領を全党の力でつくりあげよう。
綱領一部改定案は、第29回党大会期の全党のみなさんの不屈の奮闘と努力によってつくられたものである。
第一に、第29回党大会決定と、それにもとづく、「自由な時間」を軸としたマルクスの未来社会論に光を当てた理論的探求--『Q&A 共産主義と自由』(青本)、『Q&A いま「資本論」がおもしろい」(赤本)、『自由な時間と「資本論」』(緑本)の学習・対話運動が一部改定案に結実している。
「赤本」「青本」の学習は、全国で約8500の支部に広がり、労働者や学生が参加する学習会が党外にも広がっている。マルクスの『資本論』を主題とした科学的社会主義の学習・対話運動を、党活動の中心課題の一つとしてとりくんだのは、党の104年の歴史の中ではじめての画期的なできごとである。
この学習・対話運動をつうじて、資本主義の矛盾を日常の生活と労働のなかでつかむという、まったく新しい学びが発展し、「自由な時間」への切実な要求が自覚化され、いまとりくんでいる社会を変えるたたかいが未来社会と地続きであることがつかまれている。それは、マルクスの理論と思想が、現代を生きる多くの人々の心に響くことを示すものとなっている。全党の新しい学習と対話への挑戦が、一部改定案に結実していることを確信としよう。
第二は、「大軍拡反対」「憲法9条守れ」「富の一極集中をただそう」など、この間、全党のみなさんが、国民運動や選挙活動、党づくりなどで訴えてきた内容が、一部改定案の日本社会の現状規定、民主的改革の課題に盛り込まれているということである。
日米一体ですすめられている「戦争国家」づくりの現状について、一部改定案は、「軍国主義の全面的復活の危険が生まれており、憲法第9条の改定をはじめとする憲法改悪は、その最大の焦点となっている」と規定している。他の主要政党の多くが、安保法制とそれを具体化する大軍拡を容認・推進するもとで、わが党は一貫して安保法制廃止を掲げ、大軍拡と9条改憲に断固として立ち向かってきた。だからこそ、一部改定案で「軍国主義の全面的復活の危険」に強い警鐘を鳴らし、これを許さない“闘争宣言”を行うことができるのである。
暮らしと経済の問題では、新自由主義の経済政策が押し付けられたことによって、「もともと弱かった国民の生活と権利を守る社会的ルールがいっそう弱体化させられた。大企業の利益と内部留保は増えたが、株主の目先の利益が最優先され、労働者と中小企業にはコストカットが強いられている。それは一握りの大企業と大株主・大資産家への富の一極集中をつくりだすとともに、貧困と格差をいちじるしく拡大し、国民生活と日本経済の長期にわたる停滞・悪化を引き起こしている」という新たな現状規定を行っている。これは、「富の一極集中をただし、働くものが生み出す富を、労働者と国民の手に」という、2025年参院選挙以来の全党の訴えを踏まえて、それを綱領の規定に明記したものである。全国の支部・党員のみなさんの奮闘の結晶としてつくられつつある改定綱領(案)をみんなの手で練り上げ、立派に仕上げよう。
第30回党大会で、歴史的な綱領一部改定をやりとげ、改定綱領(案)を力に、日本の民主的改革の新たなたたかいに挑戦しよう。世界に働きかけよう。改定綱領(案)でつよく大きな党をつくろう。
まずは、いまとりくんでいる党勢拡大運動に生かそう。「改定綱領(案)パンフレット」を思い切って活用し、全党が党員拡大に踏み出し、新しい党員を迎え、党勢の前進のうねりのなかで第30回党大会を迎えよう。
いま世界は、国連憲章と国際法の形骸化を許すのか、それとも平和の国際秩序を確立するのか、重大な岐路にある。
アメリカのトランプ政権は、第2次世界大戦後、アメリカがまがりなりにも掲げてきた「法の支配」をかなぐり捨て、イランへの違法な武力行使、キューバへの無法な燃料封鎖をはじめ、横暴勝手な「力による支配」を繰り返している。トランプ米大統領は、戦争犯罪などを裁く国際刑事裁判所(ICC)を「ならず者」とまで言い放ち、“制裁”と解体の脅しまで行っている。
ロシアによるウクライナ侵略戦争は4年を超えた。イスラエルによるガザでのジェノサイド、ヨルダン川西岸での暴力と強奪による入植拡大は、多数の子どもと女性を含む住民のおびただしい犠牲を拡大し、国際社会に強い怒りを広げている。
ICC元裁判官ナビ・ピレイ氏のノーベル平和賞受賞を心から祝福する。これは現下の戦争犯罪とジェノサイドに対する弾劾であり、これとたたかうすべての人々への熱い連帯である。日本共産党は、戦争と抑圧を終わらせ、公正な紛争解決をめざして、パレスチナ、イラン、キューバ、ウクライナをはじめ、無法な侵略とたたかう各国人民と連帯してたたかう。いかなる覇権主義にも反対し、諸政府、市民社会、国際機関と連帯して、国連憲章・国際法にもとづく平和の国際秩序の回復と確立を求めて奮闘する。
「力による支配」の大逆流に抗して、平和と進歩を求める未来ある流れが、躍動的に発展している。第29回党大会期、わが党はこの流れを前にすすめる、積極的な働きかけをおこなってきた。
2026年の核不拡散条約(NPT)再検討会議は、核保有国による無法な戦争と核威嚇という逆流のもとで、どのような成果文書を発出するかが問われる会議となった。わが党代表団は、核保有国を含むすべての締約国が受け入れ可能で、かつ「核兵器のない世界」にむけて積極的意義を持つ成果文書が発出されるよう、会議主催者、国連担当者などへの要請をおこなった。NPT第6条にもとづく核軍備撤廃のための義務の履行を核保有国に強く求めることを、要請の力点においた。
会議をつうじて、「条約第6条の義務を果たせ」と核保有国に迫る国が締約国の7割におよぶなど、わが党の要請の方向が世界の圧倒的多数の声に立ったものであり、また、会議を成功させようと真剣に努力している会議主催者や国連担当者の思いと合致していることが明らかとなった。成果文書は核保有国などの妨害によって採択にいたらなかったが、核保有国に第6条の履行を迫ること自体が、「法の支配」を求める行動であり、それが圧倒的多数となったことは、今日の世界の大きな希望である。
2026年11月には核兵器禁止条約第1回再検討会議がおこなわれる。世界の諸政府と被爆者を先頭とする市民社会の力があわさって誕生したこの歴史的条約は、100を超える国・地域が署名、批准するまでに広がり、核兵器の非人道性を国際規範とし、「核抑止力」論をのりこえて核兵器廃絶へと世界を動かす、確かな道を切り開いている。日本共産党は、この条約の誕生の時(2017年7月)から一貫してその前進に力をつくしてきた党として、第1回再検討会議の成功のために力をつくすとともに、日本政府が一刻も早く核兵器禁止条約に署名・批准することを強く求める。
東南アジア諸国連合(ASEAN)は、米中の対抗が強まるもとで、どちらの側にも立たず、ASEANの中心性と自主独立の立場を貫き、対話と包摂による平和の地域協力を、着実に前進させている。
2026年、ASEANの基盤である東南アジア友好協力条約(TAC)の締結から50周年を迎えたこの年に、ASEANは、62の国と地域に広がったTAC締約国に、「紛争の平和的解決」「内政不干渉」などTACの原則への理解と順守を求め、TACを実践的な協力の枠組みへと発展させる努力を新たに開始した。平和の規範を生きた実践の課題に発展させる、TACの新たな進化がはかられていることは重要である。
わが党は、第29回党大会決定の具体化として、2024年4月に「東アジアの平和構築への提言--ASEANと協力して」を提唱し、対話と包摂による平和の地域協力を東アジア全体に広げることを呼びかけ、国内外での働きかけをすすめてきた。
2024年11月、カンボジア・プノンペンでおこなわれたアジア政党国際会議(ICAPP)総会で、わが党代表団は「提言」の方向で働きかけをおこない、採択された「プノンペン宣言」には「対話と包摂で平和をつくる」との方針が明記された。アジアの与野党がイデオロギーの違いを超えて集う国際会議で、わが党の「提言」の理念が全体の合意となったことは、アジアにおける平和の本流と日本共産党の外交方針が深く共鳴することを示すものである。
トランプ大統領が世界でも国内においても「力による支配」をふりかざすもとで、これに抗する「NO KINGS」(王はいらない)集会に全米で800万人が参加するなど、アメリカ国内で、逆流に抗する激動が起きている。
そのなかでも、アメリカ民主的社会主義者(DSA)は、ニューヨーク市長選挙での勝利など、組織的・政治的にめざましい躍進を始めている。
わが党は、2026年4月~5月に行った北米訪問で、DSA幹部との初めての会談をおこない、双方の協力と連帯の関係を公式に確立することで一致した。DSAが、家賃値上げ凍結、保育無料、バス無料、富裕層への課税強化(タックス・ザ・リッチ)など暮らしの切実な要求実現を掲げるとともに、綱領で「US戦争マシンを終わらせる」として、軍事費の大幅削減、すべての戦争の終結、外国軍事基地の撤去を明記し、この立場での活動を展開していることは、重要である。会談で、日本共産党とDSAは、①トランプ政権による無法な戦争に反対する、②日米両国の大軍拡に反対する、③在日米軍基地の撤去と対等・平等・友好の日米関係をつくる、④「核兵器のない世界」の実現、核兵器禁止条約を広げる--という課題での連帯を確認した。
アメリカは、資本主義の“総本山”とみなされ、世界に軍事基地を張りめぐらせ、軍事介入を繰り返している世界で唯一最大の帝国主義の国である。国内では「赤狩り」が繰り返され、社会主義勢力が破壊されてきた歴史もある。このアメリカ帝国主義の心臓部で、社会主義を公然と掲げた勢力が伸長している意義はきわめて大きい。そしてこの勢力と日本共産党が連帯の関係を確立したことは、日米安保条約の廃棄、在日米軍基地の撤去、対等・平等・友好の日米関係への転換という、わが党綱領の実現にとっても、大きな意義をもつものである。
欧州では、ロシアによるウクライナ侵略のもと、軍事同盟強化と大軍拡が強行されるとともに、排外主義勢力が台頭するという困難な情勢がある。そのなかで、欧州の左翼・進歩勢力は、こうした平和と民主主義への逆行に反対し、国によってさまざまな違いはあるが、全体として健闘し、一連の国ぐにでは前進・躍進をかちとっている。
とくにドイツ左翼党(リンケ)の躍進は注目すべきである。2026年9月、首都ベルリンの市議会選挙で、左翼党は、前回の2倍以上となる得票率25・7%を獲得し、第1党に躍り出た。2024年8月~9月に、わが党代表団は欧州を訪問し、ドイツ、ベルギー、フランス、イギリスの左翼・進歩勢力と会談、交流をおこなった。このとき、ドイツ左翼党は、有力議員が離党して新たなグループをつくるという困難に直面し、連邦議会では議席減少により会派資格を失い、また、従来は強固な支持をもっていた州議会選挙で後退するという状態にあった。
しかしドイツ左翼党は、2025年2月の総選挙から見事な躍進へと転じた。その最大の要因は、住宅問題をはじめ、暮らしの切実な要求で大規模な戸別訪問と対話にとりくみ組織を拡大したこととともに、総選挙の直前に、ドイツ連邦議会の野党第1党であったキリスト教民主同盟が、台頭する極右政党ドイツのための選択肢(AfD)との協力に踏み出すという大逆行が起こった際に、左翼党が連邦議会で、「われわれが民主主義を守る防火壁になる」と宣言し、「ファシズム反対」を断固として訴えたことにあった。国の進路が問われる決定的な場面で、断固として平和と進歩の立場を貫いたことが躍進につながったドイツの同志たちの奮闘は、日本のたたかいの前途にも重要な教訓と大きな希望をもたらすものである。
欧州の同志たちの奮闘に負けない頑張りを、この日本でも展開し、新たな躍進を切り開こうではないか。
綱領一部改定案は、気候危機とAI(人工知能)を、人類の生存と社会の未来にかかわる新たな重大課題として補強して位置づけた。
氷河崩落、熱波・干ばつ、集中豪雨など、気候危機は世界各国でも日本でも甚大な被害をもたらしている。
国連環境計画(UNEP)の報告書(2026年9月)は、産業革命以降の世界の平均気温の上昇が1・5度を超える「オーバーシュート」の時代に突入し、より深刻な被害が起きる危険性を指摘した。同時に、「上昇幅を可能な限り小さく、短く抑える」ならば、破滅的危機を回避できるとして、「前例のない行動」をよびかけている。
科学者たちは、1・5度を超える上昇幅が大きくなり、期間が長引くならば、一連の重要な事象で地球環境が回復不能となる転換点(ティッピング・ポイント)をこえることを強く警告している。すでにその事象の一つである、グリーンランドの氷床の融解、低緯度でのサンゴ礁の消滅などが進行している。いま「前例のない行動」を起こせば、まだ間に合うが、必要な行動をとらなければ手遅れになる--これが、気候危機の現状である。この問題で根拠のない楽観論を振りまくことはけっして許されないが、もう手遅れだと悲観論に陥ることも正しくない。
アメリカのトランプ大統領のように、気候危機を「詐欺」などと科学を否定する主張を退け、温室効果ガスの削減目標を早期に達成し、さらにCO2実質排出ゼロへと向かわなければならない。気候危機は、資本主義の「利潤第一」の経済システムによって引き起こされた大災厄である。緊急の対応を求めるとともに、資本主義のシステムをこのまま続けてよいのかを問いかけていこう。
AI(人工知能)は、労働時間の大幅な短縮、科学の発展、医療や健康など、さまざまな面で人類に大きな恩恵をもたらす可能性がある技術である。一方で、AIの急速な発展と普及は、人類に二つの重大な危険をもたらしつつある。
一つは、資本主義的な利用がもたらすリスクである。国際労働機関(ILO)は、全世界の雇用の4分の1が、生成AIの影響を受けると指摘している。AI利用による雇用破壊、労働強化の危険もある。また、巨大データセンター(DC)による大量の電力・水の消費などの環境破壊、プライバシーと個人情報保護への新たなリスクも生じている。AI巨大企業への富の集中と格差の拡大も、重大な問題となっている。
なかでも重大な危機は軍事利用である。人間の判断を超えた攻撃と殺りく、さらには指揮統制や核兵器の運用にAIが組み込まれることで、人間の判断によらず戦争が開始され、核戦争が引き起こされる危険がある。
もう一つ、より深刻なリスクは、資本主義のもとでのAIの無秩序な開発競争の結果、当事者たちの意志にも反して、人間がAIを制御できなくなり、人類社会に破滅的な打撃をもたらすという重大かつ深刻な危険である。すでに、開発中の最先端AIが人間の指示に従わず、人間を欺く行動をとる事例が相次いで報告され、数百人のAI研究者が、最悪の場合には「人類絶滅」の危険性があると警告している。
日本共産党は、科学的社会主義の立場から、AIをどうとらえ、どう対応するかについて、突っ込んだ見解を先駆的に明らかにしてきた。『資本論』でマルクスが解明したように、資本主義のもとでの技術の発展が、人類にとってプラスとともにマイナスをもたらすこととともに、AIが人間の知性--脳の働きを代替する点で、これまでの技術の発展にはない質の異なる問題を引き起こすことを重視し、「AIの二つの危険」という形で警鐘を鳴らしてきた。
日本共産党は、最先端AIの開発競争を一時停止・中止するために、国際的な協定を緊急に結ぶことを強くよびかける。AIの軍事利用の禁止と民主的規制も急務である。AIの二つの危険は、どちらも資本主義がつくりだしたものであり、地球的規模で社会主義へと進むことが、そして人類がAIを賢く使いこなせるように知的・精神的発達をとげることが、この問題でも根本的な解決となることを強調したい。
日本共産党は、第29回党大会決定にもとづく未来社会論の探求と一体に、科学的社会主義の国際的な理論交流に踏み出した。発達した資本主義国の左翼・進歩諸党や研究者との間で、マルクスの『資本論』を導きに、「人間の自由」「自由に処分できる時間」を軸として、社会主義・共産主義の理論交流にとりくんだことは、党の歴史のなかでも初めてのことである。
2024年9月のドイツ・ベルリンのローザ・ルクセンブルク財団での理論交流、25年~26年にとりくまれたカナダやアメリカのマルクス研究者、国際的な金融機関の中枢の仕事に携わってきた研究者との理論交流では、いずれも、「自由な時間」を軸としたマルクスの未来社会論で、理論的響き合い、接近、一致が確認された。マルクスの「自由な時間」論が、ジェンダー、気候危機、AI、ケアなど、人類の現在と未来にとって重要な課題を解決する鍵となる概念(キー・コンセプト)となることなどが、理論交流によって深められていることも重要である。
ベトナム共産党との理論交流で、社会主義・共産主義を「個人が自由で全面的に発展する社会」としてとらえ、「自由な時間」を人間の「真の富」とする見地で、共通の認識が確認された。このことは、「社会主義志向の市場経済」を掲げドイモイ(刷新)にとりくんでいる政権党との理論交流として、重要な意義をもつ。
世界の資本主義の矛盾がさまざまな形で噴き出すもとで、世界的な「マルクス・ブーム」が起こっている。同時に、私たちが国際的な理論交流をつうじて実感していることは、社会主義・共産主義をどう理解し展望するかという点では、欧州でも米国でも、左翼勢力が模索と探求の過程にあるということである。もちろん模索と探求の過程という点では、わが党も同じである。
マルクスの思想と理論はインターナショナルな力を持っており、また、本来、科学的社会主義の事業は、インターナショナルに発展させるべきものである。国際的な理論交流を強めることは、わが党の理論を豊かにし、日本の社会変革の事業の前進の力となるとともに、世界の運動への貢献にもなりうるものであり、さらに発展させていく。
綱領一部改定案が明らかにしたように、自民党政治の根底にある「アメリカいいなり」「財界・大企業優先」という「二つのゆがみ」と国民との矛盾は限界点に達している。
アメリカいいなりの「戦争国家づくり」は、あらゆる面で深刻な矛盾につきあたり、この暴走を続けるならば、さまざまな破綻が噴き出してくることは避けられない。
この暴走は、もはや憲法9条と両立しえない限界にまで達している。集団的自衛権行使容認の安保法制、「専守防衛」をも投げ捨てる「敵基地攻撃能力」=長射程ミサイルの配備と日米の指揮統制一体化、南西諸島の軍事要塞(ようさい)化などは、どれ一つとっても、憲法9条と両立し得ないものである。高市政権は、軍事費の「GDP(国内総生産)比2%以上」を2年前倒しで強行し、3・5%(年間24兆円)への大増額を狙い、武器輸出を全面解禁し、軍需産業支援など「経済の軍事化」をすすめ、非核三原則の見直し・放棄まで画策するなど、「戦争国家づくり」のさらなる暴走をしている。綱領一部改定案が明らかにしたように、「軍国主義の全面的復活の危険」が生まれていることは重大である。同時に、現状は、いまなお、公然たる海外派兵によって対外侵略をおこなう軍事・政治・経済体制=「軍国主義の全面的復活」にはいたっていない。そこには、憲法9条と国民の運動が平和の壁となって立ちはだかっている。「戦争国家づくり」の暴走を許すのか、憲法9条を守りぬくのか、いま日本は文字通りの歴史的岐路に立っている。
この暴走は、日本の安全保障を危うくするという矛盾におちいっている。政府は「安全保障環境の悪化」を理由に大軍拡を進めているが、外交抜きの軍事一辺倒の立場に立った空前の大軍拡は、軍事対軍事の悪循環--「安全保障のジレンマ」を引き起こし、日本の安全保障を危うくする結果を招いている。
この暴走は、国民の暮らしとの抜き差しならない矛盾を深刻にしている。軍事費は2022年度の5兆円規模から10兆円規模となり、あらゆる分野で暮らしの予算を圧迫している。アメリカが要求するGDP比3・5%に応じれば年間24兆円、医療・介護・障害福祉・生活保護にかけている国の予算を上回ることになる。この道は、暮らしと経済を破壊する文字通りの“亡国の道”である。
対米従属のもとでの「戦争国家づくり」--「軍国主義の全面的復活」を阻止し、憲法9条を守りぬくたたかいを、今こそ強めようではないか。
綱領一部改定案が明らかにしたように、日本経済は、「ルールなき資本主義」という構造的な弱点のうえに、弱肉強食と自己責任の新自由主義が押し付けられた結果、「激しい矛盾と危機、深刻な行き詰まり」に直面している。
新自由主義の経済政策によって「人件費のコストカット」「社会保障のコストカット」がすすめられ、労働法制の規制緩和、社会保障の連続改悪など、もともと弱かった国民の生活と権利を守る社会的ルールがいちじるしく弱体化させられた。大企業と大株主・大資産家への“富の一極集中”がもたらされ、大企業の内部留保は600兆円にも膨れ上がり、株主還元(配当と自社株買い)は5年間で2・2倍になった。一方、大企業の労働分配率は同時期に51・3%から史上最低の39・5%に下落した。大企業がどんなに利益をあげても、賃金は上がらず、暮らしの困難は増し、日本は「賃金が上がらない国」「経済成長ができない国」という異常な事態に落ち込んだ。
この道を続ける限り、日本経済の行き詰まりはいよいよ深刻になり、まともな出口はない。そうしたもとで、高市政権は、大企業への「370兆円官民投資」という「無謀」な税金のばらまき、「防衛と経済の好循環」=経済の軍事化という、これまでにない「危険」な道に突き進むことで、現状の反動的な打開をはかろうとしている。しかし、この道は、巨額の国債にたよる経済政策を見透かされ、円安と長期金利の上昇が急激にすすみ、経済と暮らしにさらなる災厄をもたらすという新たな破綻を引き起こしている。
「無謀」と「危険」の道しか示せない政治に、日本経済のかじ取りをまかせ続けるわけにはいかない。財界・大企業優先の政治のゆがみを根本からただし、国民の暮らし第一の政治にきりかえることが、今ほど切実に求められているときはない。
平和でも暮らしでも自民党政治に未来はない。「アメリカいいなり」「財界・大企業優先」の政治と真正面から対決する立場に確固として立ち、国民の切実な要求を実現し、平和で持続可能な社会への展望と政策をもつ日本共産党の存在意義と役割は、かけがえのないものとなっている。国民の切実な要求をかかげ、国民とともにたたかい、改定綱領の改革の展望を語り広げ、政治を変えるたたかいを起こそう。
長射程ミサイル配備、大型弾薬庫建設、「特定利用空港・港湾」の指定、米軍基地・自衛隊基地の強化など、戦争準備の軍備増強に反対するたたかいを各地ですすめよう。
沖縄の辺野古新基地建設の中止、普天間基地の即時無条件返還、基地のない平和で豊かな沖縄を求める沖縄県民と全国の連帯を広げよう。
「戦争国家づくり」のさまざまな表れを許さないたたかいを、幅広い人々との共同を広げながら発展させるとともに、「憲法9条守れ、大軍拡反対」の揺るがない多数派の結集を、たたかいの太い柱として貫こう。
「憲法9条守れ、大軍拡反対」の揺るがない国民多数派の結集をすすめるためには、「戦争はいや」という共通の思いを入り口に、疑問や不安に丁寧にこたえ、日本の平和と安全をつくる道がどこにあるのかをともに考えることが大切である。第8回中央委員会総会決定の実践・具体化としてとりくまれた『Q&A 戦争と平和』が提起した四つの角度での学習と対話に取り組もう。
①トランプ大統領いいなりの大軍拡で平和はつくれるのか--トランプ政権のイラン戦争には、北大西洋条約機構(NATO)加盟国も協力せず、スペイン、イタリアは自国の米軍基地使用を拒否した。ICC(国際刑事裁判所)解体と脱退を迫る無法な言動に対して、世界中から批判の声が殺到している。ところが、高市首相はアメリカの無法な行動を一言も批判せず、ひたすらこの政権にこびへつらう醜態を演じている。「世界の真ん中で咲き誇る外交」どころか、世界中に恥をさらす外交である。こんな無法なアメリカのいいなりに、大軍拡をすすめていいのか。「日米同盟絶対」で思考停止のままでいいのか。この声は、立場の違いをこえて広がっている。
アメリカで躍進するDSAは、在日米軍基地閉鎖・撤去の立場を打ち出し、日本の平和運動との連帯が始まっている。日米同盟絶対から抜け出す展望を、世界の未来ある動きとの連帯を強化するなかで、大いに学び、語ろう。
②軍事的抑止力強化で平和がつくれるか--抑止とは、相手に恐怖を与えることで相手を抑えつけようというものである。抑止力強化は、恐怖対恐怖、軍事対軍事の悪循環--「安全保障のジレンマ」をつくりだし、戦争のリスクを高める。これは人類の歴史が示す事実である。実際に、政府は「抑止の破綻」を想定し、自衛隊基地の強靱化、住民の避難計画などの戦場化の準備をすすめている。「抑止力強化によって平和をつくる」といいながら、「抑止の破綻」を想定して、戦場化の準備をすすめる。こんな矛盾した話はない。
対話による外交で、相手に安心をあたえ信頼関係を築くことこそ、真の安全保障である。日本共産党は、「東アジア平和提言」で、対話によって東アジアに包摂的な平和の枠組みをつくり強化する外交戦略を提唱し、その内容を日本政府にも提案し、20カ国をこえる駐日大使や外交官、日本政府、自治体首長、研究者、市民との対話を広げ、欧州やアジアでの国際会議で発言し、どこでも共感を広げてきた。対話による外交こそが平和をつくる--「東アジア平和提言」をさらに広げよう。
③中国との関係をどうするか--高市首相の「台湾発言」によって、日本政府は中国とまともな対話もできない事態に陥っている。ところが、高市首相は発言の撤回を拒否し、逆に、中国の脅威をあおって大軍拡をすすめるという、政治として最もやってはならない態度を取り続けている。いまアメリカを含め、世界のどの国でも、批判をもっていても中国と対話し、外交関係をマネジメント(管理)している。外交を管理できない政権に、日本の政治をゆだねるわけにはいかない。
日本共産党は、提言「日中両国関係の前向きの打開のために」(2023年3月)を発表し、日中両政府に、2008年の日中共同声明での「互いに脅威とならない」との合意を尊重し、双方がこの合意にふさわしい行動をとることなど、道理に立った両国関係の前向きの打開を繰り返し求めてきた。また機会をとらえて、東シナ海などでの力を背景とした現状変更の動きの自制を求め、台湾問題については平和的解決を求め、中国による武力の行使や威嚇に反対し、日米による軍事的関与にも反対するという、日本共産党の立場を直接伝えてきた。日本政府は、こうした道理ある外交こそとりくむべきである。
④憲法9条を守り、生かすことがどうして大切か--そもそも憲法とは、国民の権利や自由を守るために国家権力を縛るための最高法規であり、権力をもつ側が、改憲をあおること自体が憲法に背く--これが立憲主義の立場である。憲法9条には、侵略戦争によってアジアの人民に甚大な被害をもたらし、日本国民にも原爆投下をはじめ大きな犠牲を強いた反省から、“再び戦争国家にはならない”“「戦争のない世界」をつくるという理想を世界に先駆けて実行する”という二重の決意が示されている。
戦後、自衛隊は一人の外国人も殺さず、一人の戦死者も出していない。ここにも9条の偉大な力が働いている。9条に自衛隊を明記すれば、現行の条文が無効化され、無制限の海外派兵、集団的自衛権の行使が可能となる。それは、日本の軍国主義の全面的復活の道である。
「主権者は私たち」「憲法を勝手に変えるな」のたたかいのなかで、日本国憲法と恒久平和主義、憲法9条のそもそもの意義を学び広げよう。
暮らしの困難の打開へ、新自由主義の害悪をとりはらい、国民の生活と権利を守る社会的ルールを確立し、人間としての豊かさが広がる社会へと進もう。日本共産党として、次の七つの提案をおこない、たたかいをよびかける。
もともと長期にわたって賃金が増えていないところに、物価高騰がおそいかかり、実質賃金は1996年をピークに年間80万円も減少した。残業規制がきわめて不十分なもとで、通勤時間、家事労働で、日本は「男女とも有償・無償をあわせた総労働時間が長く、時間的にはすでに限界まで『労働』している」(男女共同参画白書)実態にある。賃金も自由な生活時間もあまりに足りない現状を打ち破ろう。「賃上げも、時短も」--この声をあげよう。
財界も政府も、「賃上げ」と「長時間労働の是正」が必要と認めながら、“収入を増やしたいなら、もっと働け”“時短をのぞむなら非正規で働け”と「賃上げか、時短か」の二者択一を迫り、労働時間規制のさらなる緩和をねらっている。このわなに陥ってしまったら、労働者の苦しい暮らしは打開できない。「賃上げも、時短も」と、双方を求めるたたかいを発展させよう。
自分の生活を楽しむ、家族や友人と過ごす、社会的交流と活動をおこなう--自由な生活時間を拡大し、ほんとうに豊かな暮らしを手にするために、職場と政治を変えよう。
消費税は増税、大企業と大株主には減税と優遇--この不公平な税制は、国民生活を悪化させ、経済危機の重大な要因の一つとなった。物価高騰が、そのまま消費税負担のさらなる引き上げとなって家計に重くのしかかり、インボイスによってフリーランスや小規模事業者からは怨嗟(えんさ)の声があがっている。
高市政権は、国民の要求におされて消費税減税と言わざるを得なくなったが、「2年限定、食料品だけ1%」では、2年後の大増税を「確約」することになる。しかも、財源も示さない。この政権には不公平税制をただすという基本的立場がかけらもない。
消費税は廃止をめざし、ただちに5%に減税を。インボイスは廃止を。“タックス・ザ・リッチ”--大企業と超富裕層への減税と優遇の見直しを。公平・公正な税制への改革で、暮らしと営業を守り、経済を立て直そう。
「成長のために痛みに耐えろ」「制度の持続可能性のため」--新自由主義の政策によって医療、年金、介護、障害者、生活保護など、あらゆる分野で社会保障の切捨てが続いている。それは国民の生活不安に拍車をかけ、経済の長期低迷をひどくするとともに、医療・介護は基盤の崩壊という制度の危機に直面している。高齢者と現役世代を対立させ、社会保障削減を押し付ける、悪らつな手法がとられている。
社会保障は、人間としての尊厳を全うして生きるための憲法で保障された権利である。社会保障の充実と安心は、経済を人間本位に発展させるうえでも最良の力となる。
あまりに学費が高く、「大学進学をあきらめる」「バイトでくたくた」など、若い世代の負担は限界を超えている。ところが、自民党政治は「受益者負担」だといって、大学学費の値上げを容認・推進し、「奨学金」という借金を学生に負わせている。この間、国民的な運動で、学校給食費の無償化、高校授業料の無償化・減額を実現してきた。若者の未来を奪う大学学費値上げを止め、値下げ、無償化へ向かわせよう。まだ残っている教育費負担を解消し、制度化も実現させよう。
ただすべきは、青天井で増え続ける軍事費であり、大企業へのバラマキである。国の予算は、まず社会保障と教育へ--国民の暮らし最優先の財政の抜本的改革を求めよう。
ケア労働--医療・介護・教育・保育・障害者福祉などの労働は、生きている人間に働きかけ、人間の生命・発達・尊厳を保障する労働である。人間同士の全人格的なコミュニケーションを通じて、ケアをする人と、受ける人とが、ともに成長していくことにも、ケア労働の素晴らしさがある。労働の現場にさまざまな困難がありながら、多くのケア労働者がやりがいと誇りをもって頑張っているのは、この労働が、人間の尊厳を支え、人間社会の豊かさを支える、かけがえのない尊い意義をもっているからである。
ところが、自民党政治は、ケア労働の専門性や重要性を理解しようとせず、その処遇も配置基準もあまりにも低く抑えつけ、介護や医療に「効率」を押し付ける改悪を続けてきた。
すでにケア労働者は労働者の7人に1人に達し、ケアを受けている人を含めれば、その社会に占める比重は大きい。社会の変化とAIなど技術革新のもとで、ケア労働の比重は今後ますます高まってくるだろう。ケア労働を人間的なものとすることは、社会全体を人間の尊厳が尊重される社会にするということである。ケア労働を粗末にあつかう政治をあらため、人間の生命・発達・尊厳を守る、社会にとってかけがえのない公的な仕事として位置づけ、その専門性と重要性にふさわしい待遇の抜本的改善をはかろう。
「小さな政府」「自己責任」を押し付ける新自由主義によって、国や自治体が、住民に責任をもって提供すべき、住宅、交通などの公共政策が大きく後退し、災害対策も劣悪なまま放置されている。
家賃や住宅価格の高騰、高齢者やシングル女性が住居を借りられない--生存権の基盤である住まいが自己責任にされている。公的住宅の建設・供給をすすめ、欧州で当然となっている家賃補助制度や、家賃減税制度を日本でも創設しよう。住宅高騰と不動産投機を招いた規制緩和と大規模開発を見直し、“住まいは人権”の立場に立った住宅政策をすすめよう。
公共交通を「民間任せ」にし、大きく後退させた政治の責任はきわめて大きい。鉄道網を守るため、鉄道インフラを国が保有・管理し、運行はJRがおこなう上下分離方式を導入し、地方鉄道・バスの路線維持のため「公共交通基金」を創設し支援する。交通・移動の権利を保障し、安全性を大前提にした公共交通政策に転換しよう。
大規模災害が相次ぐもと、避難所の実態が100年前と変わらないことが大問題になっている。48時間以内の「TKB」--仮設トイレ、温かい食事、ベッドという政府指針を実行するために、備蓄を自治体だけにまかせるのではなく、国が必要な備蓄をおこない、災害発生時に迅速な支援ができる体制を抜本的に整備する。住宅再建、被災者の二重ローン問題への支援など、被災者の生活と生業(なりわい)を再建するための対策を抜本的に強化する。防災・減災のまちづくりをすすめる。
新自由主義によって、中小企業・小規模事業者の切り捨て・淘汰(とうた)がすすめられている。中小企業は日本経済の根幹であり、「社会の主役として地域社会と住民生活に貢献」(中小企業憲章)する存在である。大企業への内部留保に適切に課税して中小企業で働く労働者の賃上げへの直接支援をおこなう。大企業の横暴から中小企業を守るルールの整備、資金繰りの支援などの振興策をすすめる。
わが国の食料自給率は先進諸国で最低の37%、主食である米の安定した生産と供給もできない状態である。農業の担い手は100万戸を割り、生産基盤の弱体化がすすみ、日本の食と農は危機に直面している。それでも農産物の輸入自由化をさらに拡大しようという政治は、断じて許されない。農業をはじめ第1次産業を国の基幹産業として位置づけ、価格保障・所得補償、農業の担い手育成をはじめ、支援を抜本的に拡充する。食の安全と安定供給への責任を果たす政治に転換しよう。
気候危機は、日本でも、豪雨災害、猛暑、農業や水産業への打撃など、深刻な被害をもたらしている。国連が求める「前例のない行動」を日本政府もとるべきである。化石燃料と原発にしがみつく政治を終わらせよう。石炭火力からの撤退、省エネルギー、原発ゼロとともに、市民参加で再生可能エネルギーを大規模にすすめ、温室効果ガスを「2035年度までに13年度比75~80%削減」させよう。
AIの無秩序な開発・利用が、人類社会に重大なリスクをもたらしている。日本政府に対して、米中をはじめとする開発国に、最先端AIの開発の一時停止・中止を求め、AIを人間の制御のもとに置くための規制と監視の枠組みをつくる国際協定を締結するよう、国際社会に働きかけることを強く求める。
AI利用が、国民生活と社会の発展に資するものとなるために、国として、リスクを調査・評価し、AI開発や大規模に利用する企業への監督・指導をおこなう。AIリストラ・不況を起こさないための対策、個人情報・プライバシー・著作権の保護、データセンターによる環境破壊の規制などをすすめる。AIを運用する巨大企業は、プラットフォームを持っているというだけで、国民から巨万の富を収奪しており、国内的にも、国際的にも、適正な課税をはじめ民主的規制のもとに置くことが必要である。AIの軍事利用を厳しく禁止するルールをつくることは急務である。
子どもを権利の主体として尊重せず、過度な競争と管理を押し付ける教育政策によって、子どもたちは強いストレス状態に置かれ、成長と発達が阻害されている。過度な競争・管理・詰め込みの教育をあらため、教職員の長時間労働を解消し、子どもが人間として大切にされ、その全面的な発達を保障する学校をめざす。
党は、「不登校についての提言」(2025年5月)で、「不登校は子どものせいではない」「親のせいでもない」、子どもの心が傷ついた状態であり、「子どもには休む権利がある」とよびかけ、深い共感が寄せられている。子どもも保護者も安心できる支援の充実を求める。子どもと教育、不登校などについて安心して話ができ、語り合い、学び合えるつどいにとりくみ、手をつなぐことを大切にする。
日本国憲法とともに、子どもの権利条約の四つの原則--差別されない、最善の利益、生存と発達、意見を表明し尊重される--を、全ての施策、社会にゆきわたらせるために努力する。
ジェンダー平等に逆行する政権に抗し、「女性の休日」のとりくみに全国1万人以上が参加するなど、市民・女性の連帯は大きく広がっている。
2024年10月、国連の女性差別撤廃委員会は日本政府に、6回目となる勧告をおこなった。雇用分野では、間接差別をなくすなど11項目、選択的夫婦別姓の導入は4度目の勧告となった。勧告に先立つ審査では、過去最大規模の団体・個人が参加し、連帯してリポートを提出するなど、国内の運動を推進する力となっている。市民・女性たちと連帯し、女性差別撤廃条約の全面的な実施を求める。
一部改定案は、「性と生殖に関する健康と権利」(セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス&ライツ=SRHR)を保障することを、綱領の課題として明記した。すべての人には性自認・性的指向、子どもを持つか持たないか、妊娠の時期などについて、誰にも強制されず自分で決める権利があり、そのために性や生殖について十分な情報と知識、必要な医療やケアをすべての人に保障する--SRHRは国際的に認められた基本的人権である。包括的性教育、中絶の配偶者同意要件の廃止、安全な避妊・中絶、地域で産める医療体制の充実など、日本のSRHRを国際水準に引き上げるために力を注ぐ。
性を「買う」ことを禁止し、「売る」側を非処罰化して支援対象とし、「売春防止法」は廃止を含めて抜本改正する。人間による人間の搾取をなくし、人間の支配・被支配の関係をなくすことをめざす党として、性的搾取のない社会の実現をめざす。
難民申請の抑制、強制帰国を強化する法制度が強行され、まともなヒアリングもなく送還を決め、日本で育った子どもが退去させられる、家族が引き離されるという事態が相次いでいる。さらに、高市政権は、永住権の厳格化など、外国人排除と管理の強化を求めている。日本の排外主義は、侵略戦争と植民地支配の無反省と深く結びついている。
党は、差別・排外主義に反対し、多文化共生社会をめざす。政府・政党・政治家が、排外主義を喧伝(けんでん)することをやめるよう求める。この問題を克服するために、暮らしや経済の困難は「外国人のせい」ではなく、新自由主義の経済政策、資本主義の矛盾にこそ、根本的要因があることを、事実にもとづいて国民に知らせ、対話をすすめる。差別・排外主義を許さない市民の運動が、多くの国民に理解される活動形態をもって発展し、連帯の輪が広がるよう党として努力する。
「先住民への差別をなくす」うえで、アイヌ民族の遺骨や副葬品の収集・保管に対して、人類学・考古学の学会や大学が謝罪文を公表し、遺骨の返還が行えるようとりくみが進んでいることは重要である。長年、人権を侵害されてきたアイヌ民族の先住権確立へ、取り組みを強める。
国民の要求運動・たたかいを発展させ、運動団体を強くすることは、国民的な共同と団結=統一戦線によって政治を変えようという、社会変革の展望をもつ日本共産党の重要な任務である。党は、国民運動に参加するさいに、「四つの原則」(①切実な要求の実現、②運動を担う組織の前進・強化、③結びつきを生かした党勢拡大、④市民的モラルを大切にする)を貫く。
「戦争反対」「憲法守れ」を土台に、高市政権そのものに抗議し、一人ひとりの市民が自主的・自覚的にデモ・アピールをおこなう新しい運動が広がっている。党は、この運動に連帯するとともに、参加する市民とつながり、政治を変える展望をともに学び、語り合い、持続的に運動の発展がはかられるよう努力する。
約6000万人の労働者の多数が、自覚的に労働組合に結集してたたかってこそ、社会変革の事業が前にすすむ。
この間、日本共産党は、建設、教育、自治体、ケア労働など、分野ごとの「集い」にとりくむなかで、それぞれの労働組合の特徴や歴史、それぞれの現場の実情をふまえて、労働運動の発展を労働者とともに探求するとりくみをすすめてきた。このとりくみをあらゆる分野に発展させ、民間大経営などにも広げていく。
労働者階級としての自覚と成長は、労働組合運動を発展させるうえで不可欠である。「赤本」「青本」「緑本」の学習を、労働者とともにすすめ、労働者のなかに『資本論』を読むムーブメントを起こすことに挑戦しよう。
大軍拡や憲法9条改憲反対をはじめ、緊急の要求での一致点にもとづく共同は、平和・暮らし・人権での逆行をとめ、新しい政治をつくる力である。
同時に、自民党政治のゆきづまりは限界点に達しており、政治革新への統一戦線を国民のなかに広げることがいま強く求められている。党は、革新懇運動と共同して、「三つの共同目標」--①日本の経済を国民本位に転換し、暮らしが豊かになる日本をめざす、②日本国憲法を生かし、自由と人権、民主主義が発展する日本をめざす。③日米安保条約をなくし、非核・非同盟・中立の日本をめざす--を国民のなかに広げ、国民多数を結集する独自の努力に力を注ぐ。
第29回党大会期、わが党は3回の国政選挙で悔しい後退をきっした。その一つひとつについて真剣な総括をおこない、党活動と選挙活動の刷新をはかるとともに、何より党づくりの遅れを克服するために努力してきた。
同時に、この間の一連の選挙では、自民党政治が危機に陥るもとで、補完勢力や極右・排外主義の政党が、国民の怒りや不満の「受け皿」となる複雑な情勢も展開した。26年2月の総選挙では、高市首相がクーデター的な解散・総選挙に打ってでるもとで、「変えてくれそう」という「受け皿」となった。
しかし、暮らしへの無関心、大軍拡と大企業へのバラマキ、国旗損壊処罰法や皇室典範改悪の強行などによって、高市政権への期待はしぼみはじめている。自民党政治と国民の矛盾が激化し、高市政権そのものに反対する市民の行動や、保守的立場の人々からの批判が広がるもとで、自民党政治と対決軸を持たない政党が、その存在意義を失う状況が生まれている。
こうした新しい政党配置によって、高市政権に正面から立ち向かい、希望ある対案を掲げる日本共産党の値打ちが見えやすくなり、輝く情勢が生まれている。打って出るならば、党が前進できるチャンスの情勢が目の前に広がっている。これは、全党が、不屈に、団結して、国民の利益に立って奮闘してきたからこそ生まれている情勢の変化である。国民の要求を掲げ、日本共産党の姿を堂々と示し、第30回党大会期の一大任務として、国政選挙での反転攻勢を必ずやりとげよう。
反転攻勢を果たすうえで最も重要な選挙が、衆議院選挙の比例代表選挙である。「比例450万票、得票率7・5%以上」の達成へ、衆院比例ブロックごとの得票目標と議席の目標を、都道府県・地区委員会、支部まで徹底し、その実現のための日常的な活動を党活動全体の「軸」にすえる。比例ブロックごとに議席獲得に必要な得票率を明確にし、日常的に支持を積み重ねていく。
小選挙区では、沖縄1区の議席奪還とさらなる議席増をめざす。比例を軸として「各都道府県で1選挙区以上」の候補者擁立をすすめ、「小選挙区でも勝利する戦略的目標をもち、日常的・系統的に活動する候補者を擁立する選挙区」を重点的に設定して奮闘する。
2028年参院選では、比例代表で現有3議席を絶対守り、議席増をめざす。東京選挙区の現有議席を絶対確保し、過去に獲得していた選挙区での議席奪還に挑戦する。
日本共産党の国政選挙での躍進こそ、自民党政治への最も厳しい審判となり、新しい政治への展望をひらく力となる。新たな統一戦線を構築するうえでも、わが党の躍進が最大の力となることを訴えぬき、必ず反転攻勢を果たす。
統一地方選挙は、地方政治をめぐる二つの流れの対決--弱肉強食の新自由主義による公的責任・住民サービスの縮小・後退、国の悪政の「出先機関」化を許すのか、それとも住民の要求を実現し、自治体本来の役割=公共をとりもどし、国政を前に動かす流れをつくるのかが問われる選挙となる。
大阪では、維新の会が「副首都」を口実に統一地方選挙と同日で、市民が2度否決した、大阪市を廃止・分割する都構想の住民投票をたくらんでいる。これを許さないことも重要なたたかいとなる。
わが党の前進・躍進は、①住民の福祉の増進という自治体本来の役割を果たさせ、「公共をとりもどす」一番の力となる、②暴走する高市政権にノーの審判を下し、地方から新しい国民的共同をつくる、③党の自力の中核である地方議員の前進で国政選挙での反転攻勢の突破口を開く--という重要な意義をもつ。
道府県議会選挙では、5県(新潟、福井、静岡、福岡、熊本)の県議空白を克服し、新たな空白を絶対につくらず現有議席を絶対確保するとともに、前回失った議席回復、新たな議席に挑戦する。政令市議の現有議席の絶対確保と空白区の克服をめざす。後半戦でも現有議席の絶対確保と議席増をかちとる。改定綱領と党大会決定を力に、必ず勝利をつかもう。
東京・清瀬市、大阪・忠岡町など、新たな共産党員首長の誕生は、「公共をとりもどす」「市民参加の地方政治」への希望を広げている。「オール与党」体制が住民の願いに背を向けているもとで、首長選挙では市民との共同の流れをつくり、新たな前進に力をつくそう。
地方議員がその役割を果たし、生き生きと活動し、党員として成長することを保障するために、地方議員団を確立し、日常的な政治討議・学習とともに、改定綱領、科学的社会主義、党規約と党建設、党史の4課目の学習に系統的にとりくみ、政治的・理論的確信を培おう。中央と地方党機関が協力し、地方議員の成長を援助する。
第29回党大会決定は「三つの突破点」(①全有権者規模の大量宣伝、②訪問対話・担い手づくり、③「SNSに強い党」)での新しいたたかいをよびかけ、全国でさまざまな努力と奮闘がおこなわれた。これを踏まえ、「三つの突破点」を発展させ、全有権者規模の大量宣伝と後援会活動をさらに強める。
全有権者規模の大量宣伝で、党の勢いを示そう。「声の宣伝」では、支部のハンドマイク、宣伝カー、マイ宣伝カー(自転車を含む)にとりくもう。ポスターは、訪問対話での新規開拓、街頭宣伝や演説会でのポスター手渡し作戦など、まずは、全国50万規模で張り出そう。
後援会ニュースを届けることを中心に、現在270万の後援会員を擁していることは、選挙活動の担い手を広げ、「国民とともにたたかう選挙戦」にしていく重要な土台となる。支部に対応する単位後援会、分野別後援会の活動の日常化をはかり、人間的信頼関係、協力関係を強化しよう。得票目標に相当する後援会をつくろう。
JCPサポーターの登録者を広げ、大量宣伝への協力をよびかけよう。JCPサポーターのホームページを活用し、都道府県・地域の活動での協力関係を強めるとともに、マンスリー寄付を広げ、サポーターとともにたたかう選挙の新時代を開こう。
そのうえで、選挙活動の次の二つの大改革をよびかける。
2024年総選挙の総括から、「要求対話・要求アンケート」が戦略的大方針として開始された。とりくんだ支部では「対話が楽しい」と確信になり、「ストリート対話」「訪問対話」「赤テント」など多彩なとりくみが始まっている。全国の経験に学び、次の5点で活動を発展させ、「対話型・循環型」の新しい選挙活動、楽しい選挙活動にとことんとりくもう。
①相手の願いを聞くことからはじめる--国民のありのままの声を聞くことは、さまざまな情勢のもとでの国民の意識の変化、生きた要求をつかむ最初の一歩である。つかんだ声を党の政策や訴えに反映させ、新鮮にバージョンアップすることもできる。また国民の声を真剣に聞く日本共産党の姿が伝わり、党への新たな信頼も寄せられている。あらゆる活動で「聞く」姿勢を大切にしよう。
②ともに考える姿勢で対話する--党の政策や考えを一方的に押し付けるのではなく、情報を提供してともに考える姿勢に徹する。異なる意見があって当然、歓迎という気持ちでとりくもう。要求や意見に合わせて、党の政策を情報提供し、対話を楽しもう。対話の後、「しんぶん赤旗」見本紙や、チラシ、ホームページやSNSの二次元コードを渡して、党の政策に触れてもらえる機会をつくろう。
③願いは一緒に実現する--解決に向けて話し合い一緒に運動にとりくもう。対話の中で出された要求を党だけで解決せず、一緒に要求運動にとりくむ。要求こそ、主権者としての成長の力である。ともに知恵を出し合って、楽しい要求運動へと発展させよう。
④ノッキング(軒並み訪問)、ストリート対話、テーブル作戦を組み合わせる--戸建てや団地での「軒並み訪問」、オートロックマンションの多い地域ではストリート対話、公園やスーパー前でのシールアンケート、駅前広場でのテーブル作戦など、多様な形を組み合わせてとりくもう。
⑤「出かけていく」だけでなく「来てもらう」--お祭り、ライブ、展示会、関心に応える「集い」など楽しいイベント、相手が「参加したくなる」企画でつながろう。
中央として、「フェスタ・赤旗」(仮称)を開催する。党と後援会、サポーター、ボランティアが支えあい、力量に見合った適切な規模で、定期的に開催していく。
いまSNSは、利益を得る手段となり、注意をひきさえすればいいという「アテンション・エコノミー」によって、刺激の強い発信ほど拡散され、デマや誹謗(ひぼう)中傷に世論が左右される危険な事態が生じている。支配勢力は、莫大(ばくだい)な資金を用いてSNSを活用し、社会変革をめざす勢力をおさえこもうと策動している。
一方、「デモ・カレンダー」やSNSでの呼びかけで、ペンライト集会やスタンディングへの参加が広がる新たな流れもつくられている。ストリート対話の動画に、「安心して政治のことが話せる」という共感も広がっている。SNSを、攻撃や誹謗中傷の手段ではなく、社会進歩をめざす人々の連帯をつくるツールとして活用し、次の方向で全党のとりくみを抜本的に強めよう。
--伝わる言葉・コンテンツを開拓する。マルクスや『資本論』への関心も高い。わが党ならではの面白くてためになる発信、政策・理念・活動、不屈の情熱などが初めて触れる人にも伝わる発信に挑戦する。
--情勢の変化や攻撃への即応力と理論的力をつける。発信のタイミングはSNSの影響力を大きく左右する。攻撃に適切・的確に対応していく。その際、個人の生命や人格を否定したり、プライバシーを侵害する発信、差別的言動や誹謗中傷は厳に慎む。
--SNSとリアルの結合力で勝負する。「要求アンケート」「ストリート対話」などをSNSでも発信し、活動への協力もよびかけて、SNSでの接点を地域・職場・学園での活動につなげていく。
--発信量・拡散量を増やす。党員・後援会員の規模からみても、動画視聴数・拡散数ともあまりに少ない。党公式、国会議員、地方議員、候補者の発信とともに、個人アカウントでの発信・拡散量を圧倒的に増やす。全党がSNSを駆使できるようになるとともに、JCPサポーターとSNSの発信・拡散での協力関係を強める。
この大改革のカナメとなる中央委員会のSNSの抜本的な体制強化をはかる。
前大会以降、わが党は、理論的にも組織的にも、つよく大きな党をつくろうと、党建設での努力と奮闘を一貫しておこなってきた。
全党の努力によって、第29回党大会後の2年8カ月で、1万134人の新入党員を迎えることができた。新しく党の一員となった同志のみなさんに、心からの歓迎のあいさつをおくる。
全党は、第30回党大会を、第29回党大会時の党勢力を上回って迎えようと奮闘のさなかにある。現状は、党員現勢で1万9千人を前進させ、「しんぶん赤旗」読者は、日刊紙1万6千人、日曜版8万6千人を前進させることができれば、この大会期を、党勢の後退から前進への転換を実現した大会期にすることができる。
第8回中央委員会の「手紙」に対して「返事」を寄せていただいた支部・グループは57%まで広がっている。党大会に向けて、この運動を文字通り100%の支部・グループの運動に発展させ、すべての支部と党員が参加する党勢拡大運動を作り出し、党勢を後退から前進に転じるという大仕事をやりとげて第30回党大会を迎えることができるよう、最後までの全党の同志のみなさんの奮闘を心から訴える。
第30回党大会期の党建設・党勢拡大の目標は、大会までの大運動の結果を踏まえて、大会での中央委員会報告で提案するものとする。
日本共産党の党建設の歴史的発展段階をどうとらえるか。たしかに、いまわが党は、党建設上の大きな困難に直面している。なかでも私たちの事業を若い世代と労働者に継承していく世代的継承は、党にとっての死活的課題となっている。その大局的な展望をどこに見いだすか。党の104年の歴史を踏まえた理論的到達、政治的到達、そして組織的到達の三つの角度から現状と展望をつかみたい。
理論的到達という点では、わが党の到達点は、世界で先駆的な位置にあるといっても過言ではない。それは、綱領一部改定案に鮮明にしめされている。『資本論』を導きに、「人間の自由」「自由な時間」を軸とするマルクスの未来社会論を改定綱領(案)に明記している点で、今日の世界のなかでも日本共産党の立場はきわだったものである。21世紀の世界論、多数者革命と社会の段階的発展論などでも、党綱領の先駆的立場は抜きんでたものである。そのすべてが旧ソ連流の「マルクス・レーニン主義」を名乗ったマルクスの理論の歪曲(わいきょく)の清算のうえに築かれたものであり、その土台となっているのは、先人たちのソ連覇権主義の干渉との「政党の生存権をかけたたたかい」と、これによって打ち立てた自主独立の確固とした立場がある。
社会発展の法則をとらえた理論なしに党をつくることはできない。いま、全党は、改定綱領(案)という、党建設をすすめるうえでまったく新しい条件を手にしている。わが党の理論的な到達点は、それを分かりやすい言葉で伝えるならば、必ず若い世代と労働者の心に響くものとなる。ここに深い確信をもって進もう。
政治的到達という点では、わが党は、現在の瞬間の国会勢力で見れば、衆議院・参議院ともに議席が1けた台という重大な到達にある。しかし、国民のなかでの政治的影響力という点では、大きな政治的存在感をもっている。
「しんぶん赤旗」がもつ政治的・社会的影響力の大きさは、多くの巨大メディアが権力の監視役としての本来の役割を果たしているとはいえない状況のもとで、わが国の言論と民主主義を支える、かけがえのない国民的意義をもつものである。
地方議会で、日本共産党は、2100人を超える議員を擁し、自民党、公明党につぐ第3党の地位をしめ、地方議員のみなさんが住民の利益を守って日夜活動していることは、わが党の大きな誇りである。「しんぶん赤旗」の読者、地方議員ともに、後退から前進に転ずるという大きな課題があるが、現在、国民のために果たしている存在と役割に深い確信をもって、前進に転じよう。
組織的到達は、わが党の活動のなかでも、最も遅れた分野となっている。党は年齢構成という点でも、後退傾向が続いてきたという点でも、組織的に多くの困難を抱えていることは、全党のみなさんが痛感されていることだと思う。
しかし、現在、わが党は、全国で23万人をこえる党員を擁し、1万6千の党支部をもち、党員と支部のみなさんは、草の根で国民と結びつき、国民の苦難軽減という立党の精神にたって奮闘している。長年党を支えてきたベテランの党員が、その知恵と経験を生かして活動していることはわが党の強みであり宝である。若い世代、真ん中世代の党員が新鮮で創造的な力を発揮していることは、わが党の希望である。わが党は、財政面でも、企業・団体献金も政党助成金も受け取らず、国民にのみ支えられた自前の財政を維持しているからこそ、あらゆるしがらみがなく、国民のために頑張ることができる。草の根で自前の組織をもち、それを維持し、国民のために献身している党は、わが党のほかには存在しない。たくさんの打開すべき困難はあるが、先人たちの努力も含め、これまで営々とつくり、維持してきたこれらの到達点を過小評価すべきではない。
世界で先駆的な位置にある理論的到達、国民のなかでの政治的影響力を生かし、現に頑張っている党員と支部の力に自信をもち、改定綱領(案)を生かして奮闘すれば、必ずつよく大きな党をつくることはできる。
改定綱領(案)を全党員が学び、国民の中に語り広げ、全支部が党勢拡大にたちあがり、党づくりの歴史的躍進をかちとろうではないか。
第30回党大会期の一大プロジェクトとして、全党が改定綱領(案)の学習・対話・党勢拡大の大運動にとりくむことを心からよびかける。
改定綱領(案)を全党員が学び、「知的魅力、政治的明るさと、理論的活力がみなぎる党」「情勢の紆余(うよ)曲折や支配勢力の攻撃にたじろがず、大局的展望を持って頑張りぬく党」になることを、党の質的建設の第一義的課題にすえる。
都道府県・地区が綱領講座を開こう。支部は読み合わせての綱領学習をすすめよう。「赤本」「青本」「緑本」を綱領の副読本として位置づけ、引き続き学習運動にとりくもう。
「世界をどうとらえるのか」「政治を変えることはできるのか」「資本主義のシステムをこのまま続けてよいのか」、気候危機、AI、ジェンダー平等、ケア労働など、多くの国民がもっている関心、疑問、要求を入り口に、改定綱領(案)で、対話と「集い」にとりくもう。「要求対話」「ストリート対話」での「綱領対話」に挑戦しよう。
“綱領を渡して読んでもらう”“「集い」や入党懇談会で綱領を語って働きかける”という、綱領と規約にもとづく入党の働きかけで党員拡大の大運動を起こそう。「改定綱領(案)パンフ」を使って、すべての支部と党員が、入党の働きかけに踏み出そう。入党の働きかけの日常化をはかろう。
党に迎えた新入党員の成長と支部活動への結集を十分にはかりきれていない弱点を、改定綱領(案)を力にして克服しよう。新入党員教育を必ずおこなうとともに、支部での歓迎会などをもち温かく迎えよう。党機関が、新入党員一人ひとりの成長と活動参加についての実情をつかみ援助しよう。
第29回党大会決定で「多数者革命と日本共産党の役割」、「民主集中制を堅持し、発展させる」意義を明らかにしたことは、党づくりの指針として生きた力を発揮してきた。
民主的な議論を通じて方針を決定し、決定したことはみんなで実行する--規約にもとづき、党内民主主義と行動の統一(民主集中制)を大事にしているからこそ、わが党は、情勢の波乱や複雑さ、さまざまな困難にぶつかっても、党の統一と団結を守り、国民の利益にたってたたかいぬくことができる。
この組織原則をしっかり守ってこそ、実践から教訓を引き出し、党の英知を結集して方針を発展させることができる。そのことは、8中総の「手紙」と「返事」のとりくみで、党機関の活動の改革、中央委員会の応答と自己改革が始まるなど、「双方向・循環型」の活動の発展にも示されている。
党の団結と、一人ひとりの党員の力を生かすうえで、ジェンダー平等とハラスメント根絶への真剣な努力がいっそう求められる。だれもが互いに対等・平等な仲間として尊重しあう同志的連帯をきずくとともに、党員として成長するために、不断に学び、率直な自己・相互批判ができる党に成長しよう。
青年・学生、労働者、30代~50代の真ん中世代の中に党をつくるために、すべての支部・グループ、党機関が協力して、この世代に働きかけることに思い切って力を注ぎ、新たな時代を担う党へと発展していくことが、党の重要な課題となっている。
前大会以降、努力を重ねてきた、「全党がとりくむ世代的継承の活動」への開拓的挑戦を、さらに発展させよう。
第一は、「要求対話・要求アンケート」と「赤本」「青本」「緑本」の学習・対話運動--「二つのチャレンジ」を、全地区・全支部の運動へと発展させることである。
「要求対話・要求アンケート」「ストリート対話」で青年・学生、労働者と結びつき、「赤本」「青本」の読書会・学習会への参加をよびかける--「二つのチャレンジ」をセットでとりくむことが、世代的継承を軸とした党員拡大の法則的な発展方向となっている。
「要求対話・要求アンケート」の活動を、選挙勝利とともに世代的継承への「戦略的大方針」に位置づけ、すべての支部・党組織がとりくもう。
「赤本」「青本」「緑本」、そして『資本論』の学習は、日本共産党を支持しているかどうかに関係なく参加できる、ハードルの低い活動である。この学習を支部の中心任務に位置づけ、とくに、党外の人々、若い世代や労働者と一緒に学ぶ読書会、学習会にとりくもう。大学でも大いにとりくもう。読書会の日時・場所を告知する「赤本カレンダー」を活用しよう。
第二に、改定綱領(案)を生かして若い世代・労働者の「集い」「ミーティング」の開催と「つながり名簿」づくりをすすめ、入党の働きかけをすすめることである。
前大会以降、青年・学生、労働者、真ん中世代が企画の主人公となって、創意ある楽しい「集い」の開催が広がるとともに、このとりくみを節に、党機関と支部が50代以下の「つながり名簿」をつくり、系統的に働きかけをおこない、若い世代とベテラン党員の力が合流して、世代的継承の大きな推進力となっている。
これらの活動を、改定綱領(案)を生かした活動へとさらに発展させ、全党の力で世代的継承をすすめよう。
第三は、職場・労働者のなかでの党づくりである。
前大会以降、建設、教職員、自治体、医療・福祉、保育、民間など各分野の労働者の実態と要求、職場の矛盾と労働者のたたかいの特徴を党として分析し、科学的社会主義の見地から労働組合の役割と今日における労働運動の階級的・民主的強化の方向を明らかにしたことは、職場・労働者の党づくりで後退から前進に転じる重要な足掛かりをつくりだしている。
この成果を本格的に党づくりの力にしていくのは、これからの課題である。労働運動の強化と一体に、全党あげて職場・労働者の中での党づくりにとりくもう。
①三つの法則的活動で職場支部の抜本的強化を
職場支部の「返事」には、さまざまな困難とともに、職場の矛盾と厳しい労働条件のなかで、労働者との人間的信頼関係を築き、職場の党の灯を守り前進させようと奮闘する不屈の努力がつづられている。
前進している職場支部の教訓は、①「党機関と支部が協力し、労働者の分野ごとの『集い』を開いて働きかける」、②「労働組合運動の階級的・民主的強化、未組織労働者の組織化と一体に党づくりをすすめる」、③「『赤本』『青本』の学習・対話運動にとりくむ」という、三つの法則的活動をすすめていることにある。とりわけ、分野別の「集い」と「赤本」「青本」が、職場支部のかけがえのない存在意義、労働者党員としての誇りと生きがいを呼び起こすとともに、党勢拡大への活力と踏み切りを深いところから励ましていることは重要である。
これらの教訓に学び、職場支部の活動の抜本的強化、現役労働者への系統的な働きかけをすすめよう。
党機関と地域支部が、迎えた労働者党員の学習を援助し、労働者党員が労働組合に入ってたたかいを発展させ、新たな職場支部の結成を目標にとりくみをすすめよう。
中央委員会として、適切な時期に「職場問題学習・交流講座」を開催する。
②退職党員の転籍--党全体としてつよく大きな党をつくるカナメのとりくみとして
職場支部の退職党員が転籍し、新たな活動につくことを、党全体としてつよく大きな党をつくるうえでのカナメのとりくみの一つとして位置づけて推進する。
退職党員のみなさんに心からよびかける。転籍は、党員としての人生の大きな岐路であり、戸惑いや不安が伴うものではあるが、多数者革命を推進する日本共産党員としての生き方を貫くために、新しい一歩を踏み出そう。職場で不屈にたたかいぬいてきたあなたの経験と力を、新しい場所で発揮していただくことを、重ねて心から訴える。
職場・労働者の中での党づくりの経験は地域支部のなかで発揮することができる。この間の労働者の入党の3分の2は地域支部での入党である。転籍を、「労働者の中での党づくりの新たな一歩」と位置づけ、地域支部で労働者党員を増やし、労働運動を発展させるうえでも、職場で鍛えられたあなたの力を発揮していただくことを訴える。
第四は、学ぶとりくみを抜本的に強め、1万人の青年・学生党員、数万の民青をつくることである。いま、「青年・学生のなかで大きな党と民青同盟をつくる歴史的チャンス」(第28回党大会8中総「特別決議」)であることが、いよいよ鮮明になっている。
平和・憲法のたたかい、「要求対話」「ストリート対話」、「高校生セミナー」、「赤本」「青本」読書会など、青年・学生と“出会う”“つながる”“働きかける”活動に打って出たところでは、困難があった党組織でも3人、5人、10人と青年・学生を党に迎えている。青年・学生の党づくりを、機関会議で不断に討議・具体化している党機関で前進をしていることが大切な教訓である。
アメリカでのマルクス研究者との理論交流で、米国で「第4のマルクス・ブーム」が起こっていることが話題になり、とくに今の20代、30代の若者たちが、「旧ソ連時代の悪い影響を受けていない」ことが指摘された。これは、日本でも同じである。日本の若者もまた、現在の資本主義の諸矛盾を最も敏感に感じ取り、社会主義にたいする偏見や誤解もかつてより少ない。
学ぶとりくみを抜本的に強め、2028年末をめざす「5カ年計画」を推進し、改定綱領(案)を力にして、1万人の青年・学生党員、数万の民青を実現しよう。
①「生きた目標」をつくり、学生、青年が主人公の支部活動と党員拡大を
「手紙」と「返事」のとりくみを通じて、学生支部、青年支部が「生きた目標」をつくり、学生、青年が主人公となった支部活動と党員拡大がすすめられていることは、前大会以降の前向きの変化である。
学生支部は、「三つの任務」--①学習を最優先の課題として重視し、社会の各分野の担い手として成長する、②学生の切実な要求実現、知的関心にこたえる活動にとりくみ、学生のなかに党をつくる、③民青の活動の前進と組織の発展の先頭に立つ--にもとづいて、改定綱領(案)や科学的社会主義の学習、学生の要求・関心にこたえる活動にとりくみ、学園ごとの民青班建設、党支部建設の目標をもって党づくりにとりくもう。学習によって民主主義的未来、社会主義的未来の担い手として成長することこそが、学生党員の最大で最優先の任務であることを強調したい。
青年支部に所属する党員を、原則30歳までとし、職場支部や地域支部に転籍する努力がおこなわれたことは、青年支部の活動確立の力になっている。青年党員が要求実現のたたかいや選挙、民青班の活動の先頭に立つとともに、職場・地域で党をつくる担い手に成長することを重視しよう。
②民青の基本的性格を輝かせ、班を基礎にした活動の援助を
民青同盟が、街頭対話、若者憲法集会、「赤本」「青本」学習などを通じ、組織的前進をはかってきたことは希望である。青年の要求実現に力をつくすとともに、党綱領と科学的社会主義を学び成長することを基本的性格とする民青同盟にとって、改定綱領(案)は、青年のなかで一段とその魅力と役割を輝かせ前進する、新たな条件となる。学習の援助は、党の民青に対する援助において、最大で最優先の課題にしなければならない。
民青同盟は、班を基礎にした活動の強化と機関体制の確立が大きな課題となっている。党として、すべての地区委員会が、民青の班の建設と班活動確立への援助をおこなおう。すべての都道府県委員会が、民青の都道府県委員会体制の確立に責任をもち、学習と実践を通じたリーダーづくりを民青と共同してすすめよう。
みんなが楽しく生き生きと参加できる支部をどうつくるか、「返事」で切実な悩みが寄せられた。同時に、「返事」には、「何か一つからでも」と支部会議の頻度を高めたり、「赤本」学習を始めたことで、支部会議が楽しく、集まりも良くなり、新たな活動への意欲がわいてくるなどの変化がつづられている。全国の経験に学び、三つの方向で努力を重ねよう。
--「政策と計画」をもった活動、週1回を基本にした支部会議の開催、学習と支部の連絡・連帯網の構築など、党規約第40条にもとづく原則的な支部活動の確立をめざして、何か一つからでも努力を開始し、継続することに力を注ぐ。LINEの活用やオンライン会議の開催など、党員の結集を強める新たな方式も積極的に位置づけよう。「党生活確立の3原則」(①支部会議に参加する②日刊紙を購読する③党費を納める)にもとづく党生活を支部で支えあおう。
--党員を増やして、支部活動を前進させる。困難を抱えた支部でも、新しい党員を迎え、新入党員教育を支部でおこない、支部会議を学ぶ喜びにあふれ、疑問や意見を安心して出し合える場にするとともに、新入党員の得手や条件を生かした活動をすすめたことで、支部全体が生まれ変わった経験が報告されている。
--「支部会議を開けない」「活動が具体化できない」など困難が深刻化している支部には、党機関が足を運び、支部員一人ひとりと連絡をとることから始めるなど具体的援助が不可欠となる。支部委員会を構成し、集団的に支部活動を支えあえるよう、支部の合理的再編も検討が必要となる。支部指導部をつくり、支部活動と党勢拡大を攻勢的にとりくめるようにして、支部の再建や新たな支部の結成にむかう展望をひらこう。
「しんぶん赤旗」中心の党活動は、一方では「赤旗」の発行の危機が切迫し、配達・集金活動の困難も増大しているが、他方では、日曜版電子版が発刊から半年で1万人を超えるなど新たな前進の可能性も生まれている。危機を打開し、新たな可能性をくみつくし、「しんぶん赤旗」中心の党活動の抜本的強化をはかることをよびかける。
紙の「しんぶん赤旗」は、知らないニュースも目に入り、ニュース価値も一目でわかるという紙の新聞ならではの特徴をもっており、政治の真実と希望を指し示し、要求活動や選挙で読者との協力・共同を広げ、地域で党と国民とを結ぶ絆として重要な役割を果たしている。紙だから読めている多くの読者がいる。紙の「赤旗」の事業、とりわけ、その土台となる日刊紙発行の事業を守るために全党が力をつくそう。中央として、紙の「赤旗」を守るために、日刊紙の紙と電子版の併読割引を早期に実現する。
同時に、「赤旗」電子版の若い世代、労働者との新たな結びつきを広げる役割は、一段と大きくなっている。電子版読者システムの開発で、地区・支部が読者と結びつく条件も拡大した。
紙を中心にしつつ、電子版とあわせて読者拡大を前進させ、それぞれ読者との結びつきを維持・発展させる活動を重視して、「しんぶん赤旗」中心の党活動を前進させよう。
配達・集金活動の困難をどう打開するかは、全国の支部からの「返事」でも、最も多くの悩みが寄せられたことだった。
その打開のためには、何よりも支部で率直に現状を共有し、担い手を増やすために力をつくすことがやはり基本である。配達・集金活動のねばりづよい努力は、社会変革を根本から準備する尊い活動である。条件のあるすべての党員のみなさんに、配達・集金活動への参加を心からよびかける。
同時に、日刊紙については、車の免許返納などで配達が不可能になった場合、最大限読者網を守り、読者とのつながりを維持・強化するため、あらゆる方法を積極的に追求することとする。
第一に、朝7時までの配達を原則としつつ、読者の同意を得て配達時間を柔軟に対応できるようにする。その際、紙と電子版の併読割引を活用していく。
第二に、新聞販売店への業者委託を活用する。この場合も、集金をつうじての結びつきと信頼関係を強化し、訪問対話、アンケートで要望を聞くなどして最大限読者との結びつきを守ろう。
第三に、電子版の活用である。地区電子版読者システムへの登録で、支部での集金、連絡ができる形を追求し、読者との結びつきを維持しよう。
党機関の体制と活動強化は喫緊の課題となっている。中央委員会の自己改革と一体に、中間機関の活動改善と体制強化にとりくもう。
第一に、支部への指導・援助に思い切って力を注げるようにする改革である。支部の「返事」を党機関でよく読み、「返事」を生かして、機関会議や支部長会議の改革をおこない、「双方向・循環型」で支部への援助に力を注いでいる地区では、新しい前進が開始されている。
第二に、系統的な幹部育成である。理論学習と政治討議を最優先課題とし、機関役員の政治指導の力を高め、新しい役員、若い役員が新鮮な力を発揮しはじめた地区が生まれている。若い幹部、女性幹部の比率をさらに高める努力をつくそう。
第三に、党機関財政を確立することである。党勢の後退が財政基盤を弱め、さらに機関体制が弱化するという悪循環を止め、世代的継承の先頭にたつ若い幹部を党機関に配置するためにも、党機関の活動を全党の力で支えて、専従者の給与、休暇などの活動条件の改善、そのための機関財政の確立をはかることを心から訴える。党員拡大を根幹とした党づくりの前進と一体に、「党費のしおり」を活用し、「財政活動の4原則」(党費、機関紙誌収入、募金、節約)にもとづく財政強化をはかろう。
「手紙」の「返事」で寄せられた要望、中間機関の現状と課題をふまえ、中央委員会の活動の自己改革に、惰性を排してとりくんでいく。
中央委員会の第一の任務として、理論活動・政策活動の強化をはかる。中央委員会の最大の任務は、科学的社会主義と綱領路線にもとづく理論的探究を強めるとともに、国内外の新しい政治・政策課題や理論問題で先駆的解明をおこない、党の科学的先見性を発揮した提起をおこなっていくことにある。その努力を土台にしてこそ、党の組織活動の発展のためのイニシアチブを発揮することができる。そのためには中央委員会の常任幹部会、幹部会、書記局、「しんぶん赤旗」編集委員会、中央の各専門部自身が、綱領路線と科学的社会主義を学び、理論に強くならなければならない。
今大会期、24年9月に「全国地区役員講座」、26年4月から「今後の地区委員会を担う幹部のための連続講座」を開催し、「若い役員に、党をつくる自覚、自分たちの世代が次の党を支えていく自覚が芽生えた」などの変化が報告されている。中央として中間機関の幹部育成のためのオンライン講座を継続的に開催する。
8中総の「手紙」の「返事」のとりくみでは、三つの自己改革の方向--「支部の悩みと実態に心をよせ、大志ある目標をかかげながら、『できること』を一つひとつ実現していくことを援助する活動」「短期の視野だけでなく、中長期の視野をもち、支部のリズムを大切にし、のびのびと支部の力をのばせるようにする活動」「『進んだ経験』の紹介だけでなく、『困難な実態をどう変えたか』に焦点をあてて、教訓を全党のものにしていくイニシアチブ」がいよいよ重要となっていることを、中央委員会としてしっかりと受け止めた。改革のための不断の努力を強める。そのさい、地区委員会が、支部への具体的援助に思い切って力を注げるよう、月々の方針提起や報告制度、会議の頻度などを見直し、中央の活動を改革していくことも重視していく。
14日(水)は、PTA結成の日。

雨の降らない内にしんぶん赤旗の配達。
記事。
ポイントです。

赤旗8面に及ぶ綱領一部改定案の読了を行いました。

日本共産党の志位和夫議長が第10回中央委員会総会開会日の12日に行った綱領一部改定案についての提案報告は次のとおりです。
(写真)綱領一部改定案の報告をする志位和夫議長=12日、党本部
中央役員のみなさん、インターネット中継をご覧の全国のみなさん、こんにちは。私は、幹部会を代表して、来年1月の第30回党大会に提案する日本共産党綱領一部改定案についての提案報告を行います。綱領一部改定案は、文書で配布しておりますので、それを見ながらお聞きください。
現行の党綱領は、1961年の第8回党大会でその原型となる綱領路線が確立し、何回かの一部改定を経て、2004年の第23回党大会で全面的に改定され、2020年の第28回党大会で一部改定されたものですが、今日の世界と日本の進路を照らす羅針盤として、全体としてたいへんに大きな生命力を発揮しています。
同時に、この間の情勢の発展、党の認識の発展にそくして、改定が必要となっている部分があります。綱領一部改定案は、そうした必要にこたえて作成したものであります。
まず今回の綱領一部改定案の基本的な考え方について、報告します。
第30回党大会に綱領一部改定案を提案する直接の契機となったのは、綱領の第五章「社会主義・共産主義の社会をめざして」について、この間の党の理論と実践の発展を踏まえて、全体的な改定が必要だと考えたからです。
2004年に行われた党綱領改定は、未来社会論も一新するものとなりました。それは、第一に、それまで「国際的な定説」とされてきた生産物の分配の仕方--「労働におうじて」の分配から、「必要におうじて」の分配への変化によって未来社会の発展段階を区分するという理論を乗り越えたこと、第二に、「労働時間の抜本的な短縮」によって「社会のすべての構成員の人間的発達を保障」するという、マルクスの未来社会論の最大の核心部分に光を当てたという点で、画期的な意義をもつものとなりました。
同時に、その後の22年間の党の理論的探究と実践を踏まえて、綱領の規定をさらに発展させることが必要になっています。この間、日本共産党は、2024年1月に開催した第29回党大会で、「人間の自由」の全面的な開花を中心にすえて社会主義・共産主義論の大きな発展を行いました。さらに、党大会決定にもとづいて一連の理論的探究--『Q&A 共産主義と自由』(「青本」)、『Q&A いま「資本論」がおもしろい』(「赤本」)、それらの理論的背景を明らかにした『自由な時間と「資本論」』(「緑本」)--などにとりくみ、党の内外で広く学習・対話運動を進めてきました。さらに、国際的にも理論交流にとりくんできました。
そうした探究と実践を踏まえて、一部改定案は、綱領第五章で、「社会主義・共産主義の社会の最大の特徴・目的は、人間の自由をあらゆる意味で豊かに保障し開花させることにある」という命題を正面から押し出し、わが党の未来社会論の全体的な改定にとりくみました。資本主義社会から社会主義・共産主義社会への変革の過程--過渡期についても、この間の党の理論的探究の到達点を踏まえて、必要な補強・整理を行いました。
同時に、2004年の党綱領改定から22年が経過し、綱領のその他の章--第一章~第四章についても、情勢の進展にともなって修正と補強が必要な問題、新たに綱領上の課題として明記すべき問題が出てきています。そこで、現綱領の記述を最大限に引き継ぎながら、必要不可欠な問題について改定を行うことにしました。
2020年の第28回党大会で行った綱領一部改定は、綱領第三章・世界情勢論を中心に行い、それとの関係で第五章・未来社会論に部分的な補強を行い、さらに、第四章・民主主義革命論について第三章の改定にともなって必要最小限の改定を行うというように、改定の対象を限定したものでした。
今回の一部改定は、改定の対象とする範囲を限定することなく、綱領のすべての章を対象にしました。綱領の全体を現時点で考え得る最良の記述のものに発展させるという立場で作業を行いました。
以下、綱領にそくして、一部改定案の内容について報告します。
まず綱領第一章についてです。
綱領第一章「戦前の日本社会と日本共産党」は、天皇中心の専制政治による残酷な迫害に正面から立ち向かい、国民主権と反戦平和の旗、人間解放と社会主義・共産主義の旗を掲げて不屈にたたかった、“日本共産党の立党の原点”を明らかにした章であります。
一部改定案は、二つの点にしぼって改定を行っています。
第一に、綱領第一節--戦前の日本社会の特徴と、その社会を変革する党の基本方針についてのべた節の最後の文章を、「この体制〔天皇絶対の専制政治〕のもと、日本は、アジアで唯一の帝国主義国として、アジア諸国にたいする五〇年余におよぶ侵略戦争と植民地支配の道を進んでいた」と補強しました。
日本が行った侵略戦争と植民地支配の起点をどこにおくかは、たいへんに重要な問題であります。現綱領で「侵略戦争」という用語を使っているのは、1931年以降の中国などにたいする侵略戦争となっています。
しかし、戦前の歴史は、日本が領土拡張と外国支配を目的とした本格的な侵略戦争に乗り出したという点では、1894年~95年の日清戦争、1904年~05年の日露戦争という二つの戦争を起点として、「五〇年戦争」ともいうべき連続した侵略戦争が行われた歴史でありました。日本が最初に植民地支配のもとにおいたのは、1895年に中国から強奪した台湾と澎湖(ほうこ)諸島であり、1910年の韓国併合が続きました。こうした「五〇年余におよぶ侵略戦争と植民地支配」を、1922年に党をつくった最初から命がけでそれに反対を貫いた党として、綱領でも明確に告発する必要があります。
このことは、戦後70年の年に出された「安倍談話」が、韓国の植民地化を進めた日露戦争を、「植民地支配のもとにあった、多くのアジアやアフリカの人々を勇気づけた」などと露骨に美化したこと、日本軍「慰安婦」問題や「徴用工」問題など、植民地支配と結びついた重大な人権侵害が解決にいたっていないこと、歴史を偽造するさまざまな逆流が台頭するもとで、重要な今日的意義をもつものであります。
第二に、綱領第二節--戦前、日本共産党が、どんな要求、政治的旗印を掲げてたたかったかについての基本点をのべた節に、「家父長制のもと徹底した差別と無権利状態におかれていた女性の解放」のためにたたかったことを補強・明記しました。
戦前の絶対主義的天皇制は、国民を無権利状態におき、なかでも女性への徹底的な差別を特徴とした体制でした。女性は、家父長制のもと、独立した人格をみとめられず、男性に従属する地位におかれました。いっさいの選挙権、被選挙権をみとめられず、治安警察法で女性は政治結社への加入を禁止されていました。
こうしたもとで日本共産党は、創立当初から、女性差別に反対し、女性選挙権の獲得をかかげ、女性が入党し、活動した、ただ一つの政党でした。さまざまな時代的制約があったとはいえ、わが党は、女性の人権と尊厳を大切にする点では、当時の政党のなかで抜きんでた立場にありました。『日本共産党の百年』では、この時代に、日本共産党に参加した女性たちの不屈の青春について、新たに一項を起こして叙述し、飯島喜美、高島満兎、田中サガヨ、伊藤千代子--いずれも24歳の若さで弾圧にたおれた4人の女性党員のたたかいについて明らかにしています。こうした先人たちのたたかいは、わが党にとっての誇りにとどまらず、日本国民にとっても誇るべきことといってよいのではないでしょうか。そうした思いを込めて、一部改定案で補強を行いました。
つぎに綱領第二章についてです。
綱領第二章「現在の日本社会の特質」は、2004年の改定後の情勢の変化にそくして、部分的な修正・補強を行いました。
綱領第四節は、戦後の日本に起こった情勢の変化の基本点として3点をのべています。現綱領には、その2番目の変化--「天皇絶対の専制政治から、主権在民を原則とする民主政治への変化」のなかの記述に、現在の日本国憲法の天皇条項について、「形を変えて天皇制の存続を認めた」ものという記述があります。これは現行の天皇の制度が、戦前の絶対主義的天皇制と連続性をもつかのような誤解を招く表現であり、削除します。
現行の天皇の制度は、戦前の絶対主義的天皇制--天皇が国家体制の頂点に君臨し統治権の全権を握っていた体制とはまったく違って、国民主権の国家体制のなかに政治的権能をいっさいもたない制度として天皇の制度が存在しているというものです。
すなわち、現行の天皇の制度は、「天皇」という同じ呼称を使ってはいるものの、戦前の絶対主義的天皇制とはまったく別の制度が、日本国憲法のもとで新たに創設されたものと、とらえるべきであります。
このことを明瞭にしておくことは、「日本の皇室が男系男子を貫いてきたことは2600年以上におよぶ歴史と伝統を踏まえてのもの」などという、近代の天皇制政府がつくりあげた“神話”にもとづく間違った議論が、まことしやかに横行していることなどを考えても重要であります。現行の天皇の制度は、日本国憲法が発効してのちの79年の歴史しかもっていないのであります。
さらに、日本国憲法第一条は、「この(天皇の)地位は、主権の存する日本国民の総意に基く」と明記していますが、これは憲法前文につづいて主権在民を明記している条文となっています。この間の皇室典範改定をめぐる議論などをふりかえっても、天皇の制度を論じるうえでも基本にすえるべき条文であり、一部改定案では、憲法第一条について綱領にも明記することにしました。
綱領第五節は、日本とアメリカとの関係を明らかにした節であり、日本の現状をとらえるうえでの「根幹中の根幹」とよぶべき重要な節であります。この節でのべられている「きわめて異常な国家的な対米従属の状態」は、今日、いよいよ深刻なものとなっています。一部改定案では、この間の情勢の進展を踏まえて、つぎの2点の補強を行いました。
第一は、日米地位協定への批判であります。現行の日米地位協定は、アメリカ側に日本国内のどこにでも望む場所に基地を置く権利を認めたうえに(全土基地方式)、在日米軍に日本の国内法が適用されず、日本政府の警察権さえ及ばないことをはじめ、アメリカ軍に異常な治外法権的な特権を与えた、世界の他に類のない屈辱的なものとなっています。一部改定案ではその批判を明記しました。
第二は、自衛隊が、海外派兵体制の強化のもとで、アメリカ軍の指揮と統制のもとに、いよいよ深く組み込まれていることです。この間、わが党が告発してきたように、2022年12月に閣議決定された「安保3文書」のもとで、米軍と自衛隊の指揮統制のかつてない連携強化、一体化が進行しています。アメリカ軍が公表している統合防空ミサイル防衛(IAMD)の基本方針にも明瞭にのべられているように、自衛隊を指揮統制下においている米軍が、国連憲章と国際法に違反した先制攻撃を公然と方針に掲げていることは、とりわけ重大であります。さらに、自衛隊が米国製AI(人工知能)を使用しようとしていることは、指揮統制における従属をいっそう危険なものにしています。一部改定案では、これらの動きを踏まえて、その危険性への告発を補強しました。
綱領第六節は、日本独占資本主義の現状を規定した節ですが、一部改定案では、この20年余の情勢の進展を踏まえた改定を行いました。
まず経済面での規定の修正・補強であります。現綱領は、「大企業・財界の横暴な支配のもと、国民の生活と権利にかかわる多くの分野で、ヨーロッパなどで常識となっているルールがいまだに確立していないことは、日本社会の重大な弱点となっている」として、そうした「ルールなき資本主義」ともいえる日本経済の構造的弱点を、労働と雇用、女性差別、中小企業、農業、環境、経済・財政政策、政治腐敗、アメリカの介入、アメリカ式経営・経済モデルの持ち込みなどの諸点で明らかにしています。これらの批判は、どれも今日いよいよ重要となっているものです。
ただ、税制と財政の問題点について、現綱領では、大型公共事業への支出が優先され、社会保障への支出が最低水準という「逆立ち財政」との批判を行っていますが、現在ではこの批判は当てはまらなくなっています。大企業の利益優先による「逆立ち」という点では、税制面での「逆立ち」--消費税増税と大企業・富裕層減税が一体に進められたことと、財政面での「逆立ち」--大企業中心の施策や空前の大軍拡に巨額の税金を投入しながら、社会保障や教育への支出を最低水準に抑えているという形で、いわば二重にあらわれています。一部改定案ではそうした認識にたって修正・補強を行いました。
さらに、今日の金権腐敗政治が、一部の反動政治家や一部の大企業の問題にとどまらず、政党ぐるみ、財界ぐるみの腐敗の構造がつくりだされていることを踏まえ、一部改定案では、現綱領の表現に一部修正をくわえました。
一部改定案でまとまって補強を行ったのは、日本独占資本主義が陥っている激しい矛盾と危機、深刻な行き詰まりについての記述であります。現綱領は、綱領改定を行った2004年の時点での情勢を反映して、経済面の規定の結びは、「これらすべてによって、日本経済はとくに基盤の弱いものとなっており、……日本独占資本主義の前途には、とりわけ激しい矛盾と危機が予想される」となっています。しかし、今日では、「激しい矛盾と危機」は「予想」の問題ではなく、まさに現実のものとなっています。一部改定案では、四つの点で、その特徴を明らかにしました。
--第一に、「ルールなき資本主義」というかねてから日本経済が抱えている構造的弱点のうえに、1990年代以降、新自由主義と呼ばれる弱肉強食と自己責任を押しつける経済政策が強引に進められ、社会的ルールがいっそう弱体化させられました。とくに労働法制の規制緩和と社会保障の連続改悪が日本社会に与えた破壊的影響は甚大であります。
--第二に、大企業の経営行動が大きく変化しました。この間、大企業は、売上高が増えていないのに、利益と内部留保は大きく拡大し、増えた利益の8割は株主に回りました。「株主資本主義」ともいうべき、株主の利益を最優先し、労働者と中小企業にコストカットを強いる企業経営が支配的になりました。
--第三に、それは、一握りの大企業と大株主・大資産家への富の一極集中をつくりだすとともに、貧困と格差をいちじるしく拡大し、国民生活と日本経済の長期にわたる停滞・悪化を引き起こしています。日本は、長期にわたって「賃金があがらない国」、「経済成長ができない国」に転落しました。
--第四に、以上の諸要因の帰結として、日本独占資本主義は、世界資本主義の矛盾の深まりともあいまって、激しい矛盾と危機、深刻な行き詰まりに直面しています。
この四つの点で行き詰まりを規定いたしました。これは逆に言いますと、ここに経済の民主的改革のポイントがあるということになります。
新自由主義の経済政策は、ほぼ同じ時期に、ヨーロッパ各国でも進められてきていますが、日本経済の行き詰まりは、「賃金があがらない国」、「経済成長ができない国」に落ち込んだという点で、欧州各国と比較しても特別に深刻であります。1990年を起点に、実質賃金の推移をみますと、直近の数字で、アメリカは150・9%、イギリスは146%、フランスは133・2%、ドイツは132・4%に対して、日本は99・3%に落ち込んでいます。ここには、「ルールなき資本主義」という従来の構造的弱点に、新自由主義が加わったことの深刻な結果があらわれています。
一部改定案が端的に明らかにした日本独占資本主義の深刻な行き詰まりは、もはや財界・大企業中心の政治が持続可能なものとはいえなくなっていること、わが党綱領が明らかにしている国民の暮らし最優先の政治への根本からの転換が強く求められていることを示すものとなっていることを、強調したいと思います。
なお、用語の問題ですが、現綱領の第二章、第四章、第五章で「ルール」と表記しているものを、欧州などでの国際的表記も参照しつつ、「社会的ルール」という表現に置き換えました。雇用、社会保障、教育、税財政、中小企業、農林水産業、エネルギー、ジェンダー、住宅、交通、防災など、社会的な規範・規制・制度の全体を含むものとして、綱領では、今後、「社会的ルール」という用語を使うことにしたいと思います。
日本独占資本主義と日本政府の対外活動の問題では、軍国主義復活の現段階をどう捉えるかについて明確にしました。
わが党は、これまで、軍国主義について、「公然と海外出兵によって対外侵略をしうる政治・軍事体制」(1970年の第11回党大会)などと規定し、その時々に、日本の軍国主義復活がどんな段階にあるかを明らかにし、軍国主義のいっさいのあらわれに反対するとともに、その全面復活を許さないたたかいの先頭に立ってきました。
とくにこの10年余、2015年の集団的自衛権行使容認の安保法制(戦争法)の強行、2022年の「安保3文書」と、それにもとづく「専守防衛」さえ投げ捨てた空前の大軍拡、武器輸出の解禁など、軍国主義復活に向けた重大な危険が進展しています。国旗損壊処罰法の強行など国民を軍国主義に誘導しようとする政治体制づくりが進められていること、軍需産業の拡大など経済の軍事化という事態が進行していることも重大です。
こうした事態を受けて、一部改定案では、現状について、「対米従属の深まりと一体に、公然と海外派兵によって対外侵略をしうる政治・軍事・経済体制づくり=軍国主義の全面的復活の危険が生まれており、憲法第九条の改定をはじめとする憲法改悪は、その最大の焦点となっている」との規定を行いました。
現状は、安保法制の強行と空前の大軍拡などによって、自衛隊の一定の海外派兵の体制がつくられ、「公然と海外派兵によって対外侵略をしうる政治・軍事・経済体制づくり」の危険が生まれていますが、なお憲法九条による平和の制約が働いており、そうした体制づくりが実現するにはいたっていません。すなわち、軍国主義の全面的復活の危険が生まれているが、全面的復活にまではいたっていない。これが現状であります。
たとえば、集団的自衛権について、安保法制によって、「存立危機事態」という特別な場合に限って一部行使容認への穴が開けられましたが、いわゆるフルスペック--全面的な集団的自衛権の行使はできないとされています。また、いわゆる「海外派兵」--「武力行使の目的を持って武装した部隊を他国の領土、領海、領空に派遣することは、憲法上許されない」というのが、政府の現時点での見解となっています。
憲法九条は、いまなお「公然と」した--おおっぴらに、誰の目にも明らかな形での「海外派兵」によって、「対外侵略をしうる政治・軍事・経済体制」の実現を食い止める大きな壁となって立ちはだかっているのであります。憲法九条改定は、侵略戦争に対する痛苦の反省を踏まえて日本国民が手にした、かけがえのない平和の防壁を破壊することで、軍国主義の全面的復活をはかるくわだてにほかなりません。
一部改定案の規定には、憲法九条改定と軍国主義の全面的復活を絶対に許さないために断固たたかうという、“日本共産党の闘争宣言”という意味を込めたということを訴えたいと思います。
つぎに綱領第三章についてです。
綱領第三章「二一世紀の世界」は、2020年の綱領一部改定で全体的な改定を行った章であり、その全体が、今日の世界をどうとらえ、どう働きかけるかについて、大きな生命力を発揮しています。とくに、「植民地体制の崩壊と百を超える主権国家の誕生という、二〇世紀に起こった世界の構造変化は、二一世紀の今日、平和と社会進歩を促進する生きた力を発揮しはじめている」という世界論は、複雑さや逆流が台頭する現在の世界の動きを、深いところからつかみ、未来への希望を見いだす羅針盤となっています。一部改定案では、ごく部分的な修正・補強を行っています。
まず用語の問題であります。第三章で使われている「民族の自決(権)」は「人民の自決(権)」という用語にあらためました。
ただしレーニンにかかわっては彼の使った「民族自決権」を歴史的用語として残しました。当時は、ロシア帝国やオスマン帝国などの帝国の支配下に置かれていた被抑圧民族の国家的独立が焦眉の課題でした。
第2次世界大戦を前後して、それまで植民地支配下に置かれていた、多くは複数の民族からなる植民地人民が、ひとつの国民として独立して主権国家をつくりあげる過程が急速に進みました。そうした経過のなかで、国連憲章をはじめ国連文書では「民族(ネーション=nation)」の自決ではなく「人民(ピープルズ=peoples)」の自決という用語がもっぱら使われるようになりました。
日本では、国連憲章をはじめ国連文書の訳語は「人民の自決」となっていますが、一般には「民族自決」という言い方がなお通用しています。しかし、民族と国民の範囲は一致しないことが多く、日本も複数の民族が共存する国家となっています。
そこで、綱領の表現としては、国際的な用語に合わせるとともに、国民と民族の混同を避けるためにも、「人民の自決(権)」という表現で統一することが適切だと考えました。
綱領第一一節の国際連帯の課題として、この間の情勢の進展を踏まえて、重視して位置づけるべき三つの点について補強しました。
第一は、「排外主義に反対する闘争」を国際連帯の課題に明記したことであります。一部改定案では、社会に差別と分断を持ち込む排外主義とたたかうことを、綱領第四章--国内の民主的改革の課題としても位置づけていますが、同時に、これは国際連帯の課題としても重要であります。2024年8月~9月に党代表団が、欧州各国を歴訪したさいに、欧州で極右・排外主義の勢力が台頭するなかで、左翼・進歩諸党は、この逆流とのたたかいを重要な課題にすえて奮闘しており、連帯したたたかいを行うことを確認しました。
いま日本でも、欧州でも、米国でも、極右・排外主義の流れが起こっていますが、この逆流は、資本主義の末期的な行き詰まり、とくに新自由主義とそれにもとづく「グローバリゼーション」の失敗の反動的な表現であります。新自由主義が、貧困と格差の途方もない拡大を招くなど、その破綻が明らかになるなかで、それに対する不満と批判が、極右・排外主義に一つの「出口」を求めているのであります。こうした人々の不満と批判をしっかりと受け止め、それにこたえる民主的対案を大いに語ることと一体に、この逆流を克服するための日本でのたたかいを強めるとともに、国際的な連帯に力をそそごうではありませんか。
第二は、深刻化する気候危機を抑制する国際的なとりくみの強化であります。2020年の綱領一部改定後の6年間をとっても、気候危機は、人類の生存にとっていちだんと深刻な脅威となっています。今年の夏をとっても、欧州では万を超える人々が熱波によって死亡し、ネパールの氷河融解による土石流で多数の人々が犠牲になり、日本でも豪雨災害が連続して大きな被害が出ています。
気候変動抑制のパリ協定が目標としているのは、産業革命前に比べて地球の平均気温の上昇を1・5度以内に抑えることですが、この3年間の平均では1・52度まで上昇しています。9月2日に発表された国連環境計画(UNEP)の報告書は、1・5度を一時的に超過する--オーバーシュートすることは避けられないとし、そのピークを低く抑え、低下させるための「前例のない行動」が必要だと呼びかけを行いました。
いま強く懸念されているのは、気温上昇が、一連の重要な事象で「ティッピング・ポイント」(臨界点)を超えると、地球全体の環境が、急激に、大規模に、不可逆的に悪化して、人間の力でコントロールできなくなることです。グリーンランドの氷床融解をはじめいくつかの事象では、「ティッピング・ポイント」を超える危険が迫っています。まさに人類は、コントロール不可能な道に落ち込むか、理性の力でこの災厄を抑えるかの瀬戸際に立っているのであります。こうした事態を踏まえて、一部改定案に、つぎのように明記しました。
「深刻化する気候危機を、後戻りが不可能な限界点を超える前に抑制し、地球環境を守るための国際的なとりくみを強めることは、人類の生存がかかった急務である」
第三は、AI(人工知能)への対応であります。AIは、人間の脳(知性)を代替する点で、これまでの技術の発展とは質的に異なる特徴があり、その急速な発展は、人類の前途に巨大な影響を与える可能性をはらんでいます。
AIが、労働時間短縮、医療や健康、科学の進歩など、さまざまな面で人類に大きな恩恵をもたらす可能性をもつ技術であることは明らかです。
同時に、二つの深刻なリスクが存在します。
第一は、AIの資本主義的利用--利潤第一主義の利用がもたらすリスクであり、雇用破壊、労働強化、環境破壊、人権侵害、巨大AI企業への富の集中と格差拡大など、すでにさまざまな形で問題となっています。とくに軍事、戦争への利用は重大な危険であり、許してはなりません。
第二は、より深刻なもので、資本主義の利潤第一主義のもとでのAIの無秩序な開発競争の結果、その開発者の意図にも反して、人間がAIを制御できなくなる危険であります。その危険は、この数カ月で、急速に顕在化し、AIが人間の指示に背く危険な行動をとるなど、制御不能の前兆となる事件が相次いでいます。今年(2026年)7月の国連の報告書では、人間による制御が追いつかなくなる可能性があること、人類に「破滅的な結果」をもたらす危険があることを警告しました。専門家からはあいついで「人類絶滅のリスク」が警告されています。この危険から人類を守るための国際協定を緊急に締結することは、国際政治の熱い焦点となっています。そこで、一部改定案に、次のように明記しました。
「AI(人工知能)を巨大企業が利用するもとで生まれている雇用、労働、環境、人権などへの害悪をただし、軍事への利用をやめさせ、人類がAIを制御できなくなる破滅的な危険を回避し、技術的発展の恩恵をすべての人びとのものにするための社会的ルールを国際協調でつくることは緊急の課題となっている」
この問題は、日本の民主的改革だけでは解決できず、国際的対応が不可欠な問題であり、綱領第三章に位置づけました。AIがもたらす二つの深刻なリスクは、そのどちらも、現代資本主義がつくりだした深刻な矛盾の一つとして位置づけるべきものです。それは、人類に破滅的結果をもたらしうる点では、気候危機や核兵器と並ぶ危険をもっています。同時に、この技術は、賢く使いこなすならば、人類に大きな恩恵をもたらしうるものであって、危険性だけを強調することはもとより正しくありません。そこで、一部改定案では、国際連帯の諸課題の後に、それに関係する内容をもつものとして、独立したパラグラフを設けてこの問題を位置づけることにしました。
科学的社会主義の党として、核兵器の問題でも、気候危機の問題でも、AIの問題でも、現状を科学の力で冷静に分析し、地球的な規模でその解決のための行動を起こし、人類的危機を打開するために力をつくそうではありませんか。
つぎに綱領第四章についてです。
綱領第四章「民主主義革命と民主連合政府」は、2004年の改定後の情勢の変化にそくして、綱領第一三節--「現在、日本社会が必要とする民主的改革の主要な内容」について、部分的な修正・補強を行いました。全体として、綱領第二章における一部改定案による修正・補強と対応する内容となるように仕上げました。
〔国の独立・安全保障・外交の分野〕での改革は、現綱領では、日米安保条約を廃棄した新しい日本がとりくむ課題として規定されています。
綱領の規定として、日本の民主的改革の最大の要の課題である日米安保条約の廃棄を正面から押し出して、それにともなう改革の課題を整理していることは重要であります。日米安保体制の異常な従属性、その危険性を広く明らかにし、日米安保条約を廃棄し、対等・平等・友好の日米関係への抜本的改革を求める世論を多数にしていくための、独自のとりくみが強く求められます。
同時に、この整理の仕方ですと、日米安保条約を廃棄する前でもとりくむべき緊急の課題が、綱領で規定されないという問題もあります。異常な対米従属を打破するためには、この間の一連の党の決定でも明らかにしてきたように、国民多数の合意で日米安保条約を廃棄するという大目標を揺るがずに追求しつつ、安保条約廃棄の前でも実現すべき緊急の課題に、安保条約に対する態度の違いを超えてとりくむという、「二重のとりくみ」が重要になります。そうした立場から修正・補強を行いました。
第2項として、「沖縄をはじめとするアメリカ軍の軍事基地の縮小・撤去をすすめ、日米地位協定の抜本的な改定をはかる」ことを明記しました。
第4項に、「安保法制など海外派兵立法を廃止」することを明記しました。
第5項でのべている「平和外交」の課題は、「新しい日本」--安保条約廃棄後の日本の課題となるだけでなく、安保条約廃棄前にもとりくむべきものです。そのことを明確にするために「新しい日本は」という言葉は削除しました。そのうえで、わが党が2024年4月に発表した「東アジア平和提言」の立場を、「紛争の平和的解決を原則とした平和の地域協力の包摂的な枠組みを東アジアに築く」という表現で綱領に位置づけました。核兵器の廃絶をめざし、「核兵器禁止条約に参加する」ことを明記しました。
〔憲法と民主主義の分野〕での改革にかかわって、第5項に、「差別と分断をあおる排外主義に反対する」と明記しました。
第6項に、「性と生殖に関する健康と権利(セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス&ライツ)を保障する」--国際的には略称で「SRHR」の保障を明記しました。WHO(世界保健機関)をはじめとする国連や国際機関は、自分の体、性や生殖について、誰もが十分な知識と自己決定権をもち、必要な医療やケアを自分の意思で受けられることを基本的人権として保障するとりくみを行っています。日本でも若い世代を中心に運動が広がっており、この立場を明記しました。
〔経済的民主主義の分野〕での改革にかかわって、以下の諸点を修正・補強しました。
まず用語の問題ですが、現綱領には、第1項で、党が目指すべき経済改革の基本として「ルールある経済社会をつくる」という規定があります。これは「ルールなき資本主義」の対語として用いられてきたものですが、その意味するところが分かりづらいという問題があります。そこでこれを削除して、国民の生活と権利を守る「社会的ルールをつくる」という表現に直したいと思います。
第3項として、雇用と労働の問題を独立させて新たにつぎの一項を立てました。
「3 労働者の自由な生活時間を拡大し、人間的発達や社会的交流の権利を保障する。労働時間の抜本的短縮、最低賃金の大幅引き上げ、非正規ワーカーの待遇改善、一方的解雇の規制などを推進する。国の責任でケア労働者の待遇改善をはかる」
現綱領の「経済的民主主義の分野」での改革は、雇用と労働に関する独立した改革の項がないという問題があります。そこで一項を新たに起こし、労働者の切実な要求であり、マルクスも労働者階級の解放にとって「先決条件」と強調した、「労働者の自由な生活時間の拡大」を正面から打ち出し、それを「人間的発達や社会的交流の権利を保障する」ものと位置づけました。そのことと一体に、労働時間、最低賃金、非正規ワーカー、解雇規制などで労働条件を改善するための一連の改革の課題を明記しました。労働者は、労働時間短縮と賃上げの双方を、一体に、正面から求めるたたかいにとりくんでこそ、人間らしい生活を実現することができることを、強調したいと思います。
さらに「国の責任でケア労働者の待遇改善をはかる」と明記しました。医療、介護、教育、保育、障害者福祉などで働くケア労働者は、人間の生命・発達・尊厳を保障する、専門性と公共性が高い仕事に従事しています。にもかかわらず、その労働条件は低く抑えられています。ケア労働者の労働条件の水準を決めるのは国であり、国の責任でその待遇改善をはかることを綱領に位置づけました。
第6項にかかわって、現綱領にある「少子化傾向の克服に力をそそぐ」という記述は、事実上、政治が結婚と出産を奨励することにつながる記述であり、性と生殖に関する健康と権利(セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス&ライツ)--「SRHR」との関係でも不適切な記述となっており、これを削除しました。現行の表現に代えて、「子どもを産むか産まないか、いつ、何人もつかを自分で決める権利、およびその土台となる健康を、すべての人が享受できる社会をつくる」と明記しました。
国や自治体などが、「少子化対策」として、「出生率を上昇させる」と、あれこれの政策目標に掲げて、事実上、出産を国民に押し付けることは、「SRHR」を侵害するものであって許されません。また、この権利を侵害する「対策」は、その意図に反して成功しないということも、明らかになってきています。世界人口白書2023年でも、「問題は、人口が多すぎるのか、また少なすぎるのかではありません。問うべきは、望む数の子どもを希望する間隔で産むことができる基本的人権を、すべての人が行使できているかどうかです」(国連人口基金のナタリア・カネム事務局長の声明文)と強調しています。ここでのべられている基本的人権を保障するための政策課題としては、雇用、住宅、教育などでの権利を保障するための施策を充実させることも必要です。
わが党が、2020年の第28回党大会で行った綱領一部改定で、「ジェンダー平等社会をつくる」「性的指向と性自認を理由とする差別をなくす」ことを明記したことは重要な意義をもつものでしたが、そのさいに「少子化傾向の克服」という規定が残ったことは、党として「SRHR」への理解が立ち遅れていたことを意味しています。
一部改定案では、「SRHR」を尊重することを真ん中にすえて、政治が必要な責任を果たすという立場を、綱領上も明確にするようにしました。
「人口減社会」への対応の根本は、日本に住むすべての人々の一人ひとりの人権、個性、尊厳がひとしく尊重され、ほんとうに住みよい、希望のもてる社会にしていく不断の努力を積み重ねることにおかれるべきであります。
第7項の、財政と税制の改革についての記述は、綱領第二章での該当箇所の修正をふまえたものとしました。国の予算にかかわって、「空前の大軍拡」に反対する立場を明記するとともに、重点を置くべき分野として「くらしと社会保障」にくわえて「教育、住宅」を明記しました。税制の改革にかかわって「消費税減税・廃止を進め」ることを明記しました。
一部改定案が、〔経済的民主主義の分野〕での改革でまとめた8項目の改革は、綱領第二章で告発した「ルールなき資本主義」という日本経済の構造的弱点をただし、新自由主義による暮らしと経済の深刻な行き詰まりを打開する、抜本的な民主的対案の提唱となっていると確信するものであります。
以上が、綱領第四章にかかわる修正、補強箇所です。
つぎに綱領第五章についてです。
綱領第五章「社会主義・共産主義の社会をめざして」は、2024年の第29回党大会決定で行った社会主義・共産主義論の大きな発展、それにもとづく一連の理論的探究と全党のみなさんの実践、国際的な理論交流を踏まえて、全体的な改定を提案しています。
報告では、ことの性格上、理論問題にも立ち入って、その意義についてのべることになりますが、どうかご了解いただきたいと思います。
まず、一部改定案では、第五章の全体の構成をつぎのように整理しました。
第一六節は、わが党がめざす社会主義・共産主義の社会とはどういう社会か、その基本的な特徴を明らかにしています。
第一七節は、社会主義的変革の時期--資本主義社会から社会主義・共産主義の社会への革命的転化の時期--過渡期において、党がどういう方針でのぞむかについて明らかにしています。
第一八節は、発達した資本主義国での社会主義的変革のもつ意義と、その壮大な可能性について明らかにしています。
現綱領では、未来社会の本質的な特徴づけと、過渡期における党の方針が、やや未整理になっている部分もあります。そうした点は、以上のような全体の構成についての考え方にもとづいて整理を行いました。
社会主義・共産主義の社会の基本的な特徴を明らかにした綱領第一六節では、現綱領の叙述を全体的にあらためました。
一部改定案では、綱領第一六節の第二段落で、「社会主義・共産主義の社会の最大の特徴・目的は、人間の自由をあらゆる意味で豊かに保障し開花させることにある」という命題を正面から押し出しています。それにつづいて、「その土台となるのは……生産手段の社会化」であるとのべ、これが未来社会の経済的土台における変革であることを明らかにしています。「人間の自由」の全面的な開花こそが社会主義・共産主義の社会の「最大の特徴・目的」であって、「生産手段の社会化」は、それを実現するための条件であり手段だという関係を明確にしました。
一部改定案では、第三段落で、未来社会における自由の特徴を、「資本主義の特徴である利潤第一主義からの自由」という角度から明らかにしました。そのことを、第一に、搾取からの自由、貧困と格差からの自由、労働の人間的性格の回復という側面と、第二に、経済の計画的な運営が可能になることによる不況、恐慌、環境破壊からの自由という側面--二つの側面から整理してのべています。どちらも「生産手段の社会化」が自由の条件となることを明記しています。「~からの自由」--資本主義がもたらすさまざまな害悪から自由になるという意味では、ここでのべている自由は消極的自由といえます。同時に、これらの自由は、どれもが人民が自らを解放するためのたたかいによってかちとるべき自由であることを強調したいと思います。
一部改定案では、第四段落で、未来社会における自由の特徴を、「各個人の自由で全面的な発展」という角度から明らかにし、ここに未来社会の「基本原理」があると明記しました。その保障となるのは、「労働時間が抜本的に短縮され、すべての人間が十分な自由な時間をもつことである」と規定しています。「自由な時間を使って、すべての人間がその能力をのびのびと発展させ、それが社会の発展につながる好循環が生まれる」ということ、「ここにこそ社会主義・共産主義の社会の真の自由の輝きがある」と強調しています。そして、ここでも「生産手段の社会化」が、搾取の廃止、社会的浪費の一掃という両面で、労働時間の抜本的短縮の条件となることをのべています。ここでのべている自由は、自分のもっている可能性を自分の意思で自由に実現するという意味では、積極的自由といえます。
ここで強調したいのは、いまのべた一部改定案の三つの段落(第二段落~第四段落)での規定が、マルクスの未来社会論の中心点、その輝きの核心部分を、党綱領の規定にすえたものとなっているということです。以下、四つの点を強調したいと思います。
第一に、マルクスは、未来社会を語るときには、必ず「自由」という言葉を強調しています。それは、搾取や抑圧からの自由とともに、各個人が十分な「自由な時間」をもち、この時間を使って自由で全面的な発展をかちとることが、重要な内容として含まれていました。
マルクス、エンゲルスが1848年に執筆した『共産党宣言』は、未来社会の特徴を、「各人の自由な発展が、万人の自由な発展のための条件である連合体(アソシエーション)」とのべています。
マルクスは、『資本論』第一部(1867年)で、未来社会について、「各個人の完全で自由な発展を基本原理とするより高度な社会形態」という特徴づけをあたえています。
「人間の自由」こそ、マルクス、エンゲルスが、社会主義・共産主義の社会の最大の特徴・目的としたことだったことを、まず強調したいと思います。
第二に、「人間の自由」と「生産手段の社会化」の関係をどうとらえるか。マルクスは、後者--「生産手段の社会化」を、前者--「人間の自由」を実現するうえでの条件であり手段と位置づけていることを、とらえることが重要であります。そのことにかかわって、ここでマルクスの二つの重要な文献を紹介したいと思います。
一つは、マルクスが最晩年の1880年に作成した『フランス労働党の綱領前文』です。マルクスは、フランスの党の求めに応じて、口述筆記で綱領草案をつくりました。それは「生産者は生産手段を所有する場合にはじめて、自由でありうる」という命題から出発して、「すべての生産手段を集団に返還させること」--「生産手段の社会化」という目標を導いています。
生産者が生産手段と切り離されて、他人の生産手段のもとで働かされる場合には、搾取と抑圧がおこり、人間の「自由」はありえない。生産者が生産手段を自分でもつ場合に、人間ははじめて「自由」でありうる。マルクスは、ここから出発して、資本主義の発展のもとでは、生産者が個人ではなく集団で生産手段をもつことが必然的な流れとなりつつあることを説き、「生産手段の社会化」を導き出しました。“人間が自由を得るためには、生産手段をもつことが必要だが、資本主義の発展のもとでは、個人ではもてないので集団でもとう”。これがマルクスが導いた結論でした。このように「生産手段の社会化」は、「(その)場合にはじめて、(生産者は)自由でありうる」と強調されているように、「人間の自由」という目的を実現するうえでの条件であり手段と位置づけられています。
いま一つは、マルクスが『資本論』第三部第48章「三位一体的定式」のなかでのべた未来社会についてのまとまった叙述です(執筆は1865年)。ここでマルクスは、社会における人間の生活時間を、「物質的生産の領域」--人間が生きていくうえで余儀なくされる物質的生産にあてる時間--「必然性の国」と、それ以外の時間--各人が思うがままに「自由に処分できる時間」--「真の自由の国」に分けています。マルクスがこの未来社会論のなかで、「生産手段の社会化」を、二重の意味で、「人間の自由」という目的を実現するうえでの条件であり手段として位置づけていることに、注意を払いたいと思います。
第一は、「物質的生産の領域」--「必然性の国」における自由についてです。マルクスは、「この領域における自由」は、「結合した生産者たち」が、生産手段の社会化によって、生産を「合理的に規制」し、「共同の管理のもとにおく」こと、すなわち、「みずからの人間性にもっともふさわしい……諸条件のもとでこの物質代謝を行なうこと、この点にだけありうる」とのべています。生産手段の社会化は、「必然性の国」における自由を実現するための条件であり手段と位置づけられています。
第二は、「真の自由の国」が開花する基礎となるものは何かという問題です。マルクスは、生産手段の社会化によって「必然性の国」でも自由が実現しうる展望をのべながら、そのうえで、それでもまだそれは、人間が生きていくうえで余儀なくされる物質的生産にあてる時間--「必然性の国」であることには変わりがないとのべ、この国を超えた先にこそ、「真の自由の国」が始まるとしています。人間があらゆる外的な義務から解放されて、完全に時間の主人公となり、人間の力の発達それ自体が目的となる時間。マルクスはこれを「真の自由の国」と呼びました。
ここで注意して読みたいのは、マルクスが、この論のなかで、「真の自由の国」は、「自己の基礎としての右の必然性の国の上にのみ開花することができる」と強調していることです。すなわち、生産手段の社会化によって「必然性の国」における自由が実現するが、そうした「必然性の国」を「基礎」として、「その上にのみ」、「真の自由の国」が開花すると強調しています。ここでも生産手段の社会化は、「真の自由の国」における人間的自由の開花という大目標の条件であり手段と位置づけられています。
このように、マルクスが社会主義・共産主義社会の最大の特徴・目的としたのは、「人間の自由」の全面的開花であり、「生産手段の社会化」はそれを実現するための条件であり手段にほかなりません。この関係を、はっきりとつかむことが大切であります。一部改定案では、こうした理解に立って両者の関係が明確になるように叙述を抜本的にあらためました。
第三に、マルクスは、未来社会の最大の特徴である「各個人の完全で自由な発展」を実現する保障をどこに求めたか。
マルクスは、経済学の本格的な研究を開始するなかで、1851年、一冊の匿名のパンフレットに出会います。のちに筆者は文芸評論家のチャールズ・ウェントワース・ディルクと判明したパンフレットですが、そこには、「富とは自由に処分できる時間のことなのであって、それ以外のなにものでもない」と書かれていました。マルクスは、この一節に強い感銘を受け、詳細な抜粋をノートに書き留めました。
彼は、1857年~63年にかけての二つの『資本論草稿』の執筆の過程で、この抜粋に繰り返し立ち返り、資本主義的搾取をなくすことによって、万人が十分な「自由な時間」--「自由に処分できる時間」をもつことにこそ、各個人が自らの潜在的能力を解放し、自由で全面的な発展をかちとっていく保障があることを突き止め、これを自身の未来社会論の軸にすえていきました。自由で全面的な発展をとげた各個人が、物質的生産の担い手となることで、社会全体の素晴らしい活力が生まれ、人間の発展と社会の発展の好循環が生まれる。これがマルクスが明らかにした未来社会の展望でした。一部改定案は、マルクスのこうした探究を端的に反映した内容としました。
資本主義的搾取によって労働者から奪われているのは、「モノ」や「カネ」だけではない、「自由な時間」が奪われている。労働時間の全体が資本家のもとにおかれることで、本来、人々がもつことができる「自由に処分できる時間」--「自由な時間」--労働者の知的・精神的発達の可能性が奪われている。「自由に処分できる時間」こそ、人間と社会にとっての「真の富」だ。労働者は団結して「自由な時間」を取り戻し、さらに搾取をなくすことで「自由な時間」を抜本的に拡大し、「各個人の自由で全面的な発展」--一人ひとりの個人の潜在的可能性を解放し、その能力をのびのびと発展させよう。これがマルクスの呼びかけでありました。
第四に、一部改定案のこの部分の理論構成は、『資本論』第三部でマルクスが展開した未来社会論--「必然性の国」と「真の自由の国」という理論構成に、即したものとなっていることを強調したいと思います。
すなわち、綱領第一六節の第三段落--「利潤第一主義からの自由」は、「物質的生産の領域」--「必然性の国」における自由の実現をのべています。第四段落--「各個人の完全で自由な発展」は、それを超えた先にある「真の自由の国」における自由の拡大をのべています。前者は後者を実現するための基礎であり、条件となっています。
こうして一部改定案は、マルクスが明らかにした未来社会論の中心点を、マルクスの論理に即して、党綱領の規定にすえたものとなっています。それはマルクスが明らかにした未来社会論の真の輝き、真の魅力を、わが党綱領に反映させたものとなったと確信するものであります。
ここで2004年の第23回党大会で行った党綱領改定が明らかにした未来社会論の積極的意義と過渡的制約についてのべておきたいと思います。
報告の冒頭にのべたように、2004年の党綱領改定は、党の未来社会論を一新するものとなりました。それは、第一に、それまで「国際的な定説」とされてきた、生産物の分配の仕方--「労働におうじて」の分配から、「必要におうじて」の分配への変化によって未来社会の発展段階を区分する理論を乗り越えたこと、第二に、「労働時間の抜本的な短縮」によって「社会のすべての構成員の人間的発達を保障」するという、マルクスの未来社会論の最大の核心部分に光を当てた、この二つの点で、画期的な意義をもつものとなりました。
さらに全党討論を踏まえて、第23回党大会で行われた綱領改定についての不破議長(当時)の結語で、「この(社会主義・共産主義の社会の)未来像の特質はなにか。一口に言えば、人間の自由、人間の解放であります」と締めくくったことも、重要な意義をもつものとなりました。こうした解明があったからこそ、今回の一部改定案の提案が可能になったということをまず強調したいと思います。
同時に、いくつかの問題点を残すものともなりました。
--第一に、現綱領の叙述では、「生産手段の社会化」を、「社会主義的変革の中心」と位置づけ、この変革が社会と人間にどういう変化をもたらすかを三つの角度から特徴づける--当初は「三つの効能」と規定した--という理論構成になっています。さきにくわしくのべたように、「生産手段の社会化」は、「人間の自由」という目的のための条件であり手段として位置づけられるべきものですが、逆に、「生産手段の社会化」を前提として、そこから社会と人間の変化が演繹(えんえき)的に導かれるという叙述になっています。
--第二に、現綱領の叙述では、未来社会の特徴づけが、「生産手段の社会化」を前提として、それが社会と人間にもたらす変化という理論構成によって描かれた結果、それが主として「必然性の国」--「物質的生産の領域」の問題として論じられています。それを「基礎」として、「その上にのみ」開花する「真の自由の国」が、綱領上は、十分に表現されているとはいえません。「社会のすべての構成員の人間的発達を保障」するという「真の自由の国」に属する命題が明記されたことは画期的意義をもつものとなりましたが、それも「必然性の国」--「物質的生産の領域」での変化のなかに埋もれてしまっているという問題を残しました。
--第三に、この綱領改定を提案した、2003年6月の第22回党大会第7回中央委員会総会での「綱領改定案についての提案報告」のなかで、マルクスが『ゴータ綱領批判』(1875年)で行った共産主義社会の段階的な発展論--「生まれたばかりの共産主義社会」から「共産主義社会のより高い段階」に発展していくという「二段階論」を、綱領改定にあたって「採用しなかった」と退けたことは、問題点を残すものとなっており、是正が必要です。
2004年の綱領改定で、未来社会を生産物の分配の仕方で二つの段階に区分した「国際的な定説」をのりこえたことは重要な意義をもつものでしたが、マルクスが『ゴータ綱領批判』で展開した共産主義社会の段階的な発展論それ自体には、私たちが未来社会論のなかに生かすべき大変豊かな内容が含まれています。
マルクスは、『ゴータ綱領批判』で「共産主義社会のより高い段階」の特徴として、次のような包括的規定付けを行っています。
「分業の下への諸個人の奴隷的な従属がなくなり、それとともに、精神的労働と肉体的労働との対立もなくなったあとで、労働が生きるための手段だけでなく、労働そのものが生活の第一の欲求となったあとで、諸個人の全面的な発達にともなって彼らの生産諸力も増大し、協同組合的富のすべての源泉がいっそうあふれるほど湧きでる」
この包括的な規定づけは、全体としてマルクスの未来社会論の真の輝きを豊かに表現するものとなっており、それを正面からうけとめた真剣な研究が必要であります。
いまのべた三つの問題点は、当時の党の理論的探究の発展過程の一断面を反映した、過渡的な制約でした。
2004年の綱領改定の責任者(綱領改定案の起草者)は不破哲三前議長でしたが、不破さん自身が、2004年以降も、未来社会論の探究をさらに発展させ、晩年には、これらの問題点を基本的にのりこえる到達点に達していました。「自由な時間」の重要性を『資本論草稿集』から明らかにするまとまった研究を残してくれたのも不破さんです。私たちが第29回党大会決定とそれにもとづいて行ってきた「人間の自由」を中心にすえた未来社会論の探究は、その全体が、不破さんの研究成果に支えられてのものであることを、私は感謝の気持ちとともに強調したいと思います。
2024年1月17日、第29回党大会のさい、伊豆学習会館で、私は、不破常任幹部会委員(当時)と会談をもち、今後の理論問題と外交問題の課題について、突っ込んだ意見交換を行いました。この大会で不破さんは中央役員を退任されるということもあり、最後にいろいろな問題を話し合っておきたいと考え、こういう会談をもちました。山口富男社会科学研究所副所長(当時)が同席し、詳細な記録をとってくれました。
そのさいに、私は、現綱領の未来社会論について、マルクス本来の未来社会論の核心部分が明快にはつかみにくい叙述となっていること、なかでも「生産手段の社会化」の効能の一つとして「人間的発達」を述べるという理論構成となっていることは大きな問題だと考えていると率直に提起し、不破さん自身のその後の研究の到達点、第29回党大会決議が明らかにした未来社会論の組み立てと内容を全面的に生かす方向で、綱領改定を行う必要があると考えていますと話しました。
不破さんは、「現綱領は、自分自身との関係でも、研究の途上で作成したものであり、人間の自由と全面的な発展をめざすというマルクス本来の見地から党綱領を改定することに賛成です」と表明され、「新しい指導部のもとですすめてください。党の理論的な見地の発展ということで、よく検討して諮るようにしてください」と託されました。私は、今回の綱領一部改定案は、不破前議長も存命ならば歓迎してくれる内容となったと考えるものであります。そういうやりとりもありましたので、今日こういう提案ができて、いささかほっとした気持ちもしているところであります。
現綱領の未来社会論は、さらに二つの点で改定が必要となりました。ここからさきもなかなか大事なところなんです。
一つは、社会主義・共産主義の社会における生産力についてであります。
現綱領は、「生産手段の社会化は、経済を利潤第一主義の狭い枠組みから解放することによって、人間社会を支える物質的生産力の新たな飛躍的な発展の条件をつくりだす」とのべています。
しかし、物質的生産力の飛躍的な発展を無条件に肯定する規定は、地球環境の有限性を考えるならば適切とはいえず、気候危機が人類的な大問題になっているもとで国民的にも共感が得られるものとはいえないでしょう。そして、それはマルクスが到達した理論にてらしても適切なものとはいえません。
これはまた理論的な問題に立ち入ってお話をさせていただきたいのですが、マルクスは、『資本論』『資本論草稿』などのなかで、もともと生産力は、人間が労働によって自然に働きかけて、人間にとって役に立つものを生み出すための人間的な能力であって、本来、生産力は「労働の生産力」だとのべています。しかし、資本主義社会では、そうした「労働の生産力」が、資本の支配のもとにおかれてしまって、あたかも「資本の生産力」であるかのようにあらわれ、搾取を強化したり、環境を破壊する力をふるう。同時に、資本主義のもとでの生産力のかつてない規模での発展は、害悪をもたらすだけでなく未来社会の土台となる物質的諸条件を創造し、労働時間を短縮する条件をつくりだす。さらに、これが未来社会に進むことによって、生産力は「資本の生産力」から抜け出して、本来の人間的能力としての「労働の生産力」の姿をより高い質で取り戻すことになる。こうした分析と展望を語っています。
この問題にかかわるマルクスの考察から、四つの点を紹介したいと思います。
--1点目。マルクスは、『資本論草稿』で、社会主義に進んで搾取がなくなった場合には、資本主義が生み出した生産力の発展を考慮に入れるならば、「社会は、必要な物の豊富さを、いま12時間で生産している以上に6時間で生産するであろうし、同時に、万人が、6時間の『自由に処分できる時間』を、真の富を持つであろう」と書き付けています。マルクスが、無限の物質的富の拡大ではなく、「必要な物の豊富さ」を、できるだけ短い時間でつくり、「自由な時間」を拡大していくことに何よりもの重要性を見いだしていることは大変重要であります。
--2点目。マルクスは、『資本論草稿』で、十分な「自由な時間」をもつ人間の労働時間は、労働するだけの人間の労働時間よりもはるかに高度な質をもつということを強調しています。十分な「自由な時間」をもつ人間--全面的に発達した人間によって担われる生産力は、より高い質をもち、人間にとって「必要な物の豊富さ」を、より短い時間で生産することを可能にするでしょう。
--3点目。マルクスは、『資本論』で、資本主義のもとでの生産力の発展は、一方で社会の発展と未来社会の要素をつくりだしますが、他方で、つねに労働者の搾取の強化の手段とされることを明らかにしています。社会主義に進むことによって、こうした「資本の生産力」によってもたらされている、生産力の労働に対する敵対的な性格はなくなり、労働者の生活の向上と調和した質をもつことになるでしょう。こういう展望をもつことができると思うんです。
--4点目。マルクスは、『資本論』で、資本主義のもとで引き起こされた環境の破壊を人間と自然との「物質代謝の攪乱(かくらん)」という表現で分析するとともに、未来社会では、社会的生産の計画的な管理と規制のもとで、また、十分な「自由な時間」をもち全面的に発展した人間によって、「攪乱」された「物質代謝」が体系的に再建されるという展望を語っています。未来社会では、生産力は、環境保全と両立する質をもつようになるでしょう。
こうしたマルクスの考察をふまえるならば、未来社会は、資本主義のもとでつくられた高度な生産力を、ただ引き継ぐのでなく--「利潤第一主義」に突き動かされて「生産のための生産」に突き進んだ資本主義社会のような、生産力の無限の量的発展をめざすのでなく--、新しい質で発展させるものになるという展望をもつことができます。
すなわち、未来社会での生産力は、第一に、「自由な時間」をもち全面的に発展した人間によって担われ、第二に、労働者の生活向上と両立する質をもち、第三に、環境保全と両立する質をもつ--これらの新しい質で発展させられることになるでしょう。
以上を踏まえて、一部改定案では、現綱領の未来社会における生産力の規定--「生産手段の社会化は……物質的生産力の新たな飛躍的な発展の条件をつくりだす」という規定を削除し、綱領第一六節の第五段落に、未来社会における生産力について、つぎの規定を新たに書き込みました。
「社会主義・共産主義の社会は、資本主義社会のような生産力の無限の量的発展をめざすのでなく、全面的に発展した人間によって担われ、労働や環境と調和する、新しい質での生産力の発展をめざす」
どうして、現綱領には、「生産手段の社会化は、……物質的生産力の新たな飛躍的な発展の条件をつくりだす」という規定が残されたのでしょうか。その根源の一つは、マルクスが『ゴータ綱領批判』で「共産主義社会のより高い段階」の特徴としてのべた「協同組合的富のすべての源泉がいっそうあふれるように湧きでる」という一節を、「物質的な富があふれるように豊かになる」と解釈したことからきているものと考えられます。こうした解釈は、レーニンの『国家と革命』(1917年)に由来し、スターリンの一連の著作で固定化され、その後、「国際的な定説」とされてきたものでした。現綱領の規定には、未来社会の生産力にかかわる「国際的な定説」が未清算のまま残される結果となっているのです。
しかし、マルクスが『ゴータ綱領批判』で「協同組合的富」(協同的富)と呼んでいるのは、資本主義的な富ではないんですね。つまり『資本論』の冒頭に出てくる「巨大な商品の集まり」としてあらわれる物質的な富ではなくて、社会主義・共産主義的な富であることに注意を払う必要があります。
『資本論』と『資本論草稿』のなかで、また『ゴータ綱領批判』それ自体のなかでも、マルクスは、「富とは何か」について多面的な考察を行っています。それは、第一に、労働がつくりだす使用価値としての物質的な富を基礎としつつ、第二に、マルクスが「真の富」と強調した「自由に処分できる時間」--「自由な時間」、第三に、そうした「自由な時間」がつくり出す「各個人の完全で自由な発展」、そして第四に、すべての富の源泉としての自然の豊かさそのもの--それらの全体を含んでいます。
そしてこれらの要素はバラバラにあるのではなくて、互いに条件となり、関連しあっています。たとえば、労働がつくりだす使用価値としての物質的な富、衣食住やインフラも含めてこれは人間らしい暮らしを支える絶対的に必要な前提条件であり、必要な物質的な富があってこそ、「自由な時間」も意味があるものとなり、「各個人の完全で自由な発展」も現実のものとなります。同時に、たとえ物質的な富があふれるように豊かになったとしても、そのことによって、自由な時間、個人の発展が阻害された、そして自然が犠牲になるのであれば、それは真に豊かな社会とはいえません。これらの要素が、総体として、調和した形で、豊かに拡大してこそ、真に豊かな社会をつくることができるといえるでしょう。
そう理解するならば、『ゴータ綱領批判』でのべている「協同組合的富のすべての源泉がいっそうあふれるように湧きでる」の意味は明瞭になるのではないでしょうか。それは、「物質的な富があふれるように豊かになる」という意味ではありません。豊かで多面的な内容をもつ「富」--物質的な富、自由な時間、各個人の完全で自由な発展、自然の豊かさの全体が、総体として、調和した形で豊かに拡大し、「人間の自由」が全面的に開花する未来社会の一番の輝きを表現していると理解すべきではないでしょうか。
一部改定案での、未来社会における生産力について改定は、こうした立場を踏まえてのものであります。
いま一つは、社会主義・共産主義の社会と国家権力の関係であります。
現綱領では、「原則としていっさいの強制のない、国家権力そのものが不必要になる社会、人間による人間の搾取もなく、抑圧も戦争もない、真に平等で自由な人間関係からなる共同社会への本格的な展望」が開かれるのは、「社会主義・共産主義の社会がさらに高度な発展をとげ、搾取や抑圧を知らない世代が多数を占めるようになったとき」のこととされています。しかし、この規定は問題点を残すものとなりました。
「国家権力そのものが不必要になる社会」が、「社会主義・共産主義の社会がさらに高度な発展をとげ」たときに実現する--言い換えれば、「高度な発展」に到達していない段階では国家が存在するというのは、レーニンが『国家と革命』のなかで展開し、その後、「国際的な定説」とされてきたものであって、マルクスの立場ではありません。
マルクスは、資本主義社会から共産主義社会への革命的転化の時期--過渡期には、社会主義をめざす国家権力が存在することを想定しましたが、過渡期が終わり、階級闘争などの必要がなくなれば、政治的統治の役割を担っていた機関が、政治的性格をもたない管理的な機関に変わってゆく、すなわち国家がなくなる過程がすぐに始まることを想定して、その過程を論じています。
資本主義社会から社会主義・共産主義の社会への過渡期が終わった段階で、人間による人間の搾取が廃絶されていることはもちろん、国家の役割も終わり、暴力や戦争の根も取り除かれることになるでしょう。過渡期を経て、社会主義・共産主義の社会が実現した段階で、これらのことは基本的に実現されるという展望をもつことができます。
以上をふまえて、一部改定案では、「(社会主義・共産主義の社会が)さらに高度な発展をとげ、搾取や抑圧を知らない世代が多数を占めるようになったとき」という条件を削除しました。
以上が、綱領第一六節、社会主義・共産主義の社会の基本的特徴にかかわる改定であります。一部改定案が、現綱領で未清算のままで残ったレーニンに由来する二つの「国際的な定説」--未来社会における生産力と国家権力の問題に関する旧来の理論を清算し、マルクスの本来の立場を明らかにしたことは、重要な歴史的意義をもつと考えるものであります。
綱領第一七節は、社会主義的変革の時期--資本主義社会から社会主義・共産主義の社会への革命的転化の時期--過渡期において、党がどういう方針でのぞむかを明らかにしている節であります。
一部改定案では、過渡期についての記述は、現綱領の内容を生かし、一部整理し、補強するという形で仕上げました。
現綱領では、日本における社会主義への道について、「多くの新しい諸問題を、日本国民の英知と創意によって解決しながら進む新たな挑戦と開拓の過程」としつつ、「次の諸点にとくに注意を向け、その立場をまもりぬく」として、第一に、生産手段の社会化は多様な形態をとりうるものだが、生産者が主役という社会主義の原則を踏み外してはならない、第二に、市場経済を通じて社会主義に進むことは、日本の条件にかなった社会主義の法則的な発展方向である--という2点を明記しています。
一部改定案では、「さまざまな思想・信条の自由、反対政党を含む政治活動の自由は厳格に保障される。『社会主義』の名のもとに、特定の政党に『指導』政党としての特権を与えたり、特定の世界観を『国定の哲学』と意義づけたりすることは、日本における社会主義の道とは無縁であり、きびしくしりぞけられる」という現綱領第一六節で表明している内容を綱領第一七節に移して、わが党が守りぬく第三の点に位置づけました。市民的・政治的自由をまもりぬくという表明は、過渡期における方針として位置づけることが適切であることにくわえて、第一の点も、第二の点も、旧ソ連の誤りを絶対に再現させてはならないという立場と一体のものとして提起されており、それに続けて右の内容を第三の点に位置づけるというのは、合理的な整理だと思います。
一部改定案で、過渡期の任務として新たに補強したのは、次の一節であります。
「社会主義的変革の過程では、生産手段の社会化を土台にして、生産過程のなかでの人間関係から支配・被支配のなごりを一掃し、真に自由で平等な人間関係をつくりだす変革が重要となる」
マルクスは、1871年のパリ・コミューンの経験を総括して執筆した『フランスにおける内乱・第一草稿』(1871年)のなかで、過渡期の任務として、「現在の組織された労働という形での生産の社会的諸形態(現在の工業によって生み出された)を、奴隷制のかせから、その現在の階級的性格から救いだす(解放する)」ことを強調しました。ここでマルクスが「奴隷制のかせ」と呼んだのは何か。
マルクスは、『資本論』で、工場における監督および指揮の労働が、二重の性質をもっていることを明らかにしています。
第一の側面は、多数の個人の多様な労働を、「一つの司令的な意思」をもって、その作業場の目的にかなった全体の活動に統一していく機能です。マルクスは、監督・指揮労働のこの側面を典型的に表す実例として、オーケストラの指揮者の役割をあげています。オーケストラの指揮者は、オーケストラに参加する演奏者たちを支配しているわけではありません。オーケストラという分業体制のなかで、指揮という機能を分担しているという関係であって、そこには支配・被支配の関係はありません。
しかし、資本主義社会では、監督・指揮の機能は、第二の側面--階級的な敵対関係にもとづく、資本家による労働者の支配という機能と不可分に結びついています。マルクスは、ここに「奴隷制のかせ」があると指摘し、そこからの解放が不可欠だと主張しました。
すなわち、「生産手段の社会化」が実現したとしても、それだけでは、階級支配が存在していた時代につくりだされた生産過程における支配・被支配の関係--「奴隷制のかせ」はなくならない。未来社会における生産の社会的な形態が、自由な意思で結びついた生産者たちが協力しあう新しい結合体に変わるためには、生産現場に新しい社会にふさわしい真に自由で平等な人間関係--いっさいの支配・被支配のなごりを一掃した新しい人間関係をつくりだすことが必要だ。そうしてこそ、生産者が主人公、人間が主人公という、社会主義本来の原則を実現することができる。そして、この大仕事を行うことこそが過渡期の最も重要な任務になることを、マルクスは強調しています。右にのべた一部改定案の補強は、マルクスのこうした指摘を踏まえてのものであります。
綱領第一七節の最後は、つぎの一文で締めくくりました。
「社会主義・共産主義の日本では、人間がほんとうの意味で、社会の主人公となり、『国民が主人公』という民主主義の理念は、政治・経済・文化・社会の全体にわたって、社会的な現実になる」
この一文は、現綱領の第一六節から移動したものですが、それは過渡期の仕事をやり抜いて、社会主義・共産主義の社会が実現した段階を表現するものとして、過渡期を論じた第一七節の締めくくりの言葉にすえるのがふさわしいと考えます。
綱領第一八節は、発達した資本主義国での社会主義的変革のもつ意義と、その壮大な可能性について明らかにしています。
この節は、2020年の第28回党大会で行った綱領一部改定で新たに設けた節であり、党綱領の最後の節としてそのまま生かしました。補強箇所は、つぎの一点だけです。この事業が、「特別の困難性をもつとともに、人間の自由が飛躍的に拡大する壮大な可能性をもった事業」であるということを強調しました。発達した資本主義の国から社会主義・共産主義をめざす社会変革の道は、人類にとって文字通り未踏の道であります。この道は、「人間の自由」という点でも、はかりしれない豊かな可能性をもつものとなるでしょう。
綱領第一八節との関係で強調したいのは、わが党が、綱領のこの新たな規定を踏まえて、この間、欧州や北米の左翼・進歩勢力との交流と連帯のとりくみを開始し、そのことが国際連帯の事業にとっても、わが党自身の認識と活動の新たな発展にとっても大きな力となりつつあることです。理論交流も含めて、この間、開始してきた発達した資本主義国の左翼・進歩勢力との交流と連帯をさらに大きく発展させていきたいと思います。
以上が綱領第五章にかんする修正・補強の提案であります。
一部改定案によって、マルクス本来の未来社会論の輝き、魅力が、わが党綱領に全面的に反映されることになりました。私たちがめざす共産主義・社会主義の社会と、「人間の自由」の全面的開花は、一体不可分のものであるということが綱領上も明確になりました。それは「共産主義には自由がない」といった攻撃や偏見・誤解を根本から克服する決定的な力ともなると、確信するものであります。
全国のみなさん。綱領一部改定案で明らかにされた日本共産党が目指す未来社会の姿、その魅力を、広い国民のなかに大いに語り広げようではありませんか。
報告の最後に、党がこの間の一連のとりくみで、「自由な時間」--「自由に処分できる時間」論を軸に未来社会論を探究してきたことは、遠い将来の問題--未来社会の問題にとどまるものではない、いま私たちがとりくんでいる社会変革の事業を進めるうえでの熱い今日的意義をもつものであることをのべておきたいと思います。
第一は、現代の労働者・青年の切実な要求にこたえ、その民主的結集を進める力となっていることであります。
この間、私たちが、資本主義的搾取によって奪われているのは、「モノ」や「カネ」だけではない、「自由な時間」--あなたの人間が発達するための時間が奪われていることを明らかにし、それを取り戻すたたかいこそ「人間の自由」を取り戻し、「自由で全面的な発展」をかちとるカギであることを明らかにしてきたことは、過労死の不安におびえ、長時間労働に苦しみ、「自分の時間がほしい」という現代の労働者・青年の願いに、ぴったりとマッチした解明となり、共感を広げています。
それはまた、「人間にとってどういう生き方が、ほんとうに自由な生き方、ほんとうに人間らしい生き方といえるのか」など、人間の生き方を問うものとして人々の胸に響き、この点でも共感を広げていることも、うれしいことであります。
第二は、現代のたたかいが、未来社会に「地つづき」でつながっていることを明らかにしたということであります。
この間、わが党は、『資本論』や『資本論草稿』を踏まえ、いま「自由な時間」を増やすことは、(1)労働者の健康と命を守るために絶対に必要であり、(2)労働者の成長と発達にとって必要不可欠であり、(3)労働者の解放にとっての「先決条件」となることを明らかにし、この課題を現代の労働運動の中心課題の一つにすえることの重要性を訴えてきました。
このことは、大幅賃上げと一体に労働時間短縮を求める現代の労働運動を前進させるうえでの貢献になりうるとともに、このたたかいが、いくつかの発展段階を経ながら、未来社会に「地つづき」でつながっていることを示し、未来社会の魅力あるイメージを、多くの人々にとって分かりやすいものとしていると思います。
第三は、「自由な時間」の拡大と、それによる人間の発達は、日常の生活と労働にとっての身近な問題であるとともに、21世紀に人類が直面しているさまざまな焦眉の課題--気候危機、AI(人工知能)、ジェンダー、ケア労働などの課題を根本的に解決するうえでの鍵となる概念(キー・コンセプト)となっているということであります。
たとえば、AIの恩恵を人類全体のものとするためには、その深刻なリスクを抑える国際的な規制をつくることが急務となっていますが、より根本的にこの問題の解決の道を考えるならば、すべての人間が十分な「自由な時間」をもち、自分自身の知的・精神的な潜在力を豊かにのばして、自由で全面的な発展ができるようになる社会に進むことが、重要となってくるでしょう。それは人類が、AIの暴走を抑え、AIを賢く使いこなせるようになる最大の保障となるでしょう。
また、ケア労働は、今後、社会的にその比重を増し、その役割はいよいよ重要になってくると考えられますが、ケア労働の現状を打開していくうえでも、「時間」の拡大が必要であります。すなわちケア労働者が、人間の生命・発達・尊厳を保障するという本来の役割を果たすためにも、ケアの対象と向き合うための十分な時間、たっぷりとした時間をかちとるとともに、ケア労働者自身の「自由な時間」を拡大し、ケア労働者一人ひとりの健康と生命のための時間、発達のための時間を獲得するという、二重の意味での「時間」をかちとっていくたたかいが重要になっているといえるのではないでしょうか。
マルクスは「時間は人間の発達の場である」(『賃金、価格および利潤』〈1865年〉)という名言を残しました。「自由な時間」とは、言い換えれば、そうした時間を使った「人間の発達」ということにほかなりません。21世紀の現代が直面するさまざまな課題において、「自由な時間」の獲得と、それを使っての人間の自由な発展こそが、根本的解決の道となっていることを強調したいと思います。
第四は、旧ソ連流の社会主義論を根底から克服する大きな力になることであります。
旧ソ連などでは、「自由な時間」の拡大--「真の自由の国」の拡大と、「各個人の完全で自由な発展」という、マルクスの肝心の思想が、未来社会論からまったく消し去られ、封印され、踏みにじられてきました。
その理論的誤謬(ごびゅう)は、共産主義社会の目標を、「必要におうじてうけとる」という、生産物の分配のあり方においたことだけに、とどまるものではありません。マルクスの未来社会論を、もっぱら「物質的生産の領域」--「必然性の国」だけでとらえ、物質的な富があふれるように拡大することを最大の目標とする議論に落ち込んだことに、根本的な理論的誤謬がありました。レーニンが執筆した『国家と革命』に由来し、スターリンによって固定化されたこの理論的誤謬は、人類の未来史からそのもっとも輝かしい部分--「真の自由の国」を切り捨てる、きわめて大きな誤りでした。そしてそれは、旧ソ連において社会主義とは無縁の人間抑圧の体制がつくられ、崩壊にいたったことと決して無縁ではありません。社会主義の目的が、人間の自由であるとするならば、どうしてあのような社会がつくれるのでしょうか。ありえないことであります。
一部改定案は、マルクスの未来社会論の一番の輝き--「人間の自由」、「各個人の完全で自由な発展」、「自由な時間」を、綱領の未来社会論の中心にすえるとともに、旧ソ連流の社会主義論--社会主義にかかわる一連の「国際的な定説」を、全面的に清算し、それと根本的に決別する、歴史的意義をもつものとなりました。それは、旧ソ連社会のような「人間の自由」の否定のうえに築かれた専制政治を、わが党がきっぱり否定するうえでも確かな理論的土台となるでしょう。
日本共産党が、今日、こうした未来社会論の発展をかちとることができたのは、相手がどんな大国であれ、無法な干渉を断固として許さず、日本の運動の進路は自分自身で決めるという自主独立の路線を貫き、この路線のうえに、科学的社会主義の理論の刷新と発展のために力をつくしてきた私たちの先人たちの苦闘と努力、先駆的探究の積み重ねがあったということを、私は敬意と感謝を込めて強調したいと思うのであります。
私は、報告の冒頭で、今回の綱領の一部改定案について、綱領第五章・未来社会論を全体的に改定するとともに、その他の章についても必要不可欠な問題について改定を行い、綱領の全体を現時点で考え得る最良の記述のものに発展させることを目的として作業を行ったとのべましたが、幹部会として、この目的に基本的にこたえる一部改定案を提案することができたと考えます。
綱領一部改定案を、この中央委員会総会の積極的な討論をつうじて練り上げ、さらに全党討論で、全党の英知を結集して練り上げ、日本共産党の進路を照らす羅針盤として立派に仕上げることを、心から訴えるものであります。
全国のみなさん。改定綱領案を力に、日本を変え、世界に働きかけ、強く大きな党をつくるたたかいに、新たな決意でたちあがろうではありませんか。
そのことを強く呼びかけまして、綱領一部改定案の提案報告を終わります。
13日(火)は、国際防災の日。

柏原市のホームページより。
2026年10月13日(火)午後1時00分
「柏原警察からのお知らせです。
本日、特殊詐欺と思われる電話がありました。
不審な電話があれば、110番へ通報してください。」
★事案概要
配達業者職員を名乗る者から自動音声で「あなた名義で荷物が送られている。あなたの郵便番号等を教えてください」等詐欺の可能性がある不審な電話がかかってきている。
中央委員会総会に提案した文書
12日(月)は、豆腐の日。

しんぶん赤旗の配達。
明日は新聞休刊日です。
記事。
議員会館パーティー 2020年も/関文科相 また疑惑/利益率98.1%「実質的寄付」

午前は、後援会ニュースの印刷が済んだと連絡があったので八尾の地区委員会事務所へ。
昼からの資料の印刷・仕分けの手伝いをしました。
膨大な量でした。

午後からは、第10回中央委員会総会報告(第30回党大会の議案報告)を大県事務所で本郷事務所の方も来られ一緒に視聴しました。
日本共産党綱領一部改定案・第30回党大会の議案報告と「大運動」の呼びかけがそれぞれ志位和夫議長、田村智子委員長から行われました。
休憩をはさみましたが、5時間の内容でした。
これから、各支部で討議していかなければなりません。
