1クラス20人程度教員は10万人増を
日本共産党の志位和夫委員長は10日の衆院予算委員会で、新しい局面を迎えた新型コロナウイルス危機への対策として、雇用危機の打開、PCR検査と保健所の拡充、子どもたちへの学びの保障の三つの角度から具体的な提案を行い、安倍晋三首相の姿勢をただしました。
教育の問題では、長期の休校によって、かつてない学習の遅れと格差が生まれています。志位氏は「一人ひとりの子どもに丁寧に寄り添い、心のケアにしっかり取り組む手厚い教育が必要だ」と強調。例年通りの授業をしようと詰め込みを行うと子どもに新たなストレスを与えてしまうとして、子どもの実態から出発する柔軟な教育を求めました。
安倍首相は「子どもたちの心に寄り添いながらしっかりサポートしていく」「学習活動の重点化など教育課程編成の考え方を示し、最終学年以外の子どもたちは2、3年間を見通して無理なく、学習を取り戻せるよう特例を設ける」などと答えました。
志位氏は、日本教育学会の提言をもとに小中高で10万人の教員増を提案。学校での感染拡大防止として政府が求めている2メートルの間隔をとるためには1クラス20人程度にしなければならないことを示し、「教員10万人増を実現し、それを全国の多人数のクラスに配置すれば、全国的にほぼ20人程度の授業が可能になる」と強調しました。
安倍首相は「少人数学級に向けて努力を重ねてきた。コロナ後を見据え、検討していきたい」と答えました。
志位氏は「現在の困難を乗り越えた後には、子どもたちに少人数学級をプレゼントすることになる希望ある政策だ」と指摘。コロナ後の社会について言及し、保健所、医療を削減し、教育のゆとりをなくしてきたことがコロナ禍でさまざまな矛盾を引き起こしているとして、「その反省と転換を強く求める」と訴えました。
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