日本共産党柏原市会議員 橋本みつおのブログです。

上場企業役員報酬

2日(金)は、学制発布の日。

1872年(明治5年)

 

しんぶん赤旗の主張。

上場企業役員報酬。

 

上場企業の役員報酬の高額化が進んでいます。日本共産党政策委員会の集計では、2023年度に報酬1億円以上の役員を有価証券報告書で開示した上場企業は少なくとも501社、1106人にのぼります。前年度より112人も増え、初めて1000人を超えました。

有価証券報告書での開示が義務付けられた13年前は230人前後でしたから、5倍近くにも増えたことになります。

■賃金は実質で減少

企業の発展に貢献した役員に応分の報酬で報いること自体を頭から否定はしません。しかし、企業の業績が向上したのは役員だけの力ではなく、何よりもその企業の労働者のがんばりによります。役員報酬を上げる前に、労働者の賃上げを行うのが当然です。

ところが、23年度に5兆円という過去最高益をあげたトヨタ自動車では、会長の豊田章男氏には前年度比6割増の16億円もの報酬を支払う一方で、社員の賃金は0・5%しか増えていません。

報酬1億円以上の役員がいた企業全体の集計でも、社員の賃金は2・2%増にとどまっています。23年度の物価の伸び(3・5%)を差し引いた実質ではマイナスです。501社のなかには、実質どころか名目でも平均賃金が下がった企業が146社もありました。これでは大企業の社会的責任が問われます。

この間、重大な不祥事も次々と起きています。

トヨタ自動車では、子会社の日野自動車やダイハツに続いてトヨタ本体でも検査の不正が発覚しましたが、役員は責任をとらないまま、7人が1億円以上の報酬を受けています。

■不祥事の背景には

顧客情報の違法共有が問題となっている三菱UFJでは役員14人が1億円以上、自衛隊に裏金接待をした川崎重工業でも2人、ビッグモーターの不正保険金請求に関与した損保大手の親企業3社の役員10人も1億円以上の報酬を得ています。紅麹(べにこうじ)事件で辞任した小林製薬の会長と社長も報酬1億円以上でした。

こうした事態が相次ぐ背景には、労働者や消費者を犠牲にしても、目先の利益をあげ、株主への還元を増やしさえすれば評価されるという株主資本主義の強まりがあります。

役員報酬1億円以上の企業を集計すると、最終利益が前年度比10・1%、約4兆円増えており、同時に株主への配当も10%、1・4兆円増えています。

近年は、配当だけでなく、自社の株を市場から買い上げることで株価をつりあげる「自社株買い」で株主貢献をする企業も増えています。過去1年間に「自社株取得枠の設定」を取締役会で議決した企業の取得枠の合計額は約14兆円にもなります。そのうち、役員報酬1億円以上の企業が11兆円を占めています。これは、その前の1年間に比べて4兆円の増加です。

賃金を切り下げようが、不祥事を起こそうが、株主に貢献すれば高額の報酬が約束される―こんな経営では、長期的には企業自身の競争力も失われ、日本経済も低迷から抜けられません。株主資本主義を助長する高額報酬に、厳しい批判の目が必要です。