個人質問で「教科書の選定問題」を取り上げました
6月議会での個人質問で、来年度から採用される、中学校の教科書の選定について取り上げました。質問した内容を紹介します。
中学校の使用教科書の選定については、柏原市の生徒にとって最も適した教科書を採択するため、公正で適正に行うという答弁でした。
最終的に選ぶのは、教科書を使う現場の先生ではなく、市長が任命した教育委員さんの教育委員会会議で採択されます。
今回取り上げたいのが、社会科の教科書です。19の出版社の中から選びますが、その中には、日本の侵略の歴史を歪め、平和憲法を攻撃する2社の社会科教科書も含まれています。
ある出版社の歴史教科書は、アジア太平洋戦争を「大東亜戦争」と記載し、「アジアを解放する戦争であった」「正しい戦争」と書いています。
また、公民教科書は、本来ならば、公民の学習で大切なのは、日本国憲法の理念と原則つまり、国民主権・基本的人権の尊重・平和主義を学ぶことですが、ところが、ある出版社では、「国民主権と天皇」、国民主権の説明は短く、ほとんどが天皇の話になっています。また、「平和主義」もほとんど自衛隊の説明になっています。
私は、日本国憲法の精神に反する教科書で子供たちが学ぶことは、あってはならないと考えます。
実際に採用されている、他市の学校現場からは、「事実を歪めている点が多々ある」「世界と日本の結びつきが教えにくい」「子供たちの思想に具体的に介入する文章が目立つ」「学力向上につながらない」「挿絵や写真など、戦争のイメージにつながる資料が目に余る」などの声が出ています。
今年の4月7日付で文部科学省初等中等教育局長名で各都道府県教育委員会教育長宛に、「平成28年度使用教科書の採択についての通知が出されました。そこには、平成27年度においては、平成28年度使用教科書の採択を行うことになります。教科書採択のあり方については、「教科書採択の改善について」等により、その改善ほうを依頼しているところです。とあります。
つまり、今までは、現場の先生が入っていた選定委員会で検討し、2、3社の出版社を絞っていましたが、文科省は、選定委員会で出版社を絞ることをなくせと迫っています。
私は、文科省の通知、つまり改善策の押しつけの裏に、今の安倍政権のねらいがあると考えます。
安倍政権は、先ほど紹介した教科書を絶賛し、全面的に支援しています。これは、安倍政権の進める「戦争する国づくり」の人づくりがねらいです。戦争をする国の兵士やそれを支える国民、戦争を支持する国民を作る、それを教育によってやろうというものです。そして、道徳の教科化で愛国心をはじめとした国定の価値を教育に強制しようとしています。
生徒にとって教科書は学習の基本となるものです。
専門職であり、実際に教科書を使用する、現場教職員の意見を最大限尊重するべきであります。教育委員会におかれましては、教科書採択を公正・民主的に行うこと、そして、平和・民主主義・人権が重んじられる教科書を採択していただきますようお願いします。
私も、7月に行われる、教科書を採択する教育委員会議を傍聴させていただきます。