エネルギー戦略(7日付け新聞赤旗主張より)
東京電力福島原発事故を踏まえ、原発からの撤退は国民の切実な願いです。政府は事故を機にエネルギー政策を「白紙から見直す」と、「エネルギー・環境戦略」を決める作業を進めていますが、国民の声を踏まえるなら、原発からの撤退をまず、決断すべきです。・・・・
三者択一は根拠がない
今年秋の策定を目指す政府の「エネルギー・環境戦略」のための作業は、2030年の原発依存度として、「0%」、「15%」、「20~25%」の3案を示し、国民に選択を求めるのが出発点です。「20%~25%」はもちろん「15%」でも原発の運転を続け、建設から40年過ぎた原発の運転や原発新設が必要になります。「原発ゼロ」の国民の願いとは程遠いものです。原発事故の深刻さを踏まえたエネルギー戦略策定にあたってまず求められるのは、政府の責任で原発からの撤退を決断することです。・・・
一日も早い決断こそ
1年5カ月たった東京電力福島原発の事故は完全に収束せず、原因究明も尽くされていません。いったん大事故が起きればもっと重大な事態さえ予想されるのに、原発からの撤退の決断を遅らせること自体、国民の「暮らしと安全」を危うくするものです。原発から撤退すればエネルギーに不安が生じるなどの意見がありますが、生命の安全は、何物にも代えられません。一日も早く原発から撤退を決断しエネルギー戦略を決めることこそが、省エネルギーや再生可能エネルギーの拡大にも道を開くことは明らかです。
?