消費税収はどこへいったの?(赤旗より)
1989年4月に消費税が導入されて以降、2015年度までの27年間で消費税収は304兆円にのぼります。
一方、この間に法人税(国税)の基本税率は38%から25・5%へと大幅に引き下げられてきました。1989年度と比べた法人3税の税収減は合計263兆円に達します。
実質的に、落ち込んだ法人税収の穴埋めのために、消費税収がほとんど消えてしまった形です。
安倍晋三政権のやり方も同じです。2014年4月に消費税率を8%に増税。17年4月には必ず10%にすると明言しています。一方で、法人実効税率(国税と地方税を合わせた法定税率)は15年度以降、2年間で34・62%から31・33%に下げ、さらに数年間で20%台にする方針です。
社会保障については、手当たり次第に改悪を進めています。
15年度予算案では、実質4・48%もの介護報酬引き下げを打ち出し、「介護崩壊を招く」と批判を浴びています。年金支給額は、上昇した物価に対して実質1・8%も削減。生活保護でも、住宅扶助(家賃)、冬季加算(防寒費)、生活扶助(日常生活費)を軒並み切り下げます。
今年の通常国会に医療保険制度改悪法案を提出することも狙っています。中身は、▽入院給食費を1食260円から460円に値上げする▽紹介状なしで大病院を受診する際に5千~1万円の定額負担を課す―などです。
消費税増税で社会保障を「充実・安定化する」などという政府の言い分は、全く成り立ちません。